経済産業省とNVIDIA 積極的交流で半導体生産加速間近か
2023年12月5日、東京都千代田区の経済産業省にて「西村経済産業大臣がNVIDIA CEOのジェンスン・ファン氏の表敬を受け」ると発表が為された。
今回実現した2者の会談により、日本における半導体・GPU生産の気運が大きく高まる可能性が見て取れる。
本記事ではそれに関連する事象も併せてお伝えしていく事にする。
半導体生産の為の装填
2023年11月に開かれたAPEC閣僚会議に合わせる形で、西村経済産業大臣がAI・半導体企業トップとの意見交換会に出席。
セッティングされたメンバーは、nVidiaのCEOであるジェンスン氏をはじめAMDのリサ・スーCEO、Rapidus 小池淳義CEO、Supermicro チャールズ・リアングCEO、Tenstorrent ジム・ケラーCEOやWestern Digital デイビッド・ゲックラーCEO、Apple デイビッド・トムVP、Microsoft アントニー・クックCVPといった錚々たる顔ぶれが並ぶ。
各社から日米連携での数々のプロジェクトに対する色良い返事があった物と思われる。
同月15日にはサイドイベントとして開かれている展示会において、西村経済産業大臣がサーバー構築に必要なパーツを開発するSuperMicro社のブースを訪問。
そこにおいて必須となるパーツの一つであるGPUがコンピューターメーカーであるnVidiaの製品であり、それについて説明を受けていた。
【関連記事】
スーパーマイクロ株式会社:大型化するプロセッサと日本の限界点
https://www.iru-miru.com/article_detail.php?id=63301
予算周りの事情を見てみれば、政府の2024年度概算要求で人工知能(AI)関連予算が1500億円を超えた。
これを背景に、経済産業省は会期中に多くの事業者と交渉しGPU供給の体制を取り付けたものと見られている。
各企業間の動きも活発になってきており、日本のRapidus株式会社はnVidiaやAMDと交渉をスタート。国内において製造委託を受けた旨を一部報道機関が報じている。
放たれる鏑矢
こういった背景を経て、今朝西村大臣がジェンスン氏の表敬を受ける事となった。
今回提示された「日本とNVIDIA社の関係の強化について」という目標について、先の意見交換会の流れを汲んだ物になる事は必須と言えるだろう。
日本における半導体製造拠点としてはRapidus株式会社やTSMC(台湾積体電路製造股份有限公司)が有力候補として名を挙げており、この2社を軸に半導体の委託生産がスタートする流れとなりそうだ。
先日さくらインターネット株式会社が政府のガバメントクラウドのサービス提供事業者として発表された後に、GPU確保の為nVidiaを訪れたとの報も流れている。
世界全体で計算資源確保と供給の動きが一段と加速する動きになる上で、今後日本国内に海外の企業がどの様に参入を果たしていく事になるのか。
日本がその便益を享受し技術を蓄積する為にいかに法整備を行っていくのかという流れも含めて、新たな「戦国時代」の到来は近くなりそうだ。
(IRuniverse Ryuji Ichimura)
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