資源大手BHPビリトンが、西オーストラリア州のニッケル事業売却に向け、金融大手UBSとマッコーリー・キャピタルを助言役に起用したと報じられている。
BHPは今年7月、総額9億4,200万米ドル規模のタンザニア・カバンガニッケルプロジェクトから撤退し、共同開発先のライフゾーン・メタルズに持分を最大8,300万米ドルで譲渡したばかり。今回の豪州事業売却検討は、同社のニッケル事業全体の縮小戦略を示す動きとみられる。
買い手候補にアジア勢や豪州中堅も
市場関係者の間では、買い手候補として中国や韓国の資源大手に加え、インドネシアのニッケル精錬事業者が取り沙汰されている。電池サプライチェーンを強化したいアジア勢にとって、豪州資産は地政学的リスクの分散にもつながる。一方、国内では豪州中堅鉱山会社やプライベートエクイティ(PE)ファンドの参入も可能性として浮上している。
豪州経済への影響
BHPの撤退で短期的には雇用への懸念が強まる一方、新たな投資家による事業再開や増産の余地も残されている。豪州政府としてもEV関連資源の供給網確保を重視しており、売却の行方は政策面でも注視される見通しだ。
(IRuniverse RS)