豊田通商 中国におけるリチウムイオン電池用電解質リチウム塩(LiFSI)製造会社へ出資
~電動車普及のキーとなるバッテリー領域事業の拡大へ~
豊田通商株式会社(以下:豊田通商)は、豊田通商(上海)有限公司(以下:豊通上海)を通して、湖南福邦新材料有限公司(以下:湖南福邦)へ株式会社日本触媒(以下:日本触媒)と共同で資本参画することに合意した。
電気自動車をはじめとする電動車の普及が加速することに伴い、リチウムイオン電池の需要が高まっている。リチウムイオン電池の電解質として使用されるリチウムイオン電池用電解質リチウム塩(LiFSI: リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド)は、低温高温時の性能や寿命などの課題解決が可能であるため、需要が急拡大している。
豊田通商は、グローバルな販売網を生かして湖南福邦で生産されるLiFSIを中国のみならず、日本、アジア、欧州の電解液メーカーへの販売を進めていく。今回の出資先である湖南福邦は、2022年下期から1,200t/年の生産能力でLiFSIの生産を開始。急拡大する市場の需要増に応えるため、今後段階的に生産能力を増強し、2025年に12,000t/年の生産を目指す。
豊田通商グループは、2021年7月、2030年までに2019年比で温室効果ガス(以下:GHG)排出量50%削減、2050年までにカーボンニュートラルを実現する目標を公表し、同年11月に、「カーボンニュートラルロードマップ2030」を策定した。同社グループは、GHG削減に貢献する事業の推進を重要な戦略として位置付けている。その中で、車載用電池関連ビジネスを次世代に向けた成長の柱として捉え、川上であるリチウム資源開発事業から川下の電池製造事業、電池リユース・リビルト事業などリチウムイオン電池サプライチェーン全体でビジネスを展開しており、またグローバルでの販売網を保有することによって、カーボンニュートラルへの取り組みを推進し、脱炭素社会への移行に貢献していく。
湖南福邦 概要
湖南福邦新材料有限公司は、世界第2位のリチウムイオン電池電解液メーカー大手の深圳新宙邦科技股份有限公司(英名:Shenzhen CAPCHEM Technology Co. Ltd.)の子会社であり、リチウムイオン電池用電解質リチウム塩(LiFSI)を製造しています。今回の出資金(第三者割当増資)は、日本触媒:201,769,912人民元(40.4億円)、豊通上海:29,203,539人民元(5.8億円)。 ※20円/人民元前提
日本触媒 概要
(IRuniverse.jp)
関連記事
- 2024/05/07 千葉県、ヤード条例施行から1ヶ月経過した現状は?――事業者からは賛否の声
- 2024/05/07 銅板輸出Report #56 米国の車載向けの輸出減少続く
- 2024/05/07 銅条輸出Report#43 タイ向け輸出好調 中国向け輸出も底を脱したがまだ物足りず
- 2024/05/07 コンテナ運賃動向(2024年4月)、5月に入り一気に上昇
- 2024/05/07 日中コンテナ荷動き(2024年2月)―輸出減でも輸入増
- 2024/05/06 週刊バッテリートピックス 「米IRA事実上緩和」「三井住友が台湾ゴゴロと協業」など
- 2024/05/05 米IRA、黒鉛などの規制緩和 従来方針から導入時期延期、現状認識か中国支援か
- 2024/05/03 新旧民間航空機の受注納入について(24年3月)
- 2024/05/02 中国の三元系、LFP系ブラックマス市場近況
- 2024/05/02 EVバッテリーリサイクル、「割の合う仕事」になるか 技術と供給網がカギ