米ホワイトハウスは3月20日、ホームページ上で、「トランプ大統領が同国の鉱業振興を目指す大統領令に署名した」と発表した。各州政府に鉱山開発プロジェクトの策定を促すほか、金融機関にも鉱業向け融資を推奨する。国防面からも鉱業推進を急ぐ。

 

(出所:ホワイトハウスホームページ)

 

プレスリリース:Immediate Measures to Increase American Mineral Production – The White House

 

　トランプ大統領は発表資料中で、「米国はかつて世界最大の収益性の高い鉱物生産国だったが、連邦政府の厳しい規制により、鉱業は衰退している」と指摘。「米国の国家安全保障と経済安全保障は、敵対的な外国勢力の鉱物生産への依存によって、今や深刻な脅威にさらされている。米国の国家安全保障にとって、国内の鉱物生産を最大限促進するために直ちに行動を起こすことが不可欠だ」とした。

 

■国防長官に多くの権限

　具体的には、行政部門の長に対し、大統領令の公布から10日以内の最優先プロジェクトの特定を命じた。その他のプロジェクトも優先度に伴い期間を区切り策定させる。また、許可を受けた金融機関に向けて鉱物サプライチェーン(供給網)確立のための融資を推奨するほか、輸出入銀行総裁に対し海外からの原材料確保のためのサプライチェーン・ガイダンスを公表するよう求めた。

　トランプ大統領は更に、国防長官に対し、内務長官らとともに米国内の鉱業開発用地の特定に当たらせるほか、エネルギー長官とともに鉱業の商業化にも取り組むよう命じた。中国が米国を含む世界の鉱業を独占する中、国防的な意味での鉱業促進を急ぐ姿勢を鮮明にした。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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