2025年10月のタングステン市場は急騰を続けている。ベンチマークであるングステンAPTの国際価格は10月23日に高値$685/MTUを付け、未踏の$700達成が視野に入ってきた。年初($340)からの上昇率は2倍を超えた。10月前半まで軟調だった中国の鉱石価格が反発し、再びすべての形状で上げ足を速めている。
過去3か月間のタングステンAPT価格の推移(EU Free market)($/MTU)
タングステンAPTは10月23日に仲値では$642.5を付けた。7月に過去最高値圏に上げてからほぼ一本調子で上昇している。
過去3か月間の中国のタングステン鉱石価格の推移(WO3 65%) (RMB/mt)
一方、中国の国内価格はやや違った動きを見せていた。中国のタングステン鉱石価格は9月11日-17日に付けたRMB28万4000をピークに、10月前半まで下落基調だった。ただ、その後は再び上昇に転じ、10月23日にはRMB27万8000/mtに再び値上がりした。
背景にあるのは中国のタングステン輸出の鈍化だ。中国税関総署が10月18日に発表した9月の貿易統計月報によると、同国の9月のタングステンの輸出量は1092トンと前年同月比16.9%減少し、増減率は8月の23.1%増から減少に転じた。
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中国のタングステン輸出は6-8月までは回復基調だった。再び審査が滞っている可能性があり、世界への供給量が細るとの懸念が広がっている。
■APT派と中国鉱石派に二分
中国内外の価格動向の違いを受け、形状別にAPTに追随するものと中国鉱石価格に追随するものが分かれた。まず、APTと同じく一本調子で上り続けているのは国際鉱石価格と酸化タングステンだ。
過去3か月間の国際タングステン鉱石価格の推移(WO3 65%) ($/MTU)
過去3か月間の酸化タングステン価格の推移(Wo3 99.99%min FOB China)($/MTU)
一方、タングステンカーバイドとタングステンバーは中国鉱石価格に追随した値動きとなった。
過去3ヵ月間の炭化タングステン価格の推移(99.7%min 2.5-7.0um Fob China)($/kg)
過去3か月間のタングステンバー価格の推移(w-4 99.9% China)($/kg)
■フェロタングステンとスクラップはもみ合い
過去3か月間のフェロタングステン価格の推移($/kg)
過去3か月間の純タングステンスクラップ価格の推移(99% of Japan)($/kg)
フェロタングステンと日本のタングステンスクラップは両者の中間的な動き。どちらも$80/kgを挟む水準でもみ合っている。ただバージンの供給が細る中、スクラップも先高観は根強い。
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9月15-18日
タングステンの業界団体である国際タングステン産業協会(International Tungsten Industry Association )は9月15-18日、フィンランドで、年次総会「The 38th Annual General Meeting (ITIA2025)」を開催した。
(IR Universe Kure)