メタル・カテゴリー閉じる

新着情報  - News -

2020/08/08   住友金属鉱山:決算...
2020/08/08   岡本工作機械(61...
2020/08/08   MARKET TA...
2020/08/08   7日の中国鋼材スプ...
2020/08/08   DOWA HD:上...
2020/08/08   日本カーボン:おお...
2020/08/07   三井金属:今上期業...
2020/08/07   NEDO、ドローン...
2020/08/07   三井金属、新型コロ...
2020/08/07   東邦亜鉛、今1Qで...
2020/08/07   IRRSG/ZOO...
2020/08/07   《Metal Pr...
2020/08/07   《Metal Pr...
2020/08/07   《Metal Pr...
2020/08/07   《Metal Pr...
2020/08/07   東京製鐵、鉄スクラ...
2020/08/07   Teslaの支持に...
2020/08/07   鉄子の部屋#20 ...
2020/08/07   大平洋金属:後半は...
2020/08/07   CobaltWat...

リサイクルのテーマパーク 九州メタル産業その2 プラ&こだわりの銅ナゲット編

2019.12.25 17:17

リサイクルのテーマパーク 九州メタル産業その1」からの続き

 

写真 

 ASRおよびSR(シュレッダーダスト)の資源化施設ではとにかく選別の徹底。ASRおよびSRを風力選別し、いくつかの粒度に変えていく。2mmから20mmアンダーまで分けたあとにさらに比重選別にかけ、非鉄(主にアルミ)を取り出していく。ここでは自動車のバンパーも選別しているが、これらはフレーク状に粉砕したあと今をときめくVeolia社に販売している。

 

 プラスチックのリサイクルも手をかけている。そのひとつがPSインゴットの製造。家電リサイクルを行っていることから、発泡スチロールの発生が多く、これを資源化するためにPSインゴットの製造をはじめたのだという。

 

 プラスチックは水選別でPPとPEに選別。PPでも低タルクのものとそうでないものに分けられるそうだが、軽いものはVeolia、槽に沈んだものはセメントメーカーと売り先を変えている。

 

 家電リサイクルもエアコン、テレビ、洗濯機と各種取り扱っているが、コピー機のリサイクルも富士ゼロックスの委託で取り扱っている。家電リサイクルは人手による丁寧な解体、選別が行われている。九州メタル産業は機械設備の充実さが目立つが、人手もかけて高付加価値のリサイクルを追求している。

 

 また機械の求道者とでもいうべき同社は機械が多いなかで自社開発の機械設備も少なくない。例えばダストの選別装置や分離装置、アルミの選別装置など。

 

 貴金属(金銀滓)の回収も九州メタル産業はこれまた徹底している。乾式流動層式比重選別装置を用いて、底に沈んだ金銀滓などを採取。また旧式のナゲットマシンの一部を使い、篩(ふるい)によって金銀滓を回収。

 

 

 

 

 

写真

 

写真 家電系でいえば、鳥栖営業所では月に7,000台のエアコンを処理、そこで出た黒モーターは本社工場のシェルカッターにて精緻な解体、選別を施す。またエコタウン内で発生した使用済み冷蔵庫と洗濯機も九州メタル産業でリサイクル処理している(*家電リサイクルが始まった当初からの取り決め)。

 

 また山口県で発生した使用済みテレビと洗濯機もここで処理(2500台/月。だからなのか、ヤードには結構な数のブラウン管テレビが入っていた。テレビは月に3,000台ほどの処理。もちろん、今主流の液晶やかつてのプラズマテレビなどパネルタイプのテレビも多くあるが、パネル型のテレビはビスが多いので意外に一台あたりにかける解体時間を要し、手間取るのだという。

 

 しかし梅崎工場長は、もしも自動化できるならばどの家電リサイクルラインを自動化したいかと聞くと

 「数の多いエアコン」と即答された。確かに。他の家電リサイクル工場でも聞いたが、昨今の異常気象(が当たり前になってきたのでなにが異常気象かわからなくなってきたが・・・)によりエアコン需要は伸びており、また中国向け輸出の激減により国内の家電リサイクル工場に入ってくるエアコンは激増している。

 

→(関連記事)中国の雑品スクラップ輸入規制を経て廃家電の入り急増 ハイパーサイクルシステムズ

 

 逆にいうと、人口減社会のなかで、テレビ離れは増えているので、これからは減少一途、自動車も然り。エアコンと健康器具、IT関連機器だけがスクラップとして増えてくるのではないだろうか?

 

写真 さて先に進む。シェルカッター3台で丁寧な解体を施した黒モーターは銅線(エナメル線)と鉄部分に大別されるのだが、鉄はさらにシュレッダーにかけて破砕し鉄鋼メーカーにてリサイクル、銅線のほうは非鉄製錬メーカーと思いきや、近隣のアルミ合金溶湯工場に銅分として販売しているのだという。伸銅メーカー、銅製錬メーカーはエナメル線を嫌う。

 

 

 

 

 

写真写真

写真写真

 

 

 銅ついでにここにも言及したいのが銅ナゲット。九州メタルは銅ナゲットには前々から並々ならぬ情熱を注ぎ、研究開発を続けてきた。その努力が結び、現在では2Cの細いケーブルもナゲットマシンにかけられるようになっている。出来上がり品はすべて雑ナゲットだが、今現在でも全て製錬メーカー向けで販売できているという。

 

再び梅崎工場長の話

 「家電系の線もナゲットマシンにかけている。最近は中国系の業者の方も中国製のナゲットマシンを使ってナゲットを量産しているように聞きますが、銅ナゲットのなかにプラスチック(被覆材)の混入が多い、と聞きます。うちのナゲットマシンではこの被覆材と銅分の徹底選別にこだわりにこだわりぬいてきた」ゆえに前述したように2Cのような細い線でもナゲット化できるのだろう。銅ナゲットは月に30トンほど生産。

 

 最終的に機械で分けられないものが銅と亜鉛だという。比重がほぼ一緒であるため、どうしても混入する。それも人手による手選別で分けている。10名(全員女性)が選別にあたっている。なぜ全員女性なのかというと、女性のほうが丁寧な仕事をするからだというが、これは他のリサイクル工場でも同様の話を聞いたことがある。リサイクル工場においては既に男女格差は全くない。むしろ女性の雇用を積極的に進めているくらいだ。

 

 

廃プラも徹底回収!

 金属はほぼ100%回収できている九州メタル産業が今最も力を入れているのが廃プラの資源化である。これはすでに近隣の電炉メーカー(東京製鐵)、地元北九州のアステック入江、北九州市立大学と一緒に研究を行っている。これは北九州市もバックアップしている補助事業であり、東京製鐵にて発生するミルスケールとプラスチックを混錬してブリケット化し、それを東京製鐵へ還元剤として供給する事業を行っている。この廃プラのなかにはシュレッダーで破砕したあとのPP、PEも入っている。これは高炉メーカーのほうでも需要のある還元剤である。

 

 廃プラは今後取り合いになる可能性がある。すでに上質なプラスチックは取り合いになっているが、今後は混合プラやシュレッダーにかけたあとのプラスチックについても取り合いになる可能性がある。さきの高炉メーカーもCO2クレジットの観点から、また世界的な要請からもプラスチックのリサイクルが重要視されている。

 

 「シュレッダーダストも取り合いになってくれればいいんですけどね(笑)」とは梅崎工場長の弁。

 

 また九州メタル産業ではマレーシアでの自動車リサイクル実証事業も手掛けている。

 

 この実証事業は環境省補助事業で、NTTデータなどとともにマレーシアでの自動車リサイクル市場調査を行っている。マレーシアの環境局長も九州メタル産業に見学にきたそうである。

 

 しかし

 「マレーシアではまだリサイクル法は出来ておらず、すべてが今から、という段階。パーツ取りは行っているが、それがどこに売られているのはわかっていない。自動車リサイクル法が出来たらその市場は結構混乱するだろう。日本で自動車リサイクル法が出来たときのように」(梅崎工場長)。

 

 最後に

 「北九州エコタウンの周辺には自動車メーカーあり、鉄鋼メーカーあり、非鉄製錬所あり、かつ港に近いという絶好のロケーション。まだまだリサイクルの幅も広げていき、可能性があるなら一般廃棄物の処理も手掛けていきたい」(梅崎工場長)とやはり九州メタル産業はどこまでもリサイクルの求道者であった。

 

 

(IRUNIVERSE YujiTanamachi)

 

 

関連記事