Loading...

JFE HD:26/3期決算説明会を開催

2026/05/08 20:28
文字サイズ
JFE HD:26/3期決算説明会を開催

 5月8日16時、JFEホールディングスは14時に発表した26/3期の決算を受けて説明会を開催した。説明に使用した資料はこちら。ハイライト及び「JFEビジョン2035」 第8次中期経営計画を北野社長(写真左)、25年度決算及び26年度見通しを田倉常務が行った。

 

<業績ハイライト>

〇業績ハイライトとして4点(資料4P)

●中国経済の減速、それから関税保護主義の動きに加えて中東情勢の緊迫化ということで、地政学リスク、極めて不透明な状況であるということで、鉄鋼需給や物流市況に影響を及ぼしている。

●鋼材スプレッドは中期の想定を大幅に下回っており、中期経営計画の想定を大幅に下回っており、25年度に続き、26年度の収益予想も、当初中期想定を下回る見通し。本日の示す数字は、中東情勢を織り込んだ状態。

●原料炭はじめ諸物価の高騰を受け、鋼材販売価格の引き上げに取り組み中。中東情勢に伴うコストアップに関しても、速やかに販売価格への転換を進めていく。

●このような厳しい環境下ではあるが、「JFEビジョン2035」、「第8次中期経営計画」で掲げた方針を進め、国内生産拠点を技術開発人材創出のマザーミルと定義づけて、スリムで強靭な生産体制へ再構築するとともに、海外では、インド等を中心に、成長地域でインサイダー事業拡大の諸施策を実行していく。

 

〇ハイライト(同5P)

 26年度の業績見通しが中央に示している。まず、25年度の決算、事業利益が1,353億円、資産評価差除きの実力では1,663億円であった。当期利益は71億円、年間配当80円で、ROEが2.7%という実績。

 26年度の業績見通し、これは中東情勢影響を折り込んでいるが、事業利益が2,150億円、実力では1,850億円を、当期利益1,500億円、年間配当80円、ROEが6%程度という見込み。詳細は田倉から後ほど説明。

 

〇中東情勢の影響について(同6P)

 これに関しては日々情勢が変化している状況であり、年度を通して効率的な影響を織り込むことは困難な状況。状況変化に適切に対応するとともに、大幅に上昇したコストについては速やかに販売価格へ転換していく所存。

 現時点で判明している影響は、中東向けの出荷の停滞、一部停滞、それからユーザー側での生産影響というのもある。

 しかしながら、同社生産、出荷への影響は非常に量的に少なく限定的と考えているが、一方で、原油市況の上昇により、船舶用燃料のバンカーあるいは購入のエネルギー、主にガスと電力であるが、このエネルギー、それから各種資材から物流費のコストアップということで急激に上昇している。この2点目の方が同社の収益に大きく影響を与えるとみている。

 資料下の表はその影響額を試算したもの。前提は、右側に書いてあるように、原油価格がWTIで100ドル/バレル前提で推移した場合、業績予想は60ドル半ばの数字で業績予想を立てているので、これに対して100ドルになった場合のコスト影響額が月間で100億円程度と見積もっている。

 これは主に、先ほど説明したバンカー、輸送コストの上昇、あるいは燃料のエネルギー代の上昇、各資材から物流費、こういったものの上昇、こういったものを試算したもの。

 以上が中東情勢の影響。

 

<25年度決算>

〇25年度決算(同8P)

 図表の右から3列目の年間の合計を説明。

 1番上が売上収益で、4兆5,392億円ということで、前回公表から減収。事業利益については1,353億円ということで、前回公表から▲47億円の減益。飛ばして、個別開示項目というのが▲231億円。これは、下に書いてあるが、売却益に対して、京浜土地活用の推進費、それから減損損失、こちら経費の薄板再編等を含んでいる。それから、DXの設備建設の撤去費用、こちらは倉敷の電気炉に伴う撤去費用等を含んでいる。結果として、▲231億円のマイナスとなった。

 当期利益は701億円ということで、前回公表から▲49億円の減益。

 

図表1、26/3期実績(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

〇セグメント別(同9P)

後ほどセグメント利益については説明するが、前回公表から、鉄鋼事業は▲20億円の減益、エンジニアリング事業は39億円の増益、商社事業は▲48億円の増減益となった。

 

図表2、26/3期セグメント別業績(百万円)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

 

〇連結キャッシュフロー、Debt/EBITDA倍率(同10P)

 JJSLと書いているが、これは※印に書いているように、JSW JFE Steel Ltdの略で、こちらに事業参画した。こちらの初回出資を26年3月に実施、Debt/EBITDA倍率は一時的に上昇。

 一方、D/Eレシオは59.4%と、中期目標の周辺にある。

 今後も、27年度に向けて、財務目標も、健全化を進めていく。

 

〇JFEスチール

●決算(同12P)

 これは諸元。2つ目の表の1番上、年間の部分、25年の粗鋼生産2,137万トンということで、前回見通しから▲13万トンの減。

 2つ飛ばして、鋼材輸出比率が40.8%、それから鋼材平均価格は約12万円、為替レートは150円ということで、それぞれ前回見通しから大きな変化はない。

 

●セグメント利益 増減内訳:前回今回(同13P)

 こちらは前回と今回の差ということで、セグメント利益が▲20億円の減益。この内訳が下に書いている②の数量構成、特に▲13万トン減った部分の影響が▲30億円。棚卸資産評価差として、キャリーオーバー等で▲10億円、その他はグループ会社で増益ということで、差し引き▲20億円の減益。

●24年度25年度(同14P)

 詳細説明は割愛するが、コスト削減、それから高付加価値品の拡大、またグループ会社の収益改善があったが、スプレッドの悪化、大幅な悪化と質量減の影響が、それを大きく上回り、実力収益では▲683億円の減益になった。

 

〇JFEエンジニアリング

●決算(同16P)

 受注高は、洋上風力の受注に加え、Waste to Resource分野で、受注拡大により、過去最高の8,361億円。売上収益5,997億円、4年連続の過去最高。セグメント利益は、コストダウン等による改善で、前回見通しから+39億円改善の239億円。

 

〇商事

●決算(同18P)

 セグメント利益が402億円ということで、特に、アメリカにおける回復遅延、この結果、前回見通しから▲48億円の減益。

 

<27/3期業績見通し>

〇環境(同20P)

 販売環境は、国内分野による濃淡あるが、そして25年度から横ばいを想定。建設業向けは、建設コストの上昇、人手不足から、低迷状況は継続すると見込む。それから、自動車向け、北米の関税等の影響もあり生産移管の動きも見られるが、25年度と比べてほぼ同水準になると見込む。

 海外は、アジアにおいて、足元、市況の底打ち感というのが出てきている。ただ、中国の過剰生産、それから米国をはじめとする保護主義、依然あるので、厳しい需給環境ということは変わらない。

 今後については、中東情勢を、緊張感を持って注視する必要がある。

 それから、原料使用については、鉄鉱石・原料炭とも、足元の価格水準が継続すると見込んでいる。

 粗鋼生産は、ほぼ25年度水準の2,150万トンを見込んでいる。

 

〇海外鋼材市況(同21P)

 中国は、停滞が継続しているが、足元、エネルギー価格の上昇の影響もあり、底打ち感ができている状況。それから、インド鋼材は、12月のセーフガード以降、価格水準が上がってきている。そして、米国鋼材も輸入関税の影響、需要の回復により、足元1,000ドル越えになっている状況。

 

〇26年度見通し(同22P)

 売上収益は4兆8,000億と、前年度比増収、事業利益は2,150億円、評価損除きで1,850億円と、それぞれ前年度比増益。

 金融損益は、足元の金利上昇を踏まえて400億円という状況で、結果としましてセグメント利益は1,750億円。その下の個別開示項目、150億円を入れている。

 ※印がついているが、スチールの資産を、4月から6月の間に資産売却を実行することの部分を反映させている。

 当期利益は1,500億円と、約800億円の前年度比の増益を見込んでいる。

 

図表3、27/3期業績見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

〇セグメント別(同23P)

 後ほど説明するが、各セグメントとも増収増益の見通し。

●スチール(同24P)

 前提条件として、粗鋼生産が13万トン増、それから為替レートは5円の円安という前提。セグメント利益は620億円、実力ベースでは10億円の増益で、その内訳が表下の部分。

 まず、コストの部分。こちらは26年度稼働する福山6Aコークス、それから千葉のステンレスの電気炉等の投資効果、これに加えて、他の操業改善に加えて+350億円のプラスを見込む。

 数量は、粗鋼生産の増に加えて、高付加価値品の拡大の効果、こちらで約+100億円。

 スプレッドは▲200億円。こちら冒頭説明したが、国内で1万円の値上げ、こちらの早期改善に向けた取り組みを進めている。

 また、海外市況も上期にかけて緩やかな市況回復を織り込んでいる。価格転嫁の時期のずれとか、あるいは市況回復の段差により、前年度比では依然として▲200億円。

 棚卸資産評価は、原料価格の値上がりを踏まえて+610億円のプラス。その他については、グループ会社で+160億円と、こちらは特に、海外の中でもインドのJSW自体のオーガニックグロースに加えて、今年度から事業参画するJJSL、こちらの収益取り込みが貢献。

 一方で、償却費、それから金利上昇の結果、これが上回り▲240億円のマイナスというのが内訳。

●エンジニアリング(同25P)

 洋上風力のモノパイルをはじめとする受注案件の着実な遂行ということで、増収6,200億円という売上収益、そしてセグメント利益は250億円と、増収増益を見込む。

 年間受注高は6,000億、大型案件が集中した25年度、2,300億円減少を見込むが、受注残高は、表のその下にあるが、年度末ですね、1兆2,000億ということで、引き続き高水準で推移する見通し。売上収益も過去最高を更新する見込み。

●商事(同25P)

 25年度、厳しい状況にあった米州事業が、年度後半にかけて回復する見通しであることと、国内鋼材の単価上昇を見込んで、セグメント利益は前年度比+48億円の450億円見込む。

 

<配当>

〇配当について(同27P)

 これは冒頭で説明した通り、25年度は期末40円、年間で80円、そして26年は1株当たり80円。

 その下の表に配当性向をつけているが、26年は、今の収益見通しであれば33.9%で、ほぼ配当性向30%近くに戻る見通し。

 

 JFEグループ長期ビジョン「JFEビジョン2035」、第8次中期経営計画については「JFE HD:第8次中期経営計画について」に続く。

 

<参考>

図表4、四半期別の業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

 

(IRuniverse 井上 康)

井上 康

関連カテゴリ

関連記事

新着記事

ランキング