ロシアのルサール、24年は2.8倍の増益 アルミ価格の上昇で、粗利が大幅改善
ロシアのアルミ大手ルサールの香港上場子会社が上場先の香港証券取引所で3月14日に発表した2024年12月期決算は、純利益が8億300万ドルと、前の期の2.8倍に増加した。アルミ価格の上昇に加え、流動資産の資産価値上昇などで売上高総利益率が大きく改善した。
売上高は1.1%減の120億8200万ドル。期間内のアルミ生産量は3.7%増、販売量が7.1%減と、生産に対して需要は相変わらずさえなかったが、アルミ販売価格が前年比3.3%上昇して収益を支えた。アルミナ生産量は、中国企業を一部買収したことで25%増えた。アルミ箔などその他の製品の販売も堅調で、粗利益率は前の期の14.5%から23.3%へと大きく向上した。
プレスリリース:2025031400039.pdf
■アルミ価格上昇、足元は2700ドルに
アルミ価格は2024年春から回復基調を続けている。ロンドン金属取引所(LME)のアルミ価格は2023年は現物$2300/ton台で推移したが、2024年4月に節目の$2400を回復した。2025年に入ってからは足元で$2700まで上げている。
過去3年間のLMEアルミ価格の推移
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ルサールは同じくロシアのニッケル大手ノリリスク・ニッケル(ノルニッケル)に26%出資する。ノルニッケルは逆にニッケル価格の低迷が響き、2月10日に発表した2024年12月期は売上高が13%、純利益が37%それぞれ減少し、減収減益となっていた。ルサールも業績に、ノルニッケル由来として4割の減益を計上した。
ノルニッケルのプレスリリース:IFRS_review_2024_eng_full.pdf
(IR Universe Kure)
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