米ブルームバーグ通信は7月10日、「コンゴ民主主義共和国(DRコンゴ)の税務総局(DGI)が7月9日に、スイス資源大手グレンコアが同国内で運営する銅・コバルト鉱山を一部封鎖した」と伝えた。納税でトラブルがあったとみられる。コンゴは銅で世界2位、コバルトが首位の生産国。コバルトは輸出規制をかけているが、銅については世界の供給量に影響する可能性がある。
■30億ドル未納? 政府と主張食い違う
報道によると、閉鎖されたのはコンゴ南部のルアラバ州コルウェジにあるカモト銅会社(KCC)の事務所と一部施設。グレンコアはKCCの権益の約7割を保有し、残りはコンゴ政府と国営企業が保有する。2025年の銅生産量は約19万トンだった。
政府側は、KCCが約30億ドルに及ぶ未納税金を抱えていると指摘しているという。また、KCCの関連企業が鉱石の輸出取引時に価格を過小申告し、余剰金を海外に移したと疑っているとも伝わった。グレンコアは疑惑を否定しているといい、両者は既に1年間、この件について交渉してきたとされる。
■銅価格は高止まり、供給不安誘う恐れ
コンゴはコバルトについては2025年2月から輸出を規制している。グレンコアが1月に発表した生産見通しによると、2026年の同社の輸出割当はKCCが1万6100トン、コンゴ全体で2万2800トン。グレンコアはコンゴ内ですでに在庫を十分に抱えており、生産が滞ってもコバルトについては影響がなさそうだ。
グレンコアのコンゴ輸出割当

(出所:グレンコア生産報告発表資料)
一方、銅にはこうした規制はなく、グレンコアの生産減少は世界の流通量に影響する可能性がある。銅価格はNY、ロンドンの双方で高止まりしている。供給不安を誘えば一段高となる恐れがある。
過去1年間のNYとLME銅価格の推移($/lb)($/ton)
