コンゴ、コバルト輸出を停止 22日から最少4か月間、価格下落に歯止め
2025/02/27 05:24
コンゴ民主主義共和国(DRコンゴ)は2月24日、「2月22日からコバルトの輸出を停止する」と発表した。英経済紙フィナンシャル・タイムズ(FT)などが2月25日に伝えた。世界的な供給過剰に伴うコバルト価格の下落に歯止めをかけるため。
報道によると、措置は既に2月21日の議会で採択された。3か月後に内容を見直し、少なくとも4か月間は継続するという。
コンゴは世界のコバルトの7割強を生産する。生産を主に担っているのは中国レアメタル大手の洛陽モリブデン業(チャイナ・モリブデン、CMOC)やスイス資源のグレンコアで、CMOCがコンゴに所有する2つの鉱山の操業を再開したことにより、過去2年ほどで生産量が急増していた。大幅な供給過剰となったため、コバルト価格は低迷し、ベンチマークであるLGコバルトは2月20日に$9.95/LBとほぼ10年ぶりの安値を付けていた。
関連記事: コバルト価格、ついに1ケタに LGコバルト10ドル割れ、10年ぶり安値 | MIRU
もっとも、FTによると、コバルトの取引業者からは措置について「国境付近で禁輸がどこまで実施されるかは不透明」との声もあるという。また、コンゴの禁輸がインドネシアのコバルト生産に追い風となるとの見方もある。
過去10年間のLGコバルト (Co99.3%)($/LB)価格の推移
(IR Universe Kure)
関連記事
- 2025/08/04 半導体向け ソーラー向けのメタルシリコン市況近況 概ね横ばいだが中国の減産で反発機会伺う
- 2025/08/04 レアメタル千夜一夜 第63夜 ~中国とロシアの架け橋を夢見たレアアース原料の世界漂流事件~ Part❶
- 2025/08/04 欧州からの風:July 2025 「ドイツ、遠隔操縦車両の公道走行を認める新規制を制定」
- 2025/08/02 企業価値向上を図るために 三和油化工業のあくなき挑戦
- 2025/08/02 欧州からの風:July 2025 仏ルノーが推進する自動車のサーキュラーエコノミー戦略の現状は?
- 2025/08/01 黒崎播磨:親会社である日本製鉄のTOBを受け、無配に修正
- 2025/08/01 (速報)2025年7月国内新車販売台数 2025年に入って初めて前年同月比マイナスへ
- 2025/08/01 東邦チタニウム:26/3期1Q決算を発表、上期利益見通しを上方修正
- 2025/08/01 二次電池輸出入Report #188リチウムイオン電池輸出 2025年前半輸出額前年比9%増加
- 2025/08/01 炭酸リチウム輸入Report #78 2025年前半輸入増加