世界の粗鋼生産量:2022暦年生産量は18億8,540万トン
WSA(世界鉄鋼協会)が6月7日発表した2022年実績によれば、2022暦年の世界の粗鋼生産量(世界64か国)は、18 億8,540万トンと21 暦年(19億6,230万トン)比で3.9 %減と19億トンを下回ったことが明らかとなった。2015年以来7年ぶりの前年割れ。中国の生産量は10億1,800万トンと、21暦年(10億3,520万トン)比1.7 %の減少となり、2年連続で前年割れとなった。
メーカー別粗鋼生産では、3年連続で中国の宝武鋼鉄集団が1位となった。
<世界の粗鋼生産量>
2021暦年世界の粗鋼生産は、中国が減産に舵を切ったものの、経済活動の回復に伴い主要国で急回復し、初の19億台の19憶6,230万トンとなり、前暦年比4.3 %増の5年連続で過去最高値を更新した。
2022暦年の粗鋼生産量は、インドが1億2,530万トンと前暦年(1億1,820万トン)比6.0 %増となったものの、主要国が減少したため、2019暦年及び2020暦年並みとなった。
図1 に世界(上位10か国)の国別粗鋼生産量推移を示す。
世界合計粗鋼生産量推移を、水色折れ線グラフ(単位:右軸)に示す。2015年以来、7年ぶりに前年割れとなり、19億トンを下回った。
図1 国別粗鋼生産量推移(1991年~2022年)
表1に2022暦年及び2021暦年の上位10か国の粗鋼生産量を示す。前暦年比で増となったのは、インドとトルコだけであった。
表1 上位10か国の粗鋼生産量
<メーカー別粗鋼生産>
メーカー別粗鋼生産量でトップは3年連続で宝武鋼鉄集団であった。2位のアルセロール・ミッタル以下、鞍鋼集団、日本製鉄、江蘇沙鋼集団とトップ5社も変更がなかった。
表2に上位15位までのメーカー別粗鋼生産量を示す。
表2 メーカー別粗鋼生産量順位(上位15位)
(IRUNIVERSE tetsukoFY)
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