出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:木藤 俊一)の子会社である出光アドバンスドマテリアルズ(マレーシア)(社長:石和 秀紀)は、マレーシアのジョホール州パシルグダン に第 2 SPS(シンジオタクチックポリスチレン)製造装置を新設し、2023 年 11 月に商業運転を開始した。
同装置の生産能力は 9 千 t/年で、第 2 SPS 装置が稼働することで同社の独自素材である SPS 樹脂の生産規模は 2 倍になる。千葉事業所(所在地:千葉県市原市、所長:秋谷 博志)内にある第 1 SPS 装置との2 拠点体制になることで、より安定した生産・供給体制が実現した。
SPS 樹脂は、1985 年に当社が世界で初めて合成に成功し、1997 年に世界で初めて商業化を達成した純 国産のエンジニアリングプラスチック。耐熱性(融点270°C)・耐熱水性・絶縁性・電波透過性に優れ、電気自動車を含む自動車関連部品、家電や食器・電子レンジ調理容器などの日用品等に広く採用され、需要が拡大している。
第2SPS 製造装置の建設地であるマレーシアのパシルグダンは、同社の石油化学製品の重要な製造拠点の一つ。需要の拡大が見込まれる東南アジアに位置し、隣接する同社子会社の出光SMマレーシア (社長:荒尾 友紀)から SPS の原料である SM(スチレンモノマー)の調達が可能で、パシルグダン内で一貫 した生産体制が実現できることから同地での建設を進めてきた。今後、第 1 SPS 製造装置との 2 拠点体制により供給の最適化を図るとともに、販売拡大に向けた取り組みを強化する。
(IR universe rr)