豪州のクイーンズランド(QLD)州ではこのたび、州政府とスマート・エネルギー業界のための独立機関Smart Energy Councilの提携のもと、ソーラーパネルのリサイクル、再利用、回収のパイロットプログラムを正式に開始した。大手リサイクル、リユース企業、ソーラー産業企業であるRexel、Resolarcycle、Solar Shiftなどが参加しており、また、このプログラムを展開させるにあたって、Smart Energy Councilは各地方議会と緊密に協力しているという。
ソーラーパネル・スチュワードシップ・プログラムと呼ばれるこのプログラム自体は今年初めに発表されたもので、州全域でソーラーパネルのリサイクルの実現を目指す。8月末時点で6ヶ所のパネル回収場所が確定しており、近日中にさらなる発表を経て合計15カ所の場所が公開される予定。州の広範囲がカバーされることになると書かれている。
さらに、中心部から遠い地域に関しては、地方議会が各家庭のパネルを回収しにいく“legacy run”と名付けられた試みも二つほど計画されている。そしてこの回収の対象には、在庫を抱える設置業者や輸入業者も含まれているという。
エネルギーおよびクリーンエコノミー担当Mick de Brenni大臣は、屋根上太陽光発電の普及だけではなく今度はそのシステムのリサイクルにおいても先頭を走っているとしてQLD州を高く評価。「ソーラーパネルが再生可能エネルギーを作るだけでなく、今やソーラーパネル自体が再生可能となった」と指摘する同氏は、「古くなったソーラーパネルを貴重な資源に変えることで、同州が循環型経済の活性化、雇用と技術革新、そしてよりクリーンな未来の構築に貢献していくことになる」と期待を寄せている。
Smart Energy CouncilのCEO、John Grimes氏も、この取り組みに期待している一人。同氏によれば、すでに5社以上のリサイクル企業がQLD州での市場参入を表明しているそうで、同州は急速に国の循環経済ホットスポットとなりつつあるのだそう。
なお、このプログラムには将来的な計画もあり、全国的なスチュワードシップ・スキームの創設に反映されることが期待されている。
(IRUNIVERSE A.C.)