
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太)は、9月30日、日本郵船株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:曽我 貴也)に対し、低炭素メタノール燃料(※1)を販売し、9月28日韓国・蔚山港において、同社グループのNYKバルク・プロジェクト株式会社が定期傭船するメタノール二元燃料ばら積み船(※2)「Green Future」向けに、Ship to Ship(以下「STS」)方式(※3)による供給を実施したと発表した。

海運業界は世界の温室効果ガス(Greenhouse Gas, 以下「GHG」)排出の一定割合を占め、世界経済の拡大に伴う貨物量増加が見込まれる中、船舶燃料の低炭素化は喫緊の課題だ。国際海事機関(IMO)はGHG削減戦略を掲げ、2050年頃までに国際海運からのGHGの排出をネットゼロにするという目標の実現に取り組んでいる。日本政府も2030年に2013年比GHG46%削減、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指し、代替燃料の導入を後押ししている。
伊藤忠商事が今回供給した低炭素メタノール燃料は、バイオマス由来の原料から製造されており、従来燃料に比べてライフサイクルでのGHG削減が期待される。またメタノール燃料は常温常圧で液体であることから既存インフラの活用が比較的容易であり、二元燃料船とあわせ将来的な普及が見込まれている。今回の取組を契機に、海運分野における代替低炭素燃料サプライチェーンの構築と、実需に根差したエネルギートランジションを加速していく。 伊藤忠商事は、経営方針「The Brand-new Deal~利は川下にあり~」を掲げ、市場・社会等のあらゆるステークホールダーの声に耳を傾けながら、「SDGsへの貢献・取組強化」を推進していく。
* ※1低炭素メタノール燃料
重油等の従来の化石燃料に比べて炭素排出量を大幅に削減できるメタノール燃料
* ※2メタノール二元燃料船
メタノールと重油の両方を燃料として使える二元燃料主機関を搭載した船
* ※3Ship to Ship方式
着岸中または錨泊中の船舶に横付け(接舷)したバンカリング船からホースを繋いで直接燃料を供給する方法
(IR universe rr)