マイクロ波化学株式会社は、4月24日、マイクロ波を利用した金属製錬/鉱山プロセスにおける鉱石の高温焼成・反応に対応可能な標準ベンチ装置を2024年3月に大阪事業所(大阪市住之江区)に完工したと発表した。

金属製錬/鉱山プロセス標準ベンチ装置
■標準ベンチ装置について
金属製錬プロセスにおける鉱石の煆焼・焼成・還元など、従来工程で化石燃料を燃焼し大量のCO2を排出する工程を、電気で発生するマイクロ波プロセスに置き換えた昇温装置であり、CO2排出量削減及び熱効率改善を企図して開発された。同装置は同社独自で開発をしているため、今後あらゆるプロジェクトへ展開可能。主な特徴は以下の3点。
• 様々な鉱石を対象として処理することが可能
• 還元・煆焼・焼成・乾燥など幅広い工程に適用
• CO2排出量の大幅な削減、及び熱効率改善による省エネルギー化を実現
■開発の背景
リチウム・ニッケルの製錬や製鉄に代表されるように、金属製錬及び鉱山業界は大量の化石燃料を消費、CO2を排出しており、その削減が急務となっている。そこで同社は、製錬/鉱山領域のマイクロ波による電化を同社カーボンニュートラル事業戦略において最重点事業と位置付け、鉱山プロセス開発に向けたマイクロ波技術プラットフォーム“Green Mining-MX”を構築している。
同社はこのような状況を背景に、1000℃の高温条件下でも連続的に稼働できる新しい標準ベンチ装置の開発に注力してきた。

Green Mining-MXTMロゴ
■今後の展開
同装置は既に運転を開始しており、複数の鉱石を対象とした昇温試験を進めている。同装置を活用することにより初期検討の時間を短縮することができ、プロジェクトが加速することが期待される。
今後、製錬/鉱山領域におけるマイクロ波プロセスの社会実装に向けて、同装置を用いた実証開発を継続していくという。
(IR universe rr)