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豪メタリウム、米国防省との関係強める スクラップからのガリウム抽出技術に支援獲得

2025/09/05 18:02
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 オーストラリアの資源大手メタリウム(旧MTM)は9月4日、上場するオーストラリア証券取引所(ASX)で、「米国防省(DoD)の元高官を経営陣に迎える」と発表した。同社は9月2日に、「米子会社がLEDスクラップからガリウムやゲルマニウムを抽出する技術でDoDと契約した」と発表したばかり。重要鉱物を巡り米国の軍事当局との関係を深めている。

 

 

■日米関連の防衛経験者を起用

プレスリリース:ASX:MTM - Ex-U.S. Dep. Assistant Secretary of Defense Joins Adv. Board

 メタリウムは7月に社名をMTMから変更した。今回の発表によれば、メタリウムは、元米国防次官兼宇宙政策担当主任局長だったトラヴィス・ラングスター氏を、米国で展開する完全子会社のフラッシュ・メタルズの諮問委員会メンバーとして迎えた。ラングスター氏は半導体の知識に加え、日本や台湾を中心としたアジア圏と米国との防衛関係について経験があるという。

 

■LEDからガリウムやゲルマニウム 6月にはアンチモン抽出

 

プレスリリース:ASX:MTM - Metallium Awarded U.S. DoD SBIR Phase I Contract for Gallium

 

 一方、メタリウムはフラッシュ・メタルズを巡って、DoDから第1弾として10万豪ドル(約6万5200ドル、970万円)相当の中小企業イノベーション研究(SBIR)契約を受注したと発表した。受注規模は第2弾に100万米ドル以上、第3弾に1000万-1億米ドルと膨らむ可能性がある。

 メタリウムはLEDスクラップを含む廃棄物からガリウムを抽出する独自のフラッシュジュール(FJH)プロセス技術を持ち、支援金はこの技術に適用される。抽出される鉱物にはゲルマニウムやその他の金属も含まれる。

 フラッシュ・メタルズは米テキサス州に工場を所有する。この工場はもともと、FJHの技術を使って食品廃棄物などからグラフェンを製造していた。Mining.comの9月2日の報道によると、同社は近年、電子廃棄物からロジウムやパラジウム、金、銀などを抽出・生産するようになった。メタリウムは6月には、電子廃棄物からの高品位アンチモンの抽出を発表していた。

 

関連記事:豪MTM、電子廃棄物から高品位アンチモン抽出 米国で、スクラップ利用広がるか | MIRU

 

(IR Universe Kure)

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