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豊栄商会の多彩で野心的な挑戦

2016/10/06 12:06
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 ホットアルミ(溶湯アルミ)の先駆者であり今なお国内トップの溶湯供給量を誇る豊栄商会(愛知県豊田市 樹神康之社長)は近年、ホットアルミを主軸としながらも多彩かつ野心的な挑戦を続けている。現在の同社のホットアルミの生産量は1万トン/月。そのほとんどをトヨタグループに納めている。

 

 豊栄商会が16年前に開発したオートマチックのALサーブシステムはその工程と設備そのものが特許商品になっており、このシステムだけの販売も行っており、国内のアルミダイカストメーカーや自動車メーカーにも販売。

 

 

図

(豊栄商会Websiteより)

 

 

 海外でも米、ドイツ、タイ、インドネシアと販路は広がっている、とALサーブシステムの開発者である同社の水野氏は語る。 豊栄商会は愛知県の本社工場と碧南工場がメイン。今年はタイにも進出し、ホット供給の準備を進めている。 

 

 豊栄商会はまた、産廃関係の処理も子会社の豊栄化学で行っており、ここでは鉄と廃プラ混合のIPBというブリケットを特殊鋼メーカー向けにコークス代替で販売。コークス高の現況では特にニーズある製品となるだろう。

 

 また従来からの鉄スクラップの加工(シュレッダー)なども行っているが、今静かに同社が力を入れているのが亜鉛の回収(脱亜鉛処理)である。

 

 

図

(豊栄商会Websiteより)

 

 

 亜鉛めっき鋼板をシュレッダーにかけて常温減圧方式で亜鉛を除去するリサイクルは1997年から大林工場で行っていたが、2008年にこの2号機を明石工場(愛知県碧南市明石町)に入れてからは大林工場は止め、明石で集中処理を行っている。同社が月間11,000トンのシュレッダー鉄スクラップから採取できる亜鉛は1%程度だという。

 

 さらに同社は電炉ダストからの亜鉛回収も開発しており、こちらのほうにも力を注いでいる。真空技術を用いて電炉ダストから亜鉛を回収し、金属亜鉛として販売する。すでに3Nレベルの亜鉛供給は出来ているが、フラックスを使えば4Nレベルまで純度を上げることは可能だという。これは採算見合い、市場のニーズに応じて柔軟に対応していくとのこと。

 

 豊栄商会の野心的な挑戦は続く。

 

 

(IRUNIVERSE Y.Tanamachi)

 

 

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