あなたの予想も木っ端微塵に壊れましたね、と最近言われることが多い。
それもそのはず、自信満々で鉄スクラップは年内5万円割れすることはない、と何度も言い切っていたわけなので。。
→ Fe Scrap Watch2024#7 やはり鉄スクラップは5万円以下にまでは下がらない
ただ、前提として為替の急速な円高がなければ、と一言添えていたので(*それも予想に入れとくべきでしょう、と言われたらそれまでですが)、不可抗力といえば不可抗力。。しかし、いずれにしてもこの1週間で相場情勢は大きく変化した。
まずは下図を見てもらいたい。
(最近3か月の為替相場(青色)と日経平均株価(赤色)の推移

為替は7月11日の162円から8月5日は146円と16円もの円高になっている。
さらに凄まじいのは日経平均株価で、同じく7月11日は42,224円だったのが5日の終値は31,458円と実に10,766円という歴史的な暴落ぶりをみせた。Terrible!
なんだかんだ言っても、為替は円安、のほうが日本経済にとっては良かったのだろう。
そして、われらが鉄スクラップもこの円高とともに続落に続落を重ねている。
東鉄岡山H2価格は7月11日のトン当たり51,000円から8月5日は47,500円まで下落。
ベトナムの輸入スクラップ価格も足元はHMSでトン380~390ドル、H2なら340~350ドル。350ドルとして、為替144円で50,400円(ベトナム着値)。ということは日本からの出荷価格から計算すると、輸出シッパーはトン45,000~46,000円でスクラップを購入しないと合わない、ということになる。
東鉄もあくまで輸出対抗の価格は出し続けるという方針は変わっていないが、輸出価格が下がっていることで、彼らの(東鉄の)買値も下げこんでいる。
ある大手輸出シッパーは
「なんとか東鉄をぎゃふんと言わせたい」と鼻息が荒い。
実際、ここまで下がれば、一方で「買い」も出てこよう。世界はスクラップというリサイクル材を欲している。下がれば「買い」。基本的にスクラップの発生は悪い。
(為替相場(円ドルTTS)と東鉄岡山海上H2価格(¥/ton)の推移)

(為替相場とベトナム輸入スクラップ価格(HMSベース CFR $/ton)の推移)

ということで次の新たな予想としては下がって45,000円乃至は44,000円。
ここまで下がったら仕込みの買いが入って自然に反発する、のが9月になってから、と新予想を提示したい。
(IRUNIVERSE YT)