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インドネシア、ダイビングの名所でのニッケル採掘認可 政府監視が条件、一時中止も再開

2025/09/16 19:10
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インドネシア、ダイビングの名所でのニッケル採掘認可 政府監視が条件、一時中止も再開

 インドネシアの現地紙コンタンは9月15日、同国のエネルギー鉱物資源省(ESDM)が、「資源大手アネカ・タンバン(アンタム)の傘下企業がパプア州ラジャアンパット諸島でニッケル採掘を始めた」と明かしたと伝えた。この地域は世界的ダイビングスポット。採掘には環境保護団体などから抗議があり、インドネシア政府の采配に注目が集まっていた。

■6月に開始も抗議で中止、9月に再開

 

 報道によると、採掘を請け負うのはアンタム傘下のギャグ・ニッケル(PT Gag Nickel)で、9月3日から操業を開始した。ギャグ・ニッケルは6月に一度採掘を始めたが環境保護団体の抗議を受けて中止し、今回、当局の監視の下で採掘を再開した。6月の中止については米ブルームバーグ通信が当時報じ、この件は世界的に注目を集めていた。

 

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■難しい環境保護との両立 「ナスカの地上絵」も

 鉱物の採掘が環境保護問題と対立することはよくある。特に気候変動が世界的に注目される昨今、環境破壊に対する目は厳しい。インドネシアは最近、中国の青山集団のニッケル採掘に注意を促した。ペルーでは世界遺産の「ナスカの地上絵」に採掘の影響が及ぶとの懸念が出ている。

 

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  インドネシアにとってニッケルは国家的な推進事業だ。ペルーの金採掘は高騰する金価格に伴う違法採掘の横行も背景にある。現地の政府にとって採掘抑制は経済的な痛手になる上、必ずしもコントロールしきれない部分があり、悩ましい問題となっている。

 

(IR Universe Kure)

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