日本維新の会所属議員と対談する赤澤大臣(右、日本維新の会HPより引用)
赤澤亮正経済産業大臣は7日の閣議後記者会見で、日本維新の会が大臣に提出した「エネルギー安全保障に関する提言」について言及。ナフサの備蓄対策の提案について、「揮発性が高く、年単位の長期備蓄が難しいといった特性があることを踏まえて、備蓄方法や支援の必要性など、その在り方について検討してまいりたい」とコメントした。
日本維新の会は2日、赤澤大臣に対し、「エネルギー安全保障に関する提言」を提出し、▽原子力発電と核燃料サイクル▽次世代革新炉及び核融合炉の開発加速化▽化石燃料に係る資源外交と備蓄▽地熱等我が国に優位性のある再生可能エネルギーの開発推進▽エネルギーの効率的利用と需要側の施策▽レアメタル等の鉱物資源――などの分野で要望を行った。
その中で、同会はホルムズショックの影響を強く受けたナフサについて、「2026年のイランでの戦闘に伴い、ナフサの不足が心配されたが、燃料の石油製品と異なり、基幹原料である化学製品のためのナフサは40年前に備蓄義務が撤廃 されるなど備蓄制度が整えられていなかった」と指摘。ナフサについて、国家備蓄や民間在庫の積み増しなどの備蓄対策や、経済安全保障に関する法制で、特定重要物資の対象とすることを求めた。
これに対し、赤澤大臣は閣議後記者会見の場で、「その在り方について検討してまいりたい」とコメント。一方で「揮発性が高く、年単位の長期備蓄が難しい」と述べ、備蓄制度の整備に向けた問題点も示した。
また、特定重要物資の指定については、「今後の情勢を見極めつつ、その是非も含め、一層の安定供給確保の方策について検討してまいりたいと考えている」と回答するに留めた。維新による具体的な懸念の提示に対し、政府側は安定供給の重要性を認めつつも、現実的な運用の難しさについて慎重な姿勢を崩していない形だ。
また、日本維新の会は提言の中で、レアメタル鉱物資源の確保についても早急な対策の必要性を強調。「レアメタル供給は依然として中国など特定国への依存度が高く、地政学的リスクに極めて脆弱である」と問題点を指摘したうえで、米欧や豪州、アフリカ諸国 との連携を強化し、調達先の多角化と安定確保を図ることや、権益取得や出資参画、精錬・加工工程への参画を含むサプライチェーン全体での関与の検討を求めた。
さらに、中国によるレアアース磁石の規制については、レアアース磁石を用いたモーターの製造工場が中国進出すれば、技術流出につながりかねないことから、経済安全保障の観点から対応策を検討するよう要請した。
技術的困難さを抱えるナフサの備蓄や、特定国への依存が顕著な重要鉱物の防衛など、山積する課題に対し、政府が民間と連携してどのような実効性のある法制・支援策を打ち出すのか、その手腕が問われている。赤澤大臣が連立政権のパートナーである維新の提案をどう組み込み、どう退けるのかも気になるところだ。