SMFL LIBリサイクルの共同開発でSMFLレンタル、TESと覚書締結
3月12日、三井住友ファイナンス&リース株式会社(代表取締役社長:橘 正喜、以下「SMFL」)、SMFLグループのSMFLレンタル株式会社(代表取締役社長:原田 浩次、以下「SMFLレンタル」)、およびTES-AMM(SINGAPORE)PTE LTD(CEO:Terence Ng、以下「TES」)は、湿式精錬技術※1を用いたリチウムイオン電池(以下「LIB」)リサイクル事業をグローバルに共同展開する目的で、LIBリサイクル事業の共同開発に関する覚書を締結し、事業化の検討を開始したと発表した。
(左から)原田 浩次(SMFLレンタル:代表取締役社長)、Terence Ng(TES:CEO)、橘 正喜(SMFL:代表取締役社長)
SMFL・SMFLレンタル・TESは、今後EVの使用済みLIBが大量に発生する見込みであることを見据え、まずは日本において使用済みLIBの回収、リチウム・コバルトなどのレアメタルの抽出、再資源化というクローズドループ※2の構築を2030年に向け具体化し、循環型社会の実現に向けた検討を進めていくと発表した。
TESは、2005年に設立された、持続可能な技術サービスと電子機器や部品の導入から廃棄処分を管理する顧客ニーズに合わせたソリューションを提供するグローバル企業。製品の導入・リユース・リサイクル・廃棄処分に至るまで、ライフサイクル全体にわたり総合的なサービスを提供している。使用済み電池から希少素材を高い純度で抽出し、製造サプライチェーンで再利用できる状態にするなど、リサイクル資産の価値を最大限に活用するための新しい事業プロセスの開発も行っている。
またTESは、2030年までに10億kgのリサイクル資産を安全かつ確実に、持続可能な方法で再利用することにより、大きな変化を生み出すことを使命とし、22カ国にある40カ所の施設を通じて、一貫性のあるサービス、競争力のあるコスト、各地域の法令や規制・言語への対応により、国境を越えたリサイクル資産の移動に関する複雑さを解決するとしている。
SMFLは、経営理念・経営方針を示す「SMFL Way」のOur Vision(私たちの目指す姿)の一つとして「SDGs経営で未来に選ばれる企業」を掲げ、SDGs達成を支援するさまざまなサービスを提供、また中期経営計画の戦略「更なる社会課題の解決」において「サーキュラーエコノミーを実現していく第一人者としての活動」を施策として掲げ、社会課題解決に向けた取り組みを推進。
SMFLレンタルは、PC・ワークステーションに代表されるIT機器のリース・レンタル・導入支援などに加え、電子計測器、介護機器・福祉用具、産業用工作機械・輸送用機器などのレンタルを提供、リユース・リサイクルによるサーキュラーエコノミーを推進し、同事業を通じてさらなる社会価値の拡大に貢献していく。
【TESの概要】
※1 湿式精錬技術
金属の精錬作業を酸・アルカリ・溶媒などの水溶液中で行い、金属の分離をすること。
※2 クローズドループ
サーキュラーエコノミーの基本的概念。使用済みのLIBから、高純度のレアメタルを高効率で回収し、再びLIBの原材料としてサプライチェーンに供給することを表す。
(IR universe rr)
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