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EU鉄鋼保護規則および施行規則に関する欧州委員会Q&Aの概要

2026/07/07 20:13
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7月1日から適用となったEU鉄鋼保護規則およびその施行規則に関し、欧州委員会は、ステークホルダーから寄せられた質問内容に対する回答としてQ&Aを発表している。以下にその内容を報告する。

EUの鉄鋼規則の実施に関する質疑応答:鉄鋼輸入における関税割当量の配分について

Q:EUへの鉄鋼輸入にはどのような割当量が設けられており、誰が対象となるのか?

2026年7月1日に発効するEUの鉄鋼措置は、鉄鋼セーフガードにおける割当量と比較して、26品目の鉄鋼製品の無関税輸入量を平均47%削減することになる。この措置により、2026年7月1日以降、年間合計1,830万トンの鉄鋼がEUへの無関税輸入を許可されることになる。施行規則は、この割当量が貿易相手国間でどのように配分されるかについて、公正かつ客観的な方法論を定めるものある。割当量を超える輸入には50%の関税が課されることになる。

Q:割当量の配分決定にはどのような方法論が用いられたのか?

EUの鉄鋼割当量は、鉄鋼規則に定められた基準に沿った公正かつ客観的な方法論を用いて、EUの貿易相手国間で分割されている。この方法論はWTO規則に準拠しており、EUと貿易相手国との間でWTO(GATT第28条交渉基づく)において原則合意に達した全ての協定も認めるものである。また、FTA締約国と非FTA締約国を区別し、FTA締約国がより高い割当量という形で優遇措置を受けられる仕組みとなっている。

Q:個々の貿易相手国間で割当量は具体的にどのように分割されたのか?

EUの年間輸入割当量1,830万トンの半分、すなわち915万トンが、EUと自由貿易協定(FTA)を締結している相手国に排他的に配分されている。残りの半分は、FTA締約国を含むすべての貿易相手国が差別なく利用可能である。FTA締約国専用の部分のうち、より大きな割合が国別配分となっている。これらは、過去に輸入量の少なくとも5%のシェアを占めていた国(2022年から2024年の平均輸入シェアに基づく)に付与される。残りの量は、すべてのFTA締約国からの輸出に対して競争ベースで利用可能である。

Q:EUのFTA締約国に対してどのような特別な配慮がなされたのか?

関税割当量の配分は、鉄鋼規則の制限内で、かつ措置の有効性を損なうことなく、EUの鉄鋼措置がFTA締約国に与える影響を最小化することを目的としている。EUの年間輸入割当量の半分が、優遇貿易(FTA)締約国専用に確保されており、残りの半分はFTA締約国を含むすべての貿易相手国が差別なく利用可能である。さらに多くのFTA締約国は、過去の輸入量に比例した確実な国別割当量を受けることになる。したがって、EUのFTA締約国の大多数の市場アクセスの縮小率は、鉄鋼保護規則で想定されている平均47%の削減に対し、著しく低くなると想定される。

Q:EUの新たな鉄鋼措置と具体的な関税割当量の配分は、どのようにWTOと整合性を保っているのか?

関税及び貿易に関する一般協定(GATT)第28条は、WTO加盟国が自国の譲許関税率を修正または撤回することを認めるものである。これを合法的に行うためには、当該国は影響を受ける貿易相手国と交渉を行い、貿易上の譲許の全体的な均衡維持を補償する調整策を提示しなければない。2025年10月に鉄鋼保護措置を提案して以来、EUはWTOにおいて20カ国以上の貿易相手国(主にFTA締約国)と第28条をめぐる交渉を行ってきた。これらの協議に基づき、委員会は措置の有効性を損なうことなく、FTA締約国の主な懸念に対応し、鉄鋼措置による影響を最小化するよう努めてきた。その結果、多くの相手国が配分された割当量に暫定的に同意している。

Q:EUのEEA貿易相手国はなぜ鉄鋼保護措置から除外されたのか?

EEA諸国は、鉄鋼保護措置における関税割当量または関税の対象にはならない。こうした差別的な扱いは、EEA諸国がEUの内部市場へ緊密に統合されていることによるものである。同様の理由により、EEA諸国は鉄鋼セーフガードからも除外されている。8年間にわたり、その輸出水準は安定しており、その量は限定的であった。したがって、他のFTA締結国が有しないEUに対する独自の地位と、限られた輸出量との組み合わせがこうした扱いを可能にしている。しかしながら、将来的に第三国の生産者がこの除外を迂回の手段として利用することを防ぐため、EEAからの対象鉄鋼製品の輸入業者は、他のすべての関係者と同様に、溶解及び鋳造の証拠要件を満たす必要がある。

Q:本措置は北アイルランドに関するウィンザー枠組の解決策とどのように関連しているのか?

ウィンザー枠組には、北アイルランド経済の利益のため、英国原産の鉄鋼がイギリスから北アイルランドへ移動する際の特定の関税割当量(TRQ)からなる解決策が含まれている。施行規則は、ウィンザー枠組の下でのコミットメントを完全に尊重し、これらの移動に対して同じTRQ量を提供している。

Q:第三国はEUの措置や特定の割当量配分に対して報復措置を講じないのか?

EUの鉄鋼措置はWTO規則に準拠して準備されたものであり、EUはジュネーブにおいて貿易相手国とGATT第28条に基づく協議に積極的に取り組み、優遇貿易相手国が全体的な譲許水準を維持できるように努めてきた。その結果、EUの多くのFTA締約国が関税割当量の配分に原則的に同意している。

Q:新たな割当量は、様々な鉄鋼製品に対する既存/将来の貿易防衛(TDI)措置とどのように相互作用するのであるか。

アンチダンピング関税や相殺関税などのTDI措置は、輸入された最初の1トンから適用される。本提案の対象となる製品カテゴリーのうち、いくつかはTDI措置の対象となっている。これは、そのような輸入品にはTDI措置の下での関税が課され、さらに措置の下での関税割当量を使い果たした場合には、追加で50%の関税が適用されることを意味する。

 

 

 

Yukari SCHANZ

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