2023年10月2~3日、国際ニッケル研究会(INSG)がポルトガルLisbonで開催され、ニッケルの2023年及び2024年の需給予測について協議が行われた。その結果、ニッケルの需給バランスについて、2023年は223千tの供給過剰、2024年は239千tの供給過剰と予測した。歴史的にニッケルの供給過剰はLMEのデリバラブル/クラスⅠニッケルにリンクしてきたが、2023年及び2024年の供給過剰の原因は主にクラスⅡニッケルとニッケル化学物質(主に硫酸ニッケル)であるとしている。
供給面では、一次ニッケル生産量は、2023年の3.417百万tから2024年は3.713百万tに増加すると予測した。インドネシアではニッケル銑鉄(NPI)生産が引き続き増加し(中国は2024年も引き続き減少)、新たなニッケル・コバルト混合水酸化物を生産するHPALプラント生産増加に伴い、NPIニッケルマットへの転換もさらに進むとしている。
需要面では、一次ニッケル消費量は、2023年の3.195百万tから2024年は3.474百万tに増加すると予測した。ステンレス部門は2023年下半期に回復し、2024年には電気自動車(EV)バッテリー向けにニッケル使用量がさらに増加するとしている。
(IRUNIVERSE/MIRU)