新着情報

2024/07/16   2024年5月のス...
2024/07/16   大型蓄電池のパワー...
2024/07/16   東京製鐵 2024...
2024/07/16   ニッケル協会、新会...
2024/07/16   中国 鉄鋼メーカー...
2024/07/16   脱炭素の部屋#17...
2024/07/16   中国格林美 3社共...
2024/07/16   韓国2024年6月...
2024/07/16   リチウム価格はまだ...
2024/07/16   中国汽車協会:中国...
2024/07/16   中国のリチウム生産...
2024/07/16   中国の自動車ディー...
2024/07/16   洛陽モリブデン業(...
2024/07/16   産業用ロボット輸出...
2024/07/16   二次電池輸出Rep...
2024/07/16   二次電池輸出入Re...
2024/07/16   韓国2024年6月...
2024/07/16   韓国2024年6月...
2024/07/16   千葉県 金属盗難防...
2024/07/16   韓国2024年6月...

ITRI創立50周年記念式典開催 日台の技術協力に各国からも祝福の声

 2023年11月13日、財団法人工業技術研究院(略称工研院、英文略称ITRI)が東京都中央区の東京ミッドタウン八重洲にて「ITRI創立50周年記念式典」を開催した。ITRIがこうした式典を行うのははじめて。各国がITRIの創立50周年を祝福する中、式典にて以下の様なアナウンスが行われた。

 

ITRIは東京にて50周年記念式典を開催 台日間の多くの交流実績を示す

次の50年を見据え、強固な連携基盤を築く

 

 工業技術研究院(以下、ITRI)は半世紀を経て、台湾の産業発展をリードしてきただけではなく、国際連携にも積極的に取り組んでいる。
 創立50周年を迎え、ITRIは日本においても36年にわたり深く交流の根を下ろしており、13日には東京にて「ITRI創立50周年記念式典」を開催した。長年にわたり培ってきた日本とのパートナーシップ・サプライチェーン強靭性の構築や地域アライアンスにおける連携実績を示した。

 式典には台湾経済部の王美花部長、台北駐日経済文化代表処の謝長延代表が出席し、ITRIが長年にわたり台日産業の発展に尽力し、産学研の連携の架け橋を築き台日連携の機会を創出してきたことを称えた。
 日本の産学研からは、最大級公的研究機関の産業技術総合研究所(AIST)、東京工業大学、半導体材料の化学メーカーであるトクヤマ、三菱電機、川崎市産業振興財団など、ITRIと長年にわたり緊密な連携関係があるパートナーが出席し、総勢200名を超える台日産官学研の代表者が一堂に会し祝福した。

 

台湾経済部 大臣 王美花氏

 

台北駐日経済文化代表処 代表 謝長延氏

 

 台湾経済部・王美花部長によると、ITRIは常に台湾の技術研究開発と産業化を推進する役割を担い、創造的な起業育成の機能を備え、さらに国際的な連携架け橋としての役割も担っていると述べた。産業のアップグレード促進と国際的な革新を同時に促すこのような役割は世界の研究機関の中でも際立っている。
 近年、ITRIは台日連携においても飛躍的な成果を遂げており、今年9月には九州半導体・デジタルイノベーション協議会(SIIQ)と、純粋な技術提携とは一線を画した二国間プラットフォームの形で、半導体分野での連携に関する覚書に調印し、点対点だった連携対象が面である地域全体の産業へと拡大した。ITRIの成長は台湾のハイテク産業の縮図とも言え、ITRIが推進した台日連携は、台日産業技術提携全体を代表するとも言える。
 さらにITRIを通じて、日本と台湾現地メーカーとの交流やビジネスチャンスが広がっている。ITRIと日本の産学研の緊密な連携関係により、日本が台湾の重要な国際戦略パートナーであることがより一層裏付けられている。

 


ITRI 院長 劉文雄氏

 

 劉文雄院長は、ITRIが1987年に日本事務所を設立し、前哨基地という優位性を生かして、日本の産学研、経済団体・協会などとの連携プラットフォームを構築し、「研究開発協力」「技術商業化」「サプライチェーン相互補完」「投資促進」など4つの戦略による協力を通じて、ウィンウィン成果を創出していると述べた。
 ITRIは研究開発の協力においては、半導体、電子・光電子システム、機械・メカトロニクス、グリーンエネルギー、材料、生物医学などの領域から、分野横断的な技術を統合したAI、EVなど幅広い領域において日本と連携をしている。技術の産業化に関しては、ITRIは産業技術総合研究所(AIST)と手を組み、触媒の大量生産の提携を通じて、台湾の石油精錬所及び鉄鋼工場への導入を実現し、大幅な炭素排出削減を実現した。
 

 また、ITRIは日本の化学工業大手と共に、電解による水素生成の実験を行い、台湾台南の沙崙地区でのイオン交換膜の開発に協力し、産業化に向けた一歩を踏み出している。
 サプライチェーン相互補完においては、台湾と日本の技術は高い相互補完性を持ち、サプライチェーンの関係は非常に深いと言える。
 ITRIは半導体産業において、日本との間で川上から川下の各段階で緊密に協力関係を続けている。例えば川上ではITRIは日本企業と協力しナノレベルの不純物モニタリング検査や、シリコンカーバイド粉末プロセスを共同開発している。
 この粉末プロセスにおける提携は、日本の機器分野における優位性とITRIが自主開発した検査プラットフォームを組み合わせたもので、シリコンカーバイド粉末の自主的サプライチェーンを構築している。

 

 川中では日本の半導体装置メーカーと共にスパッタリングプロセスの専用装置を共同開発している。
 川下では日本と異種統合パッケージング技術についても協力を行っている。さらにより多くのベンチャー事業への投資を促すためITRIでは投資促進戦略を通じて、ITRI傘下の「創新工業技術移転股份有限公司(ITIC)」と日本の投資銀行と協力して台日ファンドを設立するなど、台日のスタートアップ企業にリソースを提供し、半導体グリーンサステナビリティ、ヘルスケア産業などにおける革新的な技術市場を推進している。
 両国の産業や経済発展に新たな価値を生み出すために、力を合わせて産業発展を強力に推進していく。

 

 

 創立50周年記念式典では、ITRIが長年培ってきた日本との連携の実りある成果が示された。強靱なグローバルサプライチェーンの確立や2050年ネット・ゼロ・エミッションなど、世界的な重要課題に直面する中、国境を越えた連携を通して価値革新を加速させ、日本が台湾の産業の技術発展における重要な国際パートナーとして、台湾と日本が引き続き手を携え、ビジネスチャンスを創出し、ウィンウィンを作り出すことが期待される。

 

国立研究開発法人産業技術総合研究所 執行役員 臼田 孝氏

 

 国立研究開発法人産業技術総合研究所の執行役員、臼田 孝氏は先に述べられたITRIの研究開発分野における協力関係に言及。

 2005年に産総研とITRIは包括連携協定(MoU)を結んでおり、電子やエネルギーといったジャンルで数々の研究を行い産業の発展に寄与してきたと語る。

 

国立大学法人 東京工業大学 学長 益 一哉氏

 

 国立大学法人 東京工業大学の学長、益 一哉氏は東工大とITRIの交流と現在の状況について述べた。

 東工大はこれまで20年以上ITRIと関係を持っており、情報通信分野などにおいて連携を深めているとの事。

 半導体以外の事業でも、これからの社会実装に向けて研究開発を協力して進めていくと語った。

 

(公益財団法人川崎市産業振興財団 三浦淳理事長)

 

 ITRIとの協力関係は市政にも及ぶ。

 川崎市ではベンチャースタートアップの支援を行う為に、10月にITRIと包括協定を結んだとの事である。2023年の5月には「2023(令和5)年 日台オンライン商談&現地視察会」と銘打ったピックアップ企業との交流会も行っており、同市とITRIとの結びつきが今回更に強まったものと見ていいだろう。

 

株式会社トクヤマ 代表取締役社長執行役員 横田 浩氏

 

 株式会社トクヤマの代表取締役社長執行役員、横田 浩氏は2018年以降、ITRIとは包括協定を結んでいた事を発表。

 現在ITRIで進めている天然ガス研究の事業に同社も参画しており(*元々はトクヤマ、さらには日本海軍が新竹で開発していた)、次世代半導体薬液に関する研究などで付き合いのあるITRIがここまで大きなイベントを行うのは初めての事だと称賛の声を贈っていた。

 

三菱電機株式会社 国際本部長 大家 正宏氏

 

 三菱電機株式会社 国際本部長の大家 正宏氏はITRIとの長きに渡る交流関係をアピール。

 院長である劉氏とは非常に綿密な付き合いをしており、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」にも協働研究先として両者の名が挙げられている程である。

 

NTT(日本電信電話株式会社) IOWN推進室 室長 川島 正久氏

 

 NTT(日本電信電話株式会社) IOWN推進室 室長の川島 正久氏はNTTとITRIの提携の歴史について語った。

 「R&Dフォーラム2010:『人、社会、地球にやさしい未来を拓くICT』」においては台湾新幹線の営業速度300km/hという環境でワイヤレスブロードバンドを実現するべく技術検証の為協力しあった双方は、今や「ローカル5Gの社会実装加速に向けた新たな共創プロジェクトの立ち上げ」という相互接続や通信安定化の為の取り組みで歩調を揃える程の関係性となっている。

 

 

 最後は来賓や主催者を合わせた全員による乾杯で締めくくられた。

 日台における技術協力のさらなる加速とお互いの発展に繋がるイベントの影響は、想像以上に大きな物と見込めそうである。

 

 

(IRUNIVERSE RyujiIchimura)

 

 

関連記事

関連記事をもっと見る