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インド、アルミやレアアースでロシアと協力強化へ 米関税制裁を背景に関係深める

2025/08/08 17:14
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 インドとロシアがアルミニウムやレアアースなどの分野での提携を強化した。シンガポールメディアのCNBCをはじめ東南アジアメディアが8月7日に伝えた。米国はロシア産エネルギーの輸入を非難してインドに50%の関税をかけると表明したが、インドとロシアはかえって関係を深めている。

 

(出所:Adobe stock free image)

 

■アルミやレアアース、重要鉱物などで協力へ

 ニューデリーで開催の「近代化と産業協力に関するインド・ロシア作業部会の第11回会合」での結果として伝わった。両国から産業貿易当局の高官が出席し、覚書を交わしたという。

 報道によると、覚書の内容は、アルミニウムや肥料の生産、鉄道の近代化、鉱山機械の能力向上などの分野で2国間での協力を進めるというもの。また、レアアースと重要鉱物の採掘、地下石炭のガス化、最先端の産業インフラの開発などでの協力が検討事案に入った。航空宇宙研究向け風洞試験施設の設立、小型航空機ピストンエンジンの共同開発、炭素繊維生産、積層造形、3Dプリンティング技術での合弁事業なども覚書に含まれた。

 

■対米関係冷え込めば中露と接近も

 一方、米ホワイトハウスは8月6日、ホームページ上で、インドがロシア産エネルギーの輸入を通じてロシアを助けていると非難し、インドに対し25%の関税を上乗せすると発表した。既存の相互関税25%に加え合計50%の輸入関税となる。

 

プレスリリース:Fact Sheet: President Donald J. Trump Addresses Threats to the United States by the Government of the Russian Federation – The White House

 

 米国とインドは農産物の輸入についても交渉が難航している。インドのモディ首相は高関税に反発する姿勢を示したと伝わっており、米印関係は冷え込む恐れがある。インドは米国の代替として、ロシアや中国との関係を深める可能性が出てきた。

 

(IR Universe Kure)

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