【概況】
7月13~17日のLME非鉄相場は、米6月CPIを受けた利上げ観測の後退を背景に週前半は上昇したものの、週後半は世界的な株安や中東情勢の再緊迫化から利益確定売りが優勢となり、品種ごとに明暗が分かれた。銅はLME在庫の減少や米国の輸入需要を背景に13,500ドル台を維持し、アルミも在庫減少とバックワーデーションの定着から3,100ドル台を維持した。
ニッケルは一時17,000ドル台を回復したが、高水準の在庫や供給余剰懸念が上値を抑制。亜鉛は主要製錬所の供給障害が支えとなる一方、中国の精錬増産を受けて反落した。錫はAI関連需要への期待とインドネシアの輸出規制を背景に高値圏を維持した。全体としては、供給制約が下支えする一方、景気やAI投資への警戒から利益確定売りも入りやすく、品種ごとのファンダメンタルズの違いが鮮明な一週間となった。
(為替概況)162円台で膠着 米インフレ鈍化と中東情勢が綱引き(NY外為)
7月13~17日のドル円は、162円台を中心としたもみ合いとなった。週前半はイラン情勢の緊迫化やウォラーFRB理事の追加利上げに前向きな発言を背景に、一時162円48銭まで上昇した。
その後は、6月の米消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)がともに市場予想を下回り、FRBの早期利上げ観測が後退したことからドル売りが優勢となり、一時161円台半ばまで下落。ただ、161円台後半では押し目買いが入り、ドル円は再び162円台前半へ持ち直した。
週後半は堅調な米景気指標やFRB高官によるインフレ警戒発言がドルを支えた一方、中東情勢の不透明感も安全資産としてのドル需要を下支えし、相場は162円台前半から半ばで推移した。みんかぶでは、オプション市場の1カ月物ボラティリティが2022年2月以来の低水準となるなど、為替市場は「夏枯れ相場」の様相を強めていると指摘している。
総じて、米インフレ鈍化によるドル売り圧力と、中東情勢やFRBの追加利上げ観測を背景とするドル買いが拮抗し、ドル円は162円近辺で方向感を欠く一週間となった。このため、国内非鉄建値に対する為替の押し上げ効果も限定的だった。
東京外為市場
7月17日(金)
東京TTS(基準値)
1ドル=163.51円
前週末
7月10日(金)
東京TTS(基準値)
1ドル=163.14円
に対して37銭のドル高円安に。

【LME概況】
(カッパー)13,500ドル台で高値維持 米インフレ鈍化と中東情勢で乱高下
7月17日、3Mは13,525.5ドルが終値。前週末(7月10日)終値13,484.5ドルに対して41.0ドル高と小幅続伸した。週前半は中東情勢への警戒やドル高が上値を抑えたものの、14日は米6月CPIが市場予想を下回り、FRBの追加利上げ観測が後退したことから一時13,708.5ドルまで上昇。その後は半導体関連株安や世界的な株安を受けて利益確定売りが優勢となったが、週末も13,500ドル台を維持した。
LME在庫は30万6,500トンから29万6,625トンへ減少し、需給引き締まりを示唆した一方、COMEX在庫は67万6,534トンから69万4,778トンへ増加した。NYプレミアムは300~500ドルの高水準で推移しており、米国の実需拡大というよりも、精製銅への追加関税導入観測を背景とした輸入前倒しや在庫積み増しが引き続き相場を支える構図となった。米インフレ鈍化によるドル安局面では買いが優勢となる一方、中東情勢やハイテク株の値動きに振られる展開が続き、銅相場は歴史的高値圏を維持した。
LMEカッパー相場推移(オフィシャルUSD/T)3カ月
キャンセルワラント比率は前週36%から43%へ、急反発。需給引き締まり観測が復帰。

国内銅建値は、7月9日に20円引き下げの2,240円へ改定された後、13日にはLME銅相場が中東情勢を巡る過度な警戒感の後退から13,400ドル台を回復し、ドル円も163円台の円安水準を維持したことを受け、30円引き上げの2,270円へ改定された。さらに15日には、米6月消費者物価指数(CPI)の鈍化を背景とした米早期利上げ観測の後退を受け、LME銅が13,600ドル台まで続伸したことから、20円引き上げの2,290円へ再び引き上げられた。
その後、LME銅は週後半に13,700ドル近辺まで上昇した後、世界的な株安や利益確定売りから反落したものの、週末も13,500ドル台を維持した。ドル円も週を通じて163円前後の円安圏で推移しており、国内建値は2,200円台後半へ水準を切り上げ、高値圏を維持する展開となった。
LMEカッパーVS国内建値推移 3カ月
(アルミ)3,100ドル台を維持 バックワーデーション定着で需給引き締まりを映す
7月17日の3Mは3,150.5ドルで終了し、前週末(7月10日)の3,139.5ドルに対して11.0ドル高と小幅続伸した。週前半は中東情勢の緊迫化を背景とした中東湾岸地域からの供給懸念に加え、6月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことで米早期利上げ観測が後退し、一時3,203.5ドルまで上昇した。
その後は、米生産者物価指数(PPI)の鈍化にもかかわらず、半導体関連株安や世界的な株安を背景に利益確定売りが優勢となり反落したものの、中東情勢を巡る供給不安を支えに3,100ドル台を維持して週を終えた。
LME在庫は28万7,725トンから28万100トンへ減少し、減少基調が続いた。現先市場では週前半にコンタンゴが解消された後、最大9ドルのバックワーデーションまで拡大し、週末時点でも7ドル台の逆ざやを維持するなど、足元の需給引き締まりが改めて意識された。一方で、中東情勢や世界株式市場の動向に相場が左右される展開が続いており、高値圏では利益確定売りも入りやすい地合いとなっている。
LMEアルミ(CASH/3M USD/T)3カ月
キャンセルワラント比率は前週17%から14%へ6週連続で低下、需給引き締まり観測の後退が定着した。

NSPは前週末635円から13日に638円と小幅高で始まり、14日には643円、15日には649円まで続伸した。16日は643円とやや反落したものの、高値圏を維持した。LMEアルミは中東情勢の緊張後退を背景とした利益確定売りから3,140ドル台まで軟化する場面もあったが、LME指定倉庫在庫が2022年以来初めて30万トンを下回ったことに加え、現先市場では一時バックワーデーションが形成されるなど需給引き締まり観測が相場を下支えした。ドル円も163円前後の円安水準で推移したことから、国内価格は堅調地合いを維持し、一時的な調整を挟みながらも高値圏で推移した。
LMEアルミVS NSP推移 3カ月
(ニッケル)17,000ドル台を一時回復 買い戻し主導も供給過剰懸念が上値抑制
7月17日の3Mは16,961ドルで終了し、前週末(7月10日)の16,741ドルに対して220ドル高と続伸した。週初はドル高や米株安が上値を抑えるなか小幅高にとどまり、翌14日も引けにかけて売りに押され小反落した。15日は米国株の上昇を受けて反発し、16日には中東情勢の不透明感や前日の下落後の買い戻しを背景に上げ幅を拡大、一時17,370ドルと6月23日以来の高値を付けた。
ただ、17日は世界的な株安やハイテク関連株の下落を嫌気して大幅反落し、17,000ドル台を維持できずに週を終えた。週を通じては上昇したものの、16日の急騰は需給構造の改善というより、短期的な買い戻しの色彩が強かったとみられる。
LME在庫は27万4,620トンから27万4,284トンへ小幅減少したものの、引き続き高水準にあり、需給の明確な引き締まりを示す状況には至っていない。インドネシアでは、原料不足に直面する一部製錬所を対象に2026年のニッケル鉱石採掘枠(RKAB)の限定的な追加承認が検討されていると伝えられた。一方、政府が全面的な増産方針を示したわけではなく、鉱石供給が一気に緩むとの見方も限られている。
このため、鉱石供給を巡る警戒感は一部で和らいだものの、高水準のLME在庫や世界的な供給過剰見通しはなお重しとなった。相場は17,000ドル台を一時回復したが、同水準では戻り売りも強く、持続的な上昇には新たな需給改善材料が必要な状況となっている。
LMEニッケル(CASH/3M、USD/T)3カ月
キャンセルワラント比率は前週6%から6%へ横ばい。

(鉛・亜鉛・錫)
―鉛3Mは小幅反落も1,900ドル近辺で底堅く推移
鉛3Mは前週末(7月10日)終値1,896.5ドルに対し、7月17日終値は1,883.0ドルと13.5ドル安。週前半はTrafiguraがシンガポールのLME指定倉庫へ過去最大規模となる約8万トン超の鉛を納入したことが需給緩和への警戒感を誘い、一時1,852.0ドルまで下落した。その後は押し目買いが優勢となり4営業日ぶりに反発する場面もみられたが、週末にかけても戻りは限定的だった。
一方で、1,850ドル台では実需筋の買いが入りやすく、相場は大きく崩れなかった。LME在庫の増加懸念や鉛蓄電池需要の伸び悩みが上値を抑える一方、供給面では依然として大幅な余剰感は乏しく、1,900ドル近辺を意識した底堅い値動きが続いた。Trafiguraによる大量納入が短期的な需給心理を冷やしたものの、市場全体では依然としてレンジ相場の色彩が強い。
LME鉛価格推移(オフィシャル,USD/T) 3カ月
在庫は前週29万トン前半から29万トン直下まで減少、6週連続でのネット流出となった(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週6%から6%へ横ばい。

国内鉛建値
国内鉛建値は、7月8日に366円へ引き下げられた後、17日にはさらに9円引き下げの357円へ改定された。LME鉛相場は週前半、Trafiguraによるシンガポール倉庫への大量納入を受けて軟調に推移したものの、週後半は買い戻しや地政学リスクの高まりを背景に持ち直し、1,900ドルには届かなかったものの1,900ドル近辺で底堅い値動きとなった。
一方、国内建値は、改定時点でのLME鉛相場の軟調な推移に加え、ドル円が163円前後の円安水準を維持したものの為替による押し上げ効果は限定的であったことから、357円まで調整が進んだ。ただ、週後半にはLME鉛が下値を切り上げる動きを見せており、国内建値も調整局面が一巡しつつあるとの見方が広がっている。
LME鉛(USD/T)VS国内建値(JPY/Kg)推移 3カ月
―亜鉛3Mは反落 供給障害が下支えも需給改善観測で上値重い
亜鉛3Mは前週末(7月10日)終値3,616.0ドルに対し、7月17日終値は3,525.5ドルと90.5ドル安。週前半は米6月CPIを受けた早期利上げ観測の後退から一時3,598.5ドルまで持ち直したものの、週末にかけては世界的な株安や中東情勢の先行き不透明感を背景に利益確定売りが優勢となり、3,500ドル台前半へ反落した。
相場は依然として約4年ぶりの高値圏で推移している。韓国の亜鉛製錬所で硫酸設備火災が発生したほか、カザフスタンのKazzinc製錬所の操業制約、ペルーのNexa Cajamarquilla製錬所の火災からの段階的な復旧、スウェーデンのBoliden Garpenberg鉱山の地震に伴う生産不透明感など、世界的な供給障害が引き続き相場を下支えした。一方、中国では5月の精錬亜鉛生産が前年同月比9.4%増となり、SHFE在庫も前週比0.6%増と小幅ながら増加するなど供給改善の兆しもみられ、需給の引き締まり観測はやや後退した。中国、欧州、米国の製造業指標が底堅さを示し需要期待を支えたものの、中東情勢の再緊迫化による世界景気への影響も意識され、高値圏では上値の重い展開となった。
LME亜鉛(オフィシャル,USD/T) 3カ月
在庫は前週11万トン後半からから11万トン央まで減少(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週23%から24%へ、3カ月ぶりの高水準を維持。

国内亜鉛建値は、7月6日に9円引き下げの640円へ改定された後、LME亜鉛が3,600ドル台まで上昇し、中東情勢への警戒感の後退に加え、韓国やカザフスタンの製錬所トラブル、ペルーの製錬所操業への影響など供給引き締まり観測が強まったことや、ドル円が163円前後の円安水準へ戻したことを受け、10日には18円引き上げの658円へ改定された。これにより、国内亜鉛建値は過去最高値圏へ水準を切り上げた。
その後は、中国の精錬亜鉛生産の増加や供給改善への期待に加え、世界的な株安を背景にLME亜鉛が反落したことを受け、15日には12円引き下げの646円へ再調整された。依然として主要製錬所の操業障害など供給面の不安は残るものの、中国の増産が上値を抑える構図に変化はなく、国内建値も高値圏を維持しながら調整局面入りした。
LME亜鉛(USD/T)VS国内建値(JPY/Kg)推移 3カ月
―錫3Mは小幅続伸 AI需要への期待と供給制約が相場を下支え
錫3Mは前週末(7月10日)終値53,125ドルに対し、7月17日終値は53,230ドルと105ドル高。週前半は米6月CPIを受けた早期利上げ観測の後退を背景に買いが入り、一時53,813ドルまで上昇した。その後は半導体株やデータセンター関連株の調整を受けて利益確定売りが優勢となり、52,598ドルまで反落する場面もあったが、週末には買い戻され、5万3,000ドル台を維持して取引を終えた。
市場では、主要半導体メーカーが業績見通しを引き上げた一方、株価は過熱感やAIインフラ投資の過剰懸念から調整色を強め、AI関連需要への短期的な期待はやや後退した。ただ、AIサーバー向けはんだ需要は2030年までに約3倍へ拡大するとの見方が根強く、中長期的な需要見通しは依然として堅調である。一方、世界最大級の輸出国インドネシアでは、許認可手続きの停滞により5月の精製錫輸出が前年同月比40%超減の3,246トンに落ち込んだほか、採掘許可の厳格化や無許可鉱山からの約500トンの錫押収など供給規制も強化されている。こうした供給制約への警戒感が引き続き相場を下支えし、高値圏での推移が続いた。
LME錫価格推移(セツル,USD/T) 3カ月
在庫は前週8000トン台前半から8000トン直下まで減少(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週15%から21%に大幅に3週連続上昇、ややひっ迫感が強まってきて、相場反発と同調。

(マクロ経済・重要イベント)
【米国】
7月13日(月)
6月貿易収支(中国)、米主要経済指標なし
→ 米国では主要経済指標の発表はなかったが、トランプ大統領によるイラン港湾封鎖方針やホルムズ海峡を巡る発言を受け、中東情勢への警戒感が急速に高まった。また、ウォラーFRB理事が追加利上げの可能性に言及したことでドル高が進行。LMEでは銅、アルミ、ニッケルは買い戻しから小幅高となったものの、ドル高と米株安が上値を抑えた。
7月14日(火)
6月消費者物価指数(CPI)
→ 6月CPIは市場予想を下回り、インフレ鈍化を確認する内容となったことから、FRBの早期利上げ観測が後退。ドルは軟化し、米国株も堅調に推移した。LMEでは銅とアルミが続伸し、銅は一時13,708ドル、アルミは3,203ドルまで上昇した。一方、ニッケルは買いが先行したものの終盤に売られ、小幅反落となった。
7月15日(水)
6月生産者物価指数(PPI)、NY連銀製造業景気指数、ベージュブック
→ PPIは市場予想を下回り、インフレ鈍化が改めて意識された一方、米株市場では半導体関連株の軟調が相場の重しとなった。LMEでは銅とアルミが利益確定売りに押され反落したが、ニッケルはNYダウの続伸を受けて反発した。ドルは軟調に推移したものの、非鉄市場では株式市場の動向がより強く意識された。
7月16日(木)
6月小売売上高、新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀景況指数
→ 雇用・景況感指標はいずれも底堅さを示し、米10年債利回りは上昇。ドル高が進んだものの、中東情勢への警戒感や前日の下落後の買い戻しが優勢となり、LME非鉄は全面高となった。ニッケルは一時17,370ドルまで急伸し、アルミや銅も反発した。
7月17日(金)
6月住宅着工件数、6月鉱工業生産、7月ミシガン大学消費者信頼感指数
→ 住宅着工件数や消費者信頼感指数は市場予想を上回り、米景気の底堅さが確認された。一方で、ハマック・クリーブランド連銀総裁などからインフレ警戒姿勢が示されたことや、世界的な株安を背景にリスク資産への売りが優勢となった。LMEでは銅、アルミ、ニッケルが揃って反落し、亜鉛も大幅安となった一方、鉛は続伸、錫は小幅高で引けた。
総合評価
今週は、米国のCPI・PPIがともに市場予想を下回り、インフレ鈍化が確認されたことでFRBの早期利上げ観測は後退した。一方で、中東情勢を巡る不透明感やFRB高官によるインフレ警戒発言がドル相場や投資家心理を左右し、非鉄市場は地政学リスクと金融政策への思惑の間で大きく振れた。
LMEでは、銅とアルミは米インフレ鈍化を受けて週半ばに高値を更新したものの、週末は世界的な株安や利益確定売りから反落した。ニッケルは中東情勢を背景とした買い戻しで17,000ドル台を一時回復したが、高水準の在庫や供給過剰見通しが上値を抑えた。亜鉛は供給障害を背景に一時3,600ドル台へ上昇した後、中国の増産観測や世界株安を受けて反落するなど、マクロ要因に加え、それぞれの品種固有の需給環境が相場に色濃く反映された。
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【中国】
7月14日(火)
貿易統計(6月)
• 輸出は前年比27%増と市場予想を大きく上回り、AI向け半導体や自動車輸出が全体を押し上げた。一方、輸入も前年比36%増と5年ぶりの高い伸びとなったが、半導体などハイテク部材の輸入増加による影響が大きく、内需の本格回復を示す内容ではなかった。貿易黒字は拡大し、中国経済を輸出が支える構図が改めて確認された。
7月15日(水)
4~6月期GDP、6月小売売上高、鉱工業生産
• 4~6月期の実質GDP成長率は前年同期比4.3%と3年超ぶりの低い伸びとなった。一方、鉱工業生産は底堅さを維持したものの、小売売上高は力強さを欠き、不動産市場の低迷や個人消費の弱さが引き続き景気の重しとなった。輸出と先端製造業が成長を支える一方、内需の回復はなお鈍い状況が続いている。
総合評価
今週公表された中国経済指標は、「輸出・AI関連製造業は堅調だが、内需は依然弱い」という構図を改めて示した。6月の輸出はAI向け半導体や自動車を中心に市場予想を上回る伸びを記録し、中国経済を支える最大の牽引役となっている。一方で、4~6月期GDPは減速し、小売売上高も伸び悩むなど、不動産不況を背景とした個人消費の弱さは依然解消されていない。
非鉄市場では、AI向け半導体、電力インフラ、輸出関連製造業の需要が銅やアルミ、ニッケルなどの下支え要因となる一方、中国国内では精錬能力の増強が続いており、とりわけ亜鉛では供給増加観測が上値を抑える要因となった。輸出主導の成長は維持されているものの、内需の力強い回復にはなお時間を要するとみられ、今後も政府の景気刺激策や不動産市場の動向が重要な焦点となりそうだ。
(マクロ経済イベント)
【米国】
7月20日(月曜日)
• 景気先行指数(6月)
7月21日(火曜日)
• 主要経済指標の発表なし
7月22日(水曜日)
• 住宅ローン申請指数(MBA)
7月23日(木曜日)
• 新規失業保険申請件数
7月24日(金曜日)
• 新築住宅販売件数(6月)
→ 今週の米国では、金融政策の方向性を左右するインフレ指標の発表が一巡し、市場の関心は景気の先行きを示す各種経済指標や企業決算へ移る見通しだ。20日の景気先行指数は米景気のモメンタムを測る指標として注目され、23日の新規失業保険申請件数では労働市場の底堅さが改めて確認されるかが焦点となる。24日の新築住宅販売は、高止まりする住宅ローン金利の影響を住宅市場がどの程度吸収しているかを見極める材料となろう。
前週はCPI・PPIとも市場予想を下回り、FRBの早期利上げ観測が後退したことでLME非鉄相場を押し上げた。今週はインフレ指標に代わり、景気の減速・底堅さを示す経済指標がドル相場や長期金利に与える影響が注目される。景気指標が予想を上回れば、銅やアルミなど景気敏感金属の実需期待を支える一方、金利上昇やドル高を通じて相場の上値を抑える可能性もある。逆に、景気指標が弱い内容となればドル安が非鉄相場の支援材料となる一方、実需減速への懸念から品種によっては上値の重い展開も想定される。
なお、市場では引き続きFRB高官の発言やトランプ政権の通商・関税政策、中東情勢など地政学リスクも重要な変動要因となる見込みであり、経済指標とあわせて相場の方向性を左右することになりそうだ。
(IRuniverse/MIRU S. Aoyama)
本記事は執筆者個人の分析および見解であり、IRuniverseの公式見解を示すものではありません。内容は情報提供を目的としたもので、投資判断の根拠として用いることを意
図したものではありません。