世界景気の先行きをステンレススクラップから占うとすれば間違いなくリセッション入りだ。3月から下落が続いている国内ステンレススクラップは4月に入っても予想通りにステンレス、特殊鋼メーカーは304系スクラップの購入単価をキロ当たり10円下げ、190円→180円あるいは175円という状況。もはやLMEニッケル相場云々ではなく、不要だから買わない、という姿勢に徹している。経済合理性でいえば間違いないが、ステンレス市場ではサーキュラーエコノミーは霧散しているかのようである。
一方的に下げこむ304系スクラップ相場

しかしそれだけ原料需要がない=メーカーの減産が深い、ことを意味しており、板系メーカーは概ね生産能力比で5割減となっている。かなりな減産だ。そのため、各社とも荷受け制限、あるいは荷止めを講じている。スクラップディーラーにおいても制限を施しているほど。
またメインの304系だけでなくMo下落で評価急落の316系スクラップも市中実勢は340~350円までダウン。316系もまた売り場を求めてさまよっている。
中国向けも全くの音無し。ゆえに国内での余剰感が目立っているのだが、中国も日本同様にステンレス需要が落ち込んでいる。市場のカンフル剤となるような救世主は現れない。
「(メーカーの減産をみていると)このスクラップの下げ相場は秋どころか年内一杯続くのでは・・・」とステンレススクラップディーラーは不安を口ににする。
Cr系(400系)スクラップはまだインド向けがあるためか、今のところ下落は免れているが、鉄スクラップの先安感からするといずれ下落に転じるとみる。足元は65~68円。
Cr系スクラップ相場(¥/kg)と鉄スクラップ新断相場の推移(¥/ton)

(IRUNIVERSE/MIRUcom YT)