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【貿易統計/日本】 2026年5月のシリコマンガン輸入統計
鉄鋼生産概況月次一般社団法人日本鉄鋼連盟 (jisf.or.jp)
為替相場推移 TTS 3か月
(詳細分析)
■数量では、
5月単月は1万7,282トンと、4月(1万6,338トン)から増加し、前月比106%、前年同月比123%となった。最大供給国のインドは1万1,103トン(前月比127%)と大きく回復し、全体数量の増加を牽引した。ベトナムは3,838トン(同78%)、マレーシアも2,321トン(同87%)と減少した一方、その他は20トンにとどまり、ガボンからの輸入は引き続きゼロだった。
1~5月累計は9万2,613トンで前年同期比108%と前年を上回った。インドは5万7,434トン(前年比151%)と大幅増を維持し、累計輸入の約62%を占める。一方、ベトナムは2万466トン(同84%)、マレーシアは1万4,149トン(同67%)と前年を下回った。総じて5月は、インドからの調達回復により数量は持ち直したものの、輸入構造はインド依存が一段と強まり、東南アジア勢がこれを補完する構図が続いている。(表―1、グラフ―1)。


■数量構成比では、5月はインドが54%→64%へ上昇し、輸入数量も8,744トンから1万1,103トンへ増加して最大供給国の地位を一段と強めた。一方、ベトナムは30%→22%、マレーシアも16%→13%へそれぞれ低下し、東南アジア勢のシェアは縮小した。ガボンからの輸入は引き続きゼロで、「その他」もごく小規模にとどまった。
総じて5月は、4月にみられた「インド+ベトナム」の二極化から再びインド中心の供給構造へ回帰した。もっとも、インド、ベトナム、マレーシアの上位3か国で輸入量の99%近くを占める構図に変化はなく、日本のシリコマンガン輸入は依然としてこれら3か国への依存度が極めて高い状況が続いている(グラフ―2)。

■金額面では、5月単月は26億19百万円と、4月(25億20百万円)から増加し、前月比104%、前年同月比125%となった。インドは16億59百万円(前月比127%)と大きく増加し、全体の増加を牽引するとともに最大の供給国の地位を維持した。一方、ベトナムは6億16百万円(同79%)、マレーシアは3億40百万円(同81%)とともに減少し、その他は4百万円の小口輸入にとどまった。ガボンからの輸入は引き続きゼロだった。
1~5月累計は137億2百万円で前年同期比103%と前年をやや上回った。内訳では、インドが83億83百万円(前年比149%)と大幅に増加する一方、ベトナムは31億62百万円(同74%)、マレーシアは20億56百万円(同67%)と前年を下回った。総じて5月は、インドからの調達拡大を背景に金額は持ち直し、「インド主導・東南アジア補完」という輸入構造が数量面と同様に一段と鮮明になった。(表―2、グラフ―3)。


■輸入CIF単価は、全体平均で4月の154円/kgから5月は152円/kgへわずかに低下した。5月は為替が4月に比べてやや円高方向へ推移したことに加え、マレーシアが157円/kgから146円/kgへ低下したことが全体平均を押し下げた。一方、最大供給国のインドは149円/kgと横ばいを維持し、ベトナムは159円/kgから161円/kgへ小幅上昇した。数量構成ではインドのシェアが54%から64%へ拡大し、ベトナム、マレーシアの比率は低下したものの、主要供給国の価格水準に大きな変化はみられなかった。
総じて5月は、円高が円建て輸入価格の上昇を抑制したことで全体CIF単価は小幅に調整した。ただし、インド材を中心とする価格は底堅く推移しており、シリコマンガン輸入価格は150円/kg前後の水準を維持する展開となった。(グラフ―4)。

シリコマンガン65/17China(USD/t)1年
主要税関別数量・CIF(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績
主要国別税関別数量・CIF(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績
■今後の展望
日本鉄鋼連盟統計では、粗鋼・特殊鋼生産は緩やかな持ち直しが続くものの、自動車や建設向け需要の本格回復にはなお時間を要するとみられ、シリコマンガン需要も急拡大しにくい状況が続こう。このため、輸入数量は1万7,000~2万トン前後を中心とした安定的な推移が見込まれる。
供給面では、5月はインドのシェアが64%まで回復し、再び輸入の中心となった一方、ベトナム、マレーシアがこれを補完する構図に変化はない。インドの生産・輸出競争力は依然として高く、日本の調達も当面は「インド主軸・東南アジア補完」の体制が続く公算が大きい。
価格面では、中国65/17シリコマンガン価格は6月にかけて調整した後、7月以降は生産抑制や原料価格の下支えを背景に下げ止まりの動きもみられる。一方、6月以降はドル円が再び円安方向へ推移しており、円建て輸入コストの押し上げ要因となっている。このため、国際価格の落ち着きと円安効果が相殺し合う形で、輸入CIF価格は150円/kg前後を中心とした底堅いレンジ相場で推移する可能性が高い。 今後は中国の減産動向やインドの輸出姿勢、さらには為替相場の変動が価格形成の主要な材料となろう。
(IRUNIVERSE S. Aoyama)