米ホワイトハウスは7月23日、強制労働対策を理由に通商法301条に基づき60の国・地域に対して10%または12.5%の追加関税を課す大統領覚書を公表した。一方で、精製銅(カソードなど)は免税対象に含まれることを明確にした。
ホワイトハウス覚書→
Actions by the United States in the Investigations under Section 301 of the Trade Act of 1974 of the Acts, Policies, and Practices of 60 Economies Related to the Failure of Each Economy to Impose and Effectively Enforce a Prohibition on the Importation of Goods Produced with Forced Labor – The White House
覚書では、対象国・地域のほぼ全ての輸入品に追加関税を課す一方、「米国内で十分な供給が確保できない原材料」「米国経済全体に混乱を及ぼす可能性がある製品」などについては別表(Annex)で適用除外とすると規定している。
この別表には、HSコード7403に分類される精製銅が含まれており、カソード(7403.11)、ワイヤーバー(7403.12)、ビレット(7403.13)、その他の精製銅(7403.19)は今回の10%・12.5%関税の対象外となる。粗銅や銅アノード、銅スクラップなども免税品目に指定された。
ホワイトハウスは免税理由について、「追加関税の対象とした場合、国内供給不足を招く原材料」「米国経済全体に混乱を生じさせる可能性のある製品」「米国内で十分な数量を生産・調達できない製品」などを挙げており、精製銅は米国内供給能力が需要を満たしていない実情を踏まえた措置とみられる。
一方で、ホワイトハウスは今回の措置とは別に、国家安全保障を理由とする通商拡大法232条に基づく銅政策を引き続き推進する方針を維持している。このため、精製銅は301条の新関税から除外されたものの、銅加工品や派生製品を巡る関税政策については今後も見直しが続く可能性がある。
今回の発表により、市場で一部懸念されていた「精製銅への一律12.5%課税」は当面回避された格好となり、銅地金の国際流通への直接的な影響は限定的との見方が広がっている。
(IRUNIVERSE S. Aoyama)