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EU、鉄鋼輸入の新保護措置を開始 FTA配慮と産業防衛を両立

2026/07/06 22:43
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EUは、世界的な鉄鋼の過剰生産による圧力から域内産業を保護するための新たな貿易措置を導入(鉄鋼保護規則)、2026年7月1日から適用となった。本措置は、2026年6月30日に失効した鉄鋼セーフガード制度(初版2018年)に代わるものであり、EUの産業政策および競争力戦略の中核をなすものと位置付けられている。

新たな枠組みは、関税割当制度とより厳格な輸入条件の組み合わせとなっている。本規則の適用に伴い、欧州委員会は6月30日、割当の各貿易相手国への配分を定める施行規則(二次規則)を採択、その中で新制度の運用開始にあたり具体的な指針が示された。

新鉄鋼保護規則は、26の鉄鋼製品カテゴリーについて年間1,830万トンの無関税輸入枠を設定している。この枠を超える輸入には50%の関税が課される仕組みとなっており、本措置により低価格鋼材の流入増加の抑制を狙う。従来のセーフガード措置と比較して、全体の割当量は縮小される一方、枠外輸入に対する抑止力は強化されている。

現在EUの鉄鋼輸入の約80%はFTA締結国からによるものが占めている。欧州委員会によると、30日の施行規則は、新鉄鋼保護規則下の措置によって期待される効果に妥協することなく、FTA締結国が受ける影響を最小限にすることを目指すものだ。新たに定められた配分内容では、無関税枠1830万トンの半分は、FTA(自由貿易)締結国に専用枠として割り当てられ、残る半分はFTA締結国を含むすべての貿易相手国に対して開放されることになっている。この措置により、鉄鋼保護規則による平均47%の割当削減に対し、FTA締結国はるかに高いEU市場へのアクセスを維持できる見通しだ。

さらに鉄鋼保護規則は、「溶解・鋳造(melt and pour)」工程に関するトレーサビリティ要件を導入している。輸入業者は、当該工程がどこで行われたかを申告する義務を負い、サプライチェーンの透明性向上および規制回避の防止を図るものである。この枠組みに関する詳細は、施行規則として八月に発表される予定。

本施行規則は緊急手続により採択されており、即時適用される一方で、有効期間は最大6か月に限定されている。加盟国は採択後14日以内に投票を求められ、その後、2026年末までに通常の「コミトロジー手続(EUにおける委員会制度)」の下で再審議される見通しとなっている。

欧州委員会は、本鋼材規則を、依然として国際市場を歪めている世界的な過剰生産への対応として必要不可欠な措置であると位置付けている。公正な競争条件の回復を通じてEU域内の雇用を守るとともに、脱炭素化および技術革新への投資余地を確保する狙いである。

 

Yukari SCHANZ

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