10月中旬週のマンガン市場のデータを元に、中国市場におけるマンガン需要を紐解いていく。
現在の中国国内でのマンガンの価格は需要の低迷と在庫の増加に押されて、どこも下がるか横ばいの傾向を見せている状況だ。
全体的にサプライヤーが供給量を増やすという意向を見せた結果の価格下落となっており、現状在庫あまりの状況が続いていると見て良いだろう。
メタルマンガンフレーク 99.7%min Ex-VAT FOB Chinaの価格は12,200-12,300人民元/トン (USD1,633-1,674米ドル/トン)と安値、高値ともに大きく値下がり傾向を見せた。
シリコマンガン65/17Chinaに関しては、6,650-6,850 人民元/トン (899-926 米ドル/トン)と前回のレポートから価格変化が全くない状態だ。
人民元、米ドルともに全く値動きが無い訳では無くこの一ヶ月でわずかな下落と上昇を見せた結果、元の価格に落ち着くという奇妙な動きを見せている。
シリコマンガンは60/14は6,000-6,200人民元/トン(830-858 米ドル/トン)となっており、こちらもわずかながらの値下がり傾向となった。
メタルマンガンフレーク(99.7% Ex-VAT FOB China US$/ton) 3ヶ月の値動き
シリコマンガン(65/17 FOBChina US$/ton) 3ヶ月の値動き
豪州産マンガン鉱石 45%minは価格低下の影響を受けにくいのか、価格は38.4-39.4人民元/dmtu(5.32-5.46 米ドル/dmtu)とほんのわずかな下落で落ち着いている。
米ドルベースで見てみれば前回のレポートから一切の価格変動を見せていない。
フェロマンガン(Mn75%min C8%max EXW China)は6,600-6,800人民元/トン (906-934 米ドル/トン)とこちらは50人民元の価格低下となっているが、そこまで大きな落ち込みではない。
こちらも先の豪州産マンガン鉱石 45%min同様米ドルベースでの価格変化は起きていない状態だ。
豪州産マンガン鉱石(Mn44%min Mn1%当たりUS$) 3ヶ月の値動き
高炭素フェロマンガン(Mn75%min, C8%Max Europe EUR/MT) 3ヶ月の値動き
現在の中国市場におけるマンガンの状況については、兎にも角にも在庫の払底による価格上昇を狙う傾向が見て取れる。
幸いなことに中国国内では現在マンガンフレークの生産を再開する程には在庫が少なくなっていると見られており、今後市場は安定傾向に移るものと見られている。
とはいえ市場が活発に動く起爆剤となる物は見られず、また供給過剰となるかどうかも見通しにくい程に需要は落ち込んでいる。
特に輸入物のマンガン鉱石に関して、需要の低下から市場価格の下落が継続するという見方もある。
必ずしも先行きが明るい状況とは言えない流れではあるため、今後更に注視が必要となりそうだ。
(IRuniverse Ryuji Ichimura)