シリーズ2回目となる中国企業は、多くが8月31日までに2025年1-6月期決算を発表した。製品価格の下落が続く鉄鋼とリチウムは業績が低迷したものの、赤字額が縮小したり黒字転換したりした企業も多く、最悪期は脱した印象だ。金相場の急伸を背景に金鉱企業は大幅増益となった。
中国資源大手の2025年6月期決算概要
(注)名称は本文も含め通称。通貨単位は億。五鉱資源は米ドル、他は人民元。数字の端数は四捨五入。▲は赤字。
鉄鋼は最大手の宝鋼が増益を確保したほかは、大手2社がそろって最終赤字となった。リチウムもガンフォンリチウムが赤字を継続。ただ、3社はともに赤字額が前年同期から縮小し、天斉リチウムは黒字転換を果たした。
一方、金鉱は紫金鉱業と五鉱資源がともに好調だった。五鉱資源は海外資産が多く米ドル建て決算で為替差益も受けた。レアアースの中国北方稀土(集団)高科技は20倍の大幅増益。中国のレアアース輸出規制が海外でのレアアース価格の高騰を誘い、中国国内価格も連れて値上がりした。コバルトの2社も増益を確保した。
厦門タングステンは増収減益となった。期間内は銅価格が伸び悩み、江西銅業は前年の好調の反動が出てさえない結果となった。
(IR Universe Kure)