低濃度領域への適用を拡大
日本酸素ホールディングスグループの日本産業ガス事業会社である大陽日酸株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:永田 研二)は、3月12日、東邦ガス株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:山碕 聡志)と、両社が保有するCO2分離回収技術を組み合わせた一体型システムの開発に関する提携を開始すると発表した。提携を通じて、従来は対応が難しかった低濃度領域からのCO₂回収を可能とし、多様な排出源に適用可能なCO₂回収ソリューションの拡充を目指す。
1.概要
同提携では、東邦ガスが開発を進める「低濃度のCO₂を中濃度(約20~40%)まで濃縮する膜分離装置」と、同社が実用化している「中濃度のCO₂から高濃度CO₂を回収するPSA 方式のCO₂回収装置」を組み合わせることで、原料CO2濃度が従来よりも低い5%~20%の領域においても高濃度でのCO2 の回収を可能とするシステムの製品化を進める。
2.提携の背景
同社は、石灰焼成炉などのCO2 排出源(濃度20~40%)を対象に、PSA 方式でCO2 を回収する装置を上市し、その後、適用可能な原料CO2 濃度範囲を20~60%に拡大するなど、産業界の脱炭素ニーズに応えるソリューションを提供してきた。発表以降、CO2濃度が20%未満の排出源を有する顧客からも、多数の問合せ・引き合いがあり、より低濃度の排出ガスに対応した新たなシステムへの期待が高まっていた。
一方、東邦ガスは、ボイラ排ガスなどに含まれる低濃度のCO2 を20~40%の中濃度まで濃縮可能な膜分離装置(分離膜モジュールおよび周辺機器・前処理機器等)の開発を進めている。
今回の提携では、東邦ガスの膜分離装置で、低濃度(約5~20%)のCO₂を中濃度(約20~40%)まで効率的に濃縮し、続いて、同社のPSA 方式CO₂回収装置により、その中濃度のCO₂から高濃度のCO₂を回収する、という二段階プロセスを構築する。
3.今後の展開
同社は、東邦ガスとの協働を通じて、CO₂濃度5%~60%という幅広い排出源を対象とした新たなCO₂回収システムの実現とともに、実機条件での性能検証や運転データの収集を行い、低濃度排ガス向けCO₂回収システムの早期実用化を目指す。
また、同社は産業ガスメーカーとして長年培ってきた技術と実績をベースに、顧客のCO2排出特性に合わせた最適な回収システムを提案し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献して行く。

(IR universe rr)