説明会に登壇した鹿野プロデューサー
電子情報技術産業協会(JEITA)は11日、都内で「CEATEC2025報道関係者説明会」を開催した。今回の見どころの一つである「AXパーク」エリアでは、研究機関からスタートアップまで多様な出展者が集い、AIの最新技術と社会実装の取り組みを紹介。特設ステージでは生成AIや産業AIなど幅広い分野のセッションを連日開催する。
AXとは「AI transformation」の略。企業や団体がAI(人工知能)を導入し、ビジネスモデルを革新する取り組みを指す。CEATECエグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏は当日の説明の中で、「(AIの)実用価値はどんどん膨れ上がっている」としたうえで、AI分野の主要企業だけでなく、スタートアップや研究機関のブースも充実していると説明した。また、AXパークについての質問が挙がった際には、企業の雇用業務においてもAIが積極的に導入されていることに触れ、「企業のビジネスを支える新しい切り口」と強調した。
一方、AI製品やAIサービスを提供するためにはデータセンターやそれを稼働するための電力の確保も重要な課題であると警鐘を鳴らした。CEATEC2025ではAI業界の発展を支える技術についても紹介されるとのことだ。
CEATECは国内最大級のデジタルイノベーション総合展。今年は10月14日~17日にかけて幕張メッセで開催する。テーマは「Innovation for All」。経済発展と社会課題の解決を両立する「Society 5.0」の実現を目指し、あらゆる産業、業種と技術・情報が集い、「共創」によって未来を描く。
海洋産業の未来へ
テーマが意味する通り、対象の分野や業界の枠を広げる試みが多い。昨年の同展示会で好評を博した「海洋DXパビリオン」については規模を大幅に拡充。「海洋デジタル社会パビリオン」として、 12 社・団体の事業者とともに展開する。「作業を変える」「育て方を変える」「働き方を変える」という 3 つのテーマを軸にしつつ、昨年も展示した水中ドローンのほか、スマート水産・養殖の事業者も新たに加わり、海洋産業の未来を共創する最新技術とソリューションを紹介する。海洋産業が直面する担い手不足や環境問題といった社会課題の解決と、経済安全保障にも寄与する食料の安定供給を目指す。
同パビリオンの担当者によれば、「産学官連携」も欠かせない要素であるという。ながさきBLUE エコノミー(長崎大学)は養殖のDX化を、北海道大学水産学部は海のSDGs(持続可能な開発目標)の重要性を訴求する。

(IRuniverse K.Kuribara)