中国人民銀行は10月7日、金融統計を更新した。それによると、9月の外貨準備のうち金は7406オンスで、8月の7402オンスから4オンス増加した。買い増しは2024年11月から11カ月連続。2024年末(7329オンス)からは9か月間で1.05%増えたことになり、足元の国際金相場の上昇に一役買っている。
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中国の外貨準備の推移と内訳
(出所:中国人民銀行)
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金価格は10月7日に$4004.4/tozと、初めて$4000に乗せた。上昇の要因には地域紛争の長期化に伴う安全資産買いのほか、米政治や政策の混乱を背景としたドル離れがある。特に中国やロシアなど米国に敵対する国を中心に、外貨準備をドル資産から金に移す流れが進んでいる。金融アナリストの川上敦氏が8月に開いたオンラインセミナーでも、新興国の金買いが指摘された。
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野村証券金融経済研究所経済調査部コモディティ調査の高島雄貴エコノミストも10月初め、IR Universeの取材に対し、「中国やカナダ、アゼルバイジャンなど各国の中央銀行が安全資産的位置づけとして金を買い増す傾向が顕著になっている」と指摘していた。足元では金のほか、ビットコインも過去最高値圏に上昇している。ドル離れが金をはじめとした他の資産にどう影響していくか、見極める必要がある。
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(IR Universe Kure)