【概況】
7月20~24日のLME非鉄相場は、週前半は世界的な株高やリスク選好の改善を背景に総じて堅調に推移したものの、週後半は欧米株式市場の軟調や利益確定売りから上値が重くなり、品種ごとのファンダメンタルズの違いを反映した展開となった。銅は中国のスクラップ不足や精製銅輸入の増加、LME在庫の減少を背景に一時1万3,900ドル近くまで上昇し、週末も1万3,600ドル台の高値圏を維持した。アルミはLME在庫の減少とバックワーデーション拡大を受けて3,100ドル台を維持し、ニッケルは17,000ドル台を回復したものの、高水準の在庫や供給余剰見通しが上値を抑えた。亜鉛は主要製錬所の操業障害を背景に高値圏を維持し、錫もインドネシアの供給制約を支えに5万3,000ドル台で底堅く推移した。全体としては、供給制約が価格を下支えする一方、株式市場やAI関連投資へのセンチメントに左右されやすく、品種ごとの強弱が鮮明な一週間となった。
(為替概況)162円台前半~半ばでもみ合い NYは方向感欠くも東京市場は円安基調(NY外為)
7月20~24日のドル円は、NY市場では162円台前半から半ばを中心としたもみ合いとなった。週前半は米景気先行指数の弱さがドル売り要因となる一方、米長期金利の高止まりやFRBによる高金利政策の長期化観測がドルを下支えし、方向感に乏しい展開となった。週後半は米新規失業保険申請件数や景気指標がおおむね底堅い内容となったことからドルは買い戻されたものの、積極的に163円台を試す動きには至らなかった。
一方、東京市場では輸入企業など実需筋のドル買いや国内投資家による対外投資需要が継続したことに加え、日米金利差を背景とした円売りが優勢となり、NY市場よりも円安水準で推移する場面が目立った。週末には一時165円近辺まで円安が進み、国内非鉄建値の押し上げ要因として作用した一方、NY市場では利益確定のドル売りも入りやすく、両市場の値動きには温度差がみられた。
オプション市場のボラティリティが引き続き低水準で推移しており、為替市場は方向感に乏しい「夏枯れ相場」の様相を強めていると指摘との指摘も見られた。総じて、NY市場では162円台を中心とした膠着感が続いた一方、東京市場では実需主導の円安が優勢となり、国内非鉄建値はLME相場以上に為替要因による押し上げ効果を受ける展開となった。
東京外為市場
7月24日(金)
東京TTS(基準値)
1ドル=165.01円
前週末
7月17日(金)
東京TTS(基準値)
1ドル=163.51円
に対して1円50銭のドル高円安に。

【LME概況】
(カッパー)需給逼迫観測で13,600ドル台を維持 中国需要と供給不安が下支え
7月24日、3Mは13,645.0ドルが終値。前週末(7月17日)終値13,525.5ドルに対して119.5ドル高と続伸した。週前半は、中国の銅スクラップを巡るVAT不正摘発による原料不足や精製銅輸入の急増、主要鉱山の供給不安を背景に買いが優勢となり、21日には一時13,934ドルと6月4日以来の高値を付けた。その後は欧米株安や利益確定売りから一時13,600ドル割れまで調整したものの、週末は中東情勢を巡る過度な警戒の後退や米株の持ち直しを背景に反発し、13,600ドル台を回復した。
LME在庫は29万6,625トンから27万6,775トンへ約2万トン減少し、キャンセルワラント比率も約59%まで上昇するなど現物需給の引き締まりが一段と鮮明となった。一方、COMEX在庫は69万4,778トンから70万6,328トンへ増加を続けたが、これは米国の追加関税導入を見越した輸入前倒しや在庫積み増しの影響が大きいとみられる。NYプレミアムは週半ばに600ドル近辺まで拡大した後、週末は350ドル前後へ低下したものの依然高水準を維持した。現先市場では一時10ドル超のバックワーデーションとなり、その後もバックワーデーションを維持しており、中国の堅調な輸入需要と供給懸念を背景に、銅相場は歴史的高値圏を維持する展開となった。
LMEカッパー相場推移(オフィシャルUSD/T)3カ月
キャンセルワラント比率は前週43%から59%へ、急反発。需給引き締まり観測が強まる。

国内銅建値は、7月15日に20円引き上げの2,290円へ改定された後、中国の精製銅輸入急増や主要鉱山の供給不安を背景にLME銅が1万3,900ドル近くまで上昇し、ドル円も163~165円台へ円安が進行したことから、21日に20円引き上げの2,310円、22日にはさらに60円引き上げの2,370円と過去最高値を更新した。その後は、LME銅が欧米株安や利益確定売りを受けて調整したことから、24日には50円引き下げの2,320円へ修正された。
今回の建値改定では、LME在庫の減少や現先市場のバックワーデーション拡大に加え、COMEXプレミアムの高止まりが示す米国向け輸入需要の強さが、国内価格の押し上げ要因となった。一方で、週後半は利益確定売りによるLME銅の反落を受けて建値も調整されたものの、2,300円台を維持しており、国内銅価格は依然として歴史的高値圏で推移している。
LMEカッパーVS国内建値推移 3カ月
(アルミ)3,100ドル台後半まで上伸 バックワーデーション拡大で需給逼迫続く
7月24日の3Mは3,159.5ドルで終了し、前週末(7月17日)の3,150.5ドルに対して9.0ドル高と小幅続伸した。週前半は中東情勢の緊迫化を背景とした湾岸地域からの供給不安に加え、世界的な株高や半導体関連株の上昇を受けて買いが優勢となり、22日には一時3,195.0ドルまで上昇した。その後は欧米株式市場の軟調や利益確定売りから反落し、週末も半導体関連株の弱含みが重石となったものの、3,100ドル台を維持して取引を終えた。
LME在庫は28万100トンから27万2,775トンへ減少し、減少基調が続いた。現先市場ではバックワーデーションが週を通じて維持され、22~23日には15ドル台まで拡大した後、週末も11ドル台の逆ざやとなるなど、現物需給の引き締まりが一段と鮮明となった。一方で、中東情勢を巡る供給不安が価格を下支えする一方、欧米株式市場や半導体関連株の値動きに左右されやすい展開が続き、高値圏では利益確定売りも入りやすい地合いとなっている。
LMEアルミ(CASH/3M USD/T)3カ月
キャンセルワラント比率は前週14%から12%へ7週連続で低下、需給引き締まり観測の後退が定着した。

NSPは前週末の650円から、週明け21日に644円へ小幅に調整したものの、LMEアルミの反発とドル円の164円前後への円安進行を受け、22日には652円、23日には655円、24日には659円まで引き上げられ、過去最高値を更新した。
背景には、LMEアルミが一時3,200ドル近辺まで上昇したことに加え、LME指定倉庫在庫が27万トン台まで減少を続け、現先市場ではバックワーデーションが最大15ドル台まで拡大するなど、需給引き締まり観測が一段と強まったことがある。週後半は利益確定売りからLME相場が3,160ドル前後へ反落したものの、在庫減少基調や逆ざやの継続が相場を下支えし、国内価格も調整を挟みながら高値圏を維持する展開となった。
LMEアルミVS NSP推移 3カ月
(ニッケル)17,000ドル台へ水準切り上げ 在庫減少も供給余剰懸念はなお重石
7月24日の3Mは17,379ドルで終了し、前週末(7月17日)の16,961ドルに対して418ドル高と続伸した。週初はドル高や米株安を背景に17,000ドルを割り込む場面もあったが、中国景気への期待や半導体関連株を中心とする世界的な株高を受けて買い戻しが優勢となり、22日には一時17,285ドル、24日には17,500ドル近くまで上昇した。その後は欧米株式市場の軟調を受けて一時伸び悩んだものの、押し目買いに支えられ、週末は17,300ドル台まで持ち直して取引を終えた。
LME在庫は27万4,284トンから26万7,342トンへ約7,000トン減少し、需給改善への期待を誘ったものの、依然として高水準にあり、供給過剰構造を大きく変える水準には至っていない。インドネシアでは、2026年のRKAB(鉱石採掘計画)について、一部製錬所向けの限定的な追加承認にとどまるとの見方が広がり、従来懸念されていた大幅増産観測は後退した。一方で、HPALプロジェクトの増設や下流投資の拡大により中長期的な供給増加見通しは依然根強く、世界的な供給余剰への警戒感は完全には払拭されていない。このため相場は17,000ドル台へ水準を切り上げたものの、高値局面では戻り売りも入りやすく、今後の持続的な上昇には需要回復や在庫減少の一段の進展が必要な状況となっている。
LMEニッケル(CASH/3M、USD/T)3カ月
キャンセルワラント比率は前週6%から6%へ横ばい。

(鉛・亜鉛・錫)
―鉛3Mは小幅続落 1,900ドル回復はなお持ち越し
鉛3Mは前週末(7月17日)終値1,883.0ドルに対し、7月24日終値は1,887.0ドルと4.0ドル高とほぼ横ばいで推移した。週前半はTrafiguraによるシンガポールLME指定倉庫への大量納入を受けた供給緩和懸念が引き続き意識されたものの、20日に1,879.0ドルまで軟化した後は押し目買いが入り、22日には1,896.5ドルまで反発した。その後は利益確定売りに押され再び軟化したが、週末も1,900ドル近辺で推移し、大きく値を崩す展開とはならなかった。
Trafiguraによる約8万トン超の現物納入は依然として市場心理の重石となったものの、その影響は徐々に織り込まれつつある。一方で、自動車用鉛蓄電池需要の伸び悩みやLME市場への供給余力が上値を抑え、2,000ドル回復にはなお距離がある状況が続いている。実需筋による押し目買いが1,850ドル台後半から1,900ドル近辺を支える一方、積極的な買い材料にも乏しく、相場は引き続き狭いレンジ内で方向感を欠く展開となった。
LME鉛価格推移(オフィシャル,USD/T) 3カ月
在庫は前週29万トン直下から45万トン台まで急増、7週連ぶり大幅ネット流入となった(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週6%から11%へ上昇。

国内鉛建値
国内鉛建値は、7月17日に前回比9円引き下げの357円へ改定された。LME鉛相場はTrafiguraによるシンガポールLME指定倉庫への大量納入を受けて一時1,850ドル台まで下落し、需給緩和への警戒感が建値の引き下げにつながった。しかし、その後は実需筋の押し目買いや地政学リスクを背景に相場が持ち直し、1,900ドル近辺で底堅い推移となったことに加え、ドル円も164円台まで円安が進行したことから、24日には15円引き上げの372円へ改定された。
大量納入による短期的な需給悪化懸念は残るものの、LME鉛は1,900ドル近辺で下値の堅さを示しており、円安基調も国内価格を下支えした。建値は急速に切り返したものの、依然として方向感は乏しく、今後はLME在庫動向や蓄電池向け実需の回復が焦点となりそうだ。
LME鉛(USD/T)VS国内建値(JPY/Kg)推移 3カ月
―亜鉛3Mは3,500ドル台後半で底堅く推移 供給障害が下支え
亜鉛3Mは前週末(7月17日)終値3,525.5ドルに対し、7月24日終値は3,592.0ドルと66.5ドル上昇した。週前半は世界的な株高や半導体関連株の上昇を背景に買いが優勢となり、22日には3,591.5ドルまで上昇した。その後は欧米株式市場の軟調や利益確定売りから一時調整したものの、週末には買い戻しが入り、3,500ドル台後半で取引を終えた。相場は引き続き約4年ぶりの高値圏を維持している。
韓国の亜鉛製錬所で発生した硫酸設備火災に加え、カザフスタンのKazzinc製錬所の操業制約、ペルーのNexa Cajamarquilla製錬所の段階的な復旧、スウェーデンのBoliden Garpenberg鉱山の地震による生産不透明感など、主要供給拠点の障害が引き続き相場を下支えした。こうした状況を背景に、国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)は2026年の世界精錬亜鉛市場が1万9,000トンの供給不足になるとの見通しを示しており、需給引き締まり観測は依然として根強い。
一方で、中国では5月の精錬亜鉛生産が前年同月比9.4%増加し、上海先物取引所(SHFE)在庫も小幅ながら増加するなど供給改善の兆しもみられる。中国、欧州、米国の製造業指標は総じて底堅く推移し需要期待を支えたものの、中東情勢の緊張継続による世界景気への影響も意識され、高値圏では利益確定売りが入りやすい展開が続いた。供給面の引き締まりと供給増加期待が交錯するなか、当面は3,500ドル台後半を中心とした高値圏での値動きが続きそうだ。
LME亜鉛(オフィシャル,USD/T) 3カ月
在庫は前週11万トン央からから11万トン直下まで減少(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週24%から22%へ低下も、3カ月ぶりの高水準を維持。

国内亜鉛建値は、7月15日に12円引き下げの646円へ改定された後、21日にはさらに9円引き下げの637円へ調整された。LME亜鉛は韓国製錬所の硫酸設備火災やカザフスタンのKazzinc、ペルーのNexa Cajamarquilla製錬所などで続く供給障害を背景に3,500ドル台後半を維持したものの、中国の精錬亜鉛生産の増加や供給改善観測、世界景気への警戒感から上値の重い展開となった。ドル円は164円前後の円安水準で推移したが、建値改定時点ではLME亜鉛の調整色が強く、国内建値も637円へ引き下げられた。供給不安が下支えする一方、中国の増産観測が上値を抑える構図に大きな変化はなく、高値圏での調整局面が続いた。
LME亜鉛(USD/T)VS国内建値(JPY/Kg)推移 3カ月
―錫3Mは5万3,000ドル台でもみ合い AI投資への警戒と供給制約が交錯
錫3Mは前週末(7月17日)終値53,230ドルに対し、7月24日終値53,781ドルと551ドル上昇した。週前半は半導体関連株やデータセンター関連株の下落を受けてAIインフラ投資への過熱感が意識され、一時52,878ドルまで下落したものの、その後は世界的な株高や半導体関連株の持ち直しを背景に買い戻しが入り、22日には53,922ドルまで上昇した。週後半は欧米株式市場の軟調を受けて利益確定売りが優勢となったが、週末は再び買いが入り、5万3,000ドル台を維持して取引を終えた。
市場では、主要半導体メーカーが業績見通しを引き上げる一方、AI関連企業やデータセンター事業者による設備投資が従来想定ほど拡大しないのではないかとの見方から、AIインフラ投資への短期的な期待はやや後退した。一方で、AIサーバー向けはんだ需要は2030年までに約3倍へ拡大するとの中長期見通しに大きな変化はなく、押し目では実需を見込んだ買いが入りやすい地合いが続いた。
供給面では、世界最大級の輸出国インドネシアで許認可手続きの停滞により、5月の精製錫輸出が前年同月比40%超減の3,246トンに落ち込んだほか、違法採掘への取り締まり強化や約500トンの錫押収など供給規制も継続している。こうした供給制約が価格を下支えする一方、AI関連株の値動きが短期的な相場を左右する展開が続いており、需給の引き締まりと投資家心理の悪化が交錯するなか、相場は5万3,000ドル前後の高値圏でもみ合う展開となった。
LME錫価格推移(セツル,USD/T) 3カ月
在庫は前週8000トン直下から7000トン台央まで減少(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週21%から20%に小幅に4週ぶり低下、ひっ迫感は継続、相場上昇と同調。

(マクロ経済・重要イベント)
【米国】
7月20日(月)
景気先行指数(6月)
→ 景気先行指数は引き続き弱含みとなったものの、市場の反応は限定的だった。一方、中国の6月銅輸入が予想以上に増加したことや主要鉱山の供給不安が意識され、LME銅は反発。ドルは163円台後半の円安水準を維持したが、米株は軟調でアルミ、ニッケルの上値は抑えられた。
7月21日(火)
主要経済指標なし
→ 米主要経済指標の発表は限られたが、半導体関連株を中心とした世界的な株高が投資家心理を改善。中国でVAT不正摘発に伴う銅スクラップ不足から精製銅輸入が急増したことも材料視され、銅は一時13,900ドル近くまで急伸した。NYプレミアムも500ドル台へ拡大し、アルミ、ニッケル、亜鉛、錫も総じて上昇した。
7月22日(水)
住宅ローン申請指数(MBA)
→ 米株市場がやや軟調となり、銅は利益確定売りから反落。一方、アルミはLME在庫の減少とバックワーデーション拡大を背景に続伸し、ニッケルも買いが優勢となった。ドル円は164円台へ上昇し、円安が国内建値を押し上げる要因となった。
7月23日(木)
新規失業保険申請件数
→ 新規失業保険申請件数は労働市場の底堅さを示したものの、欧米株式市場が軟調に推移したことでリスク回避姿勢が強まり、LME非鉄は全面安となった。銅は13,600ドル割れ目前まで下落し、アルミ、亜鉛、錫も利益確定売りに押された。一方、ドルは164円台を維持し、為替面では非鉄価格を下支えした。
7月24日(金)
新築住宅販売(6月)
→ 新築住宅販売は市場予想を上回り、米景気の底堅さが改めて確認された。NYダウは反発し、銅とニッケルは買い戻しから反発した一方、アルミは利益確定売りが続いた。ドル円は165円台まで上昇し、2022年以来の円安水準を更新したことで、国内非鉄建値の押し上げ要因となった。
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【中国】
7月20日(月)
ローンプライムレート(LPR、7月)
・中国人民銀行は1年物3.00%、5年物3.50%で据え置きを決定した。市場では追加利下げ期待もあったが、金融当局は様子見姿勢を維持した。一方、6月の精製銅輸入が9カ月ぶりの高水準となったことや、上海市場の銅在庫減少、スクラップ不足が材料視され、LME銅は需給逼迫観測から反発した。
7月21日(火)
・中国国家統計局が公表した6月の精製銅生産は133万トンと過去最高を更新した。銅精鉱不足が続くなかでも、スクラップや粗銅の利用拡大、定期修理を終えた製錬所の再稼働により高水準の生産を維持した。一方、LMEでは中国国内のVAT不正摘発によるスクラップ不足や精製銅輸入急増が買い材料となり、銅は6週間ぶりの高値まで上昇した。
7月22日(水)
・上海で開催された**世界人工知能大会(WAIC)**では、AI、データセンター、電力インフラ投資への期待が改めて示された。もっとも市場ではAI関連需要の中長期的な拡大期待は維持された一方、短期的には株価の過熱感も意識され、非鉄相場は利益確定売りが優勢となった。
7月23~24日
・中国市場では銅在庫の低下やヤンシャン・プレミアムの高止まりが続き、現物需給の逼迫が改めて意識された。一方、不動産不況や内需の弱さは依然として解消されておらず、LME市場では供給要因が相場を支える一方、需要面への慎重な見方も残った。
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総合評価
今週の中国関連材料は、「マクロ統計よりも実需・供給環境」が市場の焦点となった。人民銀行はLPRを据え置き、追加緩和を急がない姿勢を示した一方、6月の精製銅輸入が9カ月ぶりの高水準となり、VAT不正摘発によるスクラップ不足や上海在庫の減少を背景に、中国の精製銅需要の強さが改めて確認された。精製銅生産も過去最高を更新したが、これは需要拡大だけでなくスクラップや粗銅への原料シフトによる側面も大きい。
非鉄市場では、中国の銅需給逼迫がLME銅相場を押し上げたほか、AI関連投資への期待がアルミや錫の中長期需要を支えた。一方、不動産市場や個人消費は依然として低迷しており、「AI・輸出・電力インフラが景気を支える一方、内需はなお弱い」という二極化構造に大きな変化はみられなかった。今後も市場は、7月末の党中央政治局会議で示される景気対策や不動産支援策を注視する展開となりそうだ。
(マクロ経済イベント)
【米国】
7月27日(月曜日)
・耐久財受注(6月速報)
7月28日(火曜日)
・消費者信頼感指数(7月、コンファレンスボード)
・住宅価格指数(5月)
・FOMC(1日目)
7月29日(水曜日)
・FOMC声明・政策金利発表
・住宅ローン申請指数(MBA)
7月30日(木曜日)
・4~6月期GDP速報値
・6月個人所得・個人消費
・新規失業保険申請件数
7月31日(金曜日)
・雇用コスト指数(4~6月期)
・シカゴ購買部協会景気指数(7月)
・ミシガン大学消費者信頼感指数(7月確報)
→ 来週最大の焦点は、29日のFOMCと30日の米4~6月期GDP速報となる。市場では今回のFOMCで政策金利据え置きがほぼ織り込まれているため、声明文やパウエルFRB議長の景気・インフレ認識、9月以降の金融政策を示唆する文言に注目が集まる。
続くGDPでは、個人消費や設備投資の底堅さが確認されれば米景気への安心感から銅やアルミなど景気敏感金属には追い風となる一方、米長期金利やドル高を通じて上値を抑える可能性もある。反対に景気減速が鮮明となればドル安が非鉄相場を支える半面、実需減速懸念から買いは限定される公算が大きい。
また、耐久財受注や消費者信頼感指数、雇用コスト指数は米製造業やインフレ圧力を測る重要指標となる。足元では銅市場が米国の輸入前倒し需要や供給逼迫を背景に高値圏を維持しているだけに、ドル相場の変動がLME非鉄全体の値動きを左右する展開が続きそうだ。
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【中国】
7月27日(月曜日)
・工業利益(6月)
7月31日(金曜日)
・製造業PMI(7月、国家統計局)
・非製造業PMI(7月、国家統計局)
→ 中国では31日に公表される7月PMIが最大の注目材料となる。6月は輸出やAI・ハイテク製造業が景気を支える一方、不動産や個人消費の低迷が続く二極化が鮮明となった。市場では製造業PMIが引き続き景気判断の分岐点となる50前後を維持できるかが焦点となる。
また、27日の工業利益では、AI関連や非鉄金属など川上産業の収益改善が続く一方、内需関連企業や不動産関連業種の収益低迷がどの程度続いているかが注目される。最近はVAT不正摘発に伴うスクラップ不足から精製銅輸入が急増しており、中国の銅需要の底堅さがLME銅相場を支える材料となっている。
PMIが市場予想を上回れば、中国製造業の回復期待から銅、アルミ、亜鉛などには追い風となる可能性が高い。一方、再び50割れとなれば、中国景気への懸念が強まり、LME非鉄相場には利益確定売りが広がる展開も想定される。加えて、7月末の党中央政治局会議で追加景気対策や不動産支援策が示されるかどうかも、市場が注目する重要な政策イベントとなりそうだ。
(IRuniverse/MIRU S. Aoyama)
本記事は執筆者個人の分析および見解であり、IRuniverseの公式見解を示すものではありません。内容は情報提供を目的としたもので、投資判断の根拠として用いることを意
図したものではありません。