チタン系の相場が下降した一方、ニッケルを原料に含む多くのアイテムで5~10円ほどのプラスとなった。ただし、為替相場が円高に推移すれば、来月には相殺される可能性も高い。チタン系は依然としてロシア産の安価なフェロチタンの流入の影響が続く。どの価格帯で底打つかが注目される。

【チタン】
・純チタン板スクラップ(新断)「⤵」:250~270円/kg。前月から30円下げ
・合金6-4チタンダライ粉「⤵」:60~80円/kg。前月から10円下げ
・合金6-4チタンスクラップ「⤵」:110~120円/kg。前月から10円下げ
・フェロチタン「⤵」:実勢はキロ当たり4.7ドル/kg前後。前月から約0.1ドルの下げ
チタン系の下落傾向は変わらず、10~30円の下げをみせた。依然としてロシア産の安価なフェロチタンの流入の影響により原料のチタンスクラップが在庫過多となっていることが影響しているとみられる。流通筋によれば、今後も下落傾向が続く可能性が高いという。

【工具類】
・ダイス鋼MIX「→」:20円/kg。前月から横ばい
・SKD61「→」:50円/kg。前月から横ばい
・ハイス(ミックス)「⤴」:400~430円。前月から30円の上げ
・ハイス(一品もの)「⤴」:320~350円。前月から30円の上げ
・超硬スクラップ「⤴」:3400~3800円。前月から300円の上げ
ダイス鋼やSKD61がふたたび横ばい傾向に戻った一方で、ハイスは今年4月ぶりの上昇となった。中国での需要増が価格変動に影響しているとみられる。超硬スクラップも7月上旬からの上げ基調が続いている。
【モリブデン系】
・酸化モリブデン「⤴」:前月から約1.6ドル上昇し、仲値は23.7ドル
・フェロモリブデン「⤴」: 前月から約4.5ドル上昇し、仲値は55.75ドル。
・モリブデン新切れスクラップ「⤴」:3550~4550円/kg。前月から200円上げ
酸化モリブデン、フェロモリブデンともに上昇トレンドが続いている。酸化モリブデンは6月中旬から高騰しており、年内では最高水準となっている。超硬スクラップ同様に直近の変化に注意する必要がある。モリブデン新切れスクラップもそれらの後を追う形で200円の上げとなった。
【タンタル】
・タンタライト「⤵」:83~85ドル/lb。前月から4ドルの下げ
・金属タンタル「⤵」:320~330ドル/kg。前月から5ドルの下げ
・五酸化タンタル「⤵」:245~260ドル/kg。仲値は前月から2.5ドルの下げ
・タンタルスクラップPIN「→」:高値29000円/kg、安値27000円/kg。前月から横ばい
・タンタルターゲットスクラップ「→」:22000円/kg前後。前月から横ばい
タンタライトは5月後半からの下降トレンドが依然として続いている。ただし、今年1月の水準(76~78ドル)までには下がっておらず、底打ちがいつになるかを注視していきたい。金属タンタルは下降に転じ、6月の水準に戻った。
【ステンレス 、耐熱系】
・SUS304「⤴」:140~150円。前月から5円の上げ
・SUS310「⤴」:365円/kg前後。前月から5円の上げ
・SUS316「⤴」:225~275円。前月から5円の上げ
・SUS330「⤴」:480~530円/kg。前月から5円の上げ
・SUS430「→」:66~74円/kg。前月から横ばい
ステンレス 、耐熱系は多くのアイテムで5円の上げとなった。ニッケル相場と連動した形で若干のプラスとなった。ただし、直近の為替相場が円高気味に推移していることから、来月は今月の上げが中和される可能性も高い。
【ハイニッケル合金系】
・42アロイスクラップ「⤴」:615~675円/kg。前月から5円の上げ
・インコネル718「⤴」:615~855円/kg。前月から5円の上げ
・インコネル625「⤴」:885~985円/kg。前月から5円の上げ
・インコロイ800「⤴」:450~490円/kg。前月から5円の上げ
・ハステロイX「⤴」: 655~735円/kg。前月から5円の上げ
・ハステロイC「⤴」: 785~885円/kg。前月から5円の上げ
ハイニッケル合金系はすべてのアイテムで5円の上げとなった。ステンレス系と同様に。今回の上昇分に関してはニッケル相場の変動によるもので為替相場の影響はほぼないとのこと。流通関係者によれば、国内メーカーからの需要も変化はなく、モノが入れば売れる状態にあるという。

【その他】
・キュプロニッケル(9/1)「⤴」:635~705円/kg。前月から5円の上げ
・キュプロニッケル(7/3)「⤴」:730~770円/kg。前月から5円の上げ
・コバール「⤴」:305~365円/kg。前月から5円の上げ
・カーペンター「⤴」:305~365円。前月から5円の上げ
・ステライト(Co50%他)「⤴」:450円前後。前月から横ばい
ステライト以外は5円の上げとなった。ニッケルや銅、コバルトなどの原料相場変動の影響を受けた。コバールは年内での最高水準。昨年の10~11月頃の価格帯に戻った。
(IRuniverse)