国内アルミ合金・スクラップ市況は、基調的には下値を探る動きが続いている。急落していた、指標のLME相場(現物)が1トン3,100ドル前後を下値抵抗線に3,200ドル近くに小反発したことで、スクラップは7月下旬5‐10円の幅で値を上げる場面もあったが、国内の実需不振を映し足元は弱含みで推移している。製品のADC12は、スクラップ相場の下げを映して続落しており、7月中旬比で3日現在、安値5円、高値10円安の1キロ545‐560円の水準にある。大口需要家筋の自動車関連産業にも被害が出たことで、令和8年熊本地震の影響が注目されていたが、お盆休みが緩衝期間になって、下げ足に弾みをつける材料にはならないとする見方が多いが、急激な円高もあり、目先地合いの改善は見込みにくそうだ。

LMEアルミ相場
主要スクラップ市況は3日現在、上物の2S新切が7月中旬比で5円安の1キロ465円、ビス無が同比持合いの同480円。裾物のビス付も同比持合いの同415円で推移している。超高値圏から急落していたUBCも同比持合いの385‐390円。

2S新切り相場

アルミサッシ63(ビス無)相場

ビス付きサッシ(プレス品)相場

UBC相場
弱含みで推移する中「現在の下落を予期して売っていたので、プラスだ。7月下旬に反発した場面もあったがLMEと連動しただけの動きだ。実需ベースで見れば合金メーカーの在庫はいっぱいで、彼らは荷を止めている状況。9月までは様子見だ」(問屋筋)との声も挙がっている。
象徴的なのがスクラップの代替品として合金材料に使われる国内ベースメタル。下げがきつくなってきており、3日現在、7月中旬比で安値65円安‐高値60円安の1キロ445‐460円で推移している。「まだ、底値が見えない」(同)という。海外原料のゾルバ(Metal97~98% CIF China)も、同比高値50ドル安の1トン2,500‐2,600ドルのレンジにある。ロシア産AK5M2は同2750‐2850ドル。

国内ベースメタル相場

ゾルバ(Metal97~98% CIF China)相場

ロシアAK5M2相場
3日に発表のあった大手合金メーカー2社の原料買取価格は、そうしたスクラップ市況を映して、ともに下げとなった。1社はスソ物、上物ともに10円の下げ。もう1社は、東西ともにスソ物20円下げ、関東については上物も10円下げた(西日本の上物は横ばい)。
気になる熊本地震の影響については、「(複数の自動車関連工場が稼働停止の中)足元サプライチェーンへの影響は出ていないし、丁度お盆と重なる時期でもあり、どちらにしろ稼働率は良くなかった。また、現在の状況下では、お盆明け後、再稼働の観測もあり、アルミ市場への影響は軽微と見ている」(複数市場関係者)という。
製品である国産ADC12は、3日現在、中旬比で安値5円、高値10円安の1キロ545‐560円の水準で推移している。それでも、「お盆休みを前に、どこまで下げるのか、まだ見通せない」(二次合金メーカー)との悲観的な声が聞かれる。中東紛争を背景にダイカストメーカーの仮需的なADCの手当により、足元彼らの原料在庫が残っている中、なお下げ余地を残している形だ。「ダイカストメーカーの満腹感に加え、安価な輸入塊の流入も大きな悩みの種だ」(同)という。

国産ADC相場
そのひとつ、中国産ADCは3日現在、7月中旬比持ち合いの1トン3,050‐3,100ドルの水準にあるが、1ドル=157円で換算すると、1キロおよそ494‐502円(諸掛り込み)。円安に拍車がかかったことで、国産品に対する割安感はさらに強まりそうである

中国産ADC相場
他の海外産ADCでは、マレーシア産が中旬比20ドル高の3,110ドル、インド産が同比持ち合いの3,090ドルでの推移となっている。
目先、下げ一色ムードに包まれている国内アルミ合金・スクラップ市況だが、気になるのがLME在庫の急減ぶりと、それを映す形で再び顔をのぞかせた、現物相場が先物相場を上回るバックワーデーション現象である。在庫水準は7月31日現在、26万4,400トンと、さらにその規模は縮小している。供給不安につながる事件、事故が起きれば急反発するエネルギーをため込んでいる印象で、急激な円高という弱材料との綱引きで、国内アルミ合金・スクラップ市況にどんな影響が表れるのか。お盆休み明け後の市況動向が注目される。