Loading...

元大同特殊鋼 鈴木昭弘氏、功労賞受賞講演 第5回日本チタン学会講演大会にて

2025/10/17 11:05 FREE
文字サイズ
元大同特殊鋼 鈴木昭弘氏、功労賞受賞講演 第5回日本チタン学会講演大会にて

2025年10月9日(木)9:00~10日(金)12:00に、新潟県上越市、直江津学びの交流館で開催された、日本チタン学会・日本チタン協会産学連携委員会共同主催第5回日本チタン学会 講演大会(2025年度)に、報道枠として参加させていただいた。初日の午後には、日本チタン学会初の功労賞授賞式が開催された。日本チタン学会第1回目の功労賞の受賞者は、元大同特殊鋼 鈴木昭弘氏、及び神戸製鋼所 逸見義男氏の2名となった。

 

第5回日本チタン学会講演大会の会場は直江津にある直江津学びの交流館が会場となった。

筆者は前日の10月8日の夕方、東京駅からはくたかに乗って、上越妙高(途中停車駅:上野・大宮・軽井沢・佐久平・上田・長野・飯山)に到着した。その後、上越妙高からは、えちごトキめき鉄道に乗り換えた。

Suicaが使えなかったので、あわてて、切符を購入。一本乗り遅れると、1時間後となってしまう。えちごトキめき妙高はねうまライン(途中停車駅:南高田・高田・春日山)に乗車して直江津に到着。

直江津駅に着いてみると、 通路には大きな丸窓がある、おしゃれな駅だった。町なか水族館の記載があったので、水族館をイメージ?と思ったが、調べてみると、現在の駅舎は豪華客船「飛鳥」をモチーフとしているとのこと。

 

 

直江津駅は、 えちごトキめき鉄道の妙高はねうまラインと、日本海ひすいラインの終点であり、JR東日本の信越本線においては新潟県内区間の起点となる。 

駅舎構内から多くの側線が広がっているのを見ることができる。下記は、丸窓から見た景色である。

 

筆者は、ホテルハイマートに宿泊。ホテルハイマートの駅弁が美味しいと聞いていた。

初日10月9日のお昼に鱈めしを買ってみた。 会場の直江津学びの交流館は、ホテルハイマートのすぐ裏にあるので、パソコンの充電をしながら、部屋で食べてみると、本当に美味しかった。

10日のお昼にも購入して、家まで持ち帰った。 上越妙高の駅でも売っていた。朝、東京駅の「駅弁屋 祭」で捜してみた時は、無かったので、聞いてみると、東京駅に着くのは午後2時頃とのこと。是非、捜してみてください。

 

10月9日は、昼食後、ポスター発表があり、その後、功労賞受賞式が開催された。

<功労賞 受賞式・受賞講演>

10月9日14:55から、チタン学会では初となる功労賞の受賞式が開催された。

日本チタン学会第1回目の功労賞の受賞者は、元大同特殊鋼 鈴木昭弘氏、及び神戸製鋼所 逸見義男氏の2名となった。選考委員による厳選なる審査を経て、理事会の承認を得て受賞者が決定された。

このチタン学会の功労賞の主旨は、チタン産業界の発展のために長年に渡って開発・導入を進めてこられ、その貢献が極めて顕著であること、且つ、チタン学会活動においても長年に渡って積極的に参加いただき、本学会の発展に顕著な貢献をされた方に授与するとした。

授賞式の様子

 

チタン学会会長 新家先生より、長年のチタン業界でご功績及びチタン学会への貢献の感謝が述べられた。

受賞は、元大同特殊鋼の鈴木昭弘氏(2025年9月30日にマイスターとしての延長も終え、大同特殊鋼を完全に退職された。)。

 

神戸製鋼所 逸見義男氏はご欠席のため、田村圭太郎氏(神戸製鋼所)が代理で受賞された(下の写真)。

神戸製鋼所 逸見義男氏の代理で田村圭太郎氏が受賞

<受賞講演>

受賞講演をされる、元大同特殊鋼 鈴木昭弘氏

 

<鈴木氏の経歴>

鈴木氏は1985年に大同特殊鋼の当時の中央研究所、現在の技術開発研究所に配属となり、チタン合金の検討を開始された。

1985年の入社以来、約40年間チタンに携われた功績を持つ。

午前中に基調講演をされた日本製鉄の國枝氏も同様であったが、鉄鋼会社に入社して以来、鉄鋼に携わることなくチタンに専念できることに驚いた。

鈴木氏は、日本チタン協会においては、2003年から技術委員、2008年からチタン誌の編集委員、2009年から産学連携委員を務められ、

日本チタン学会においては、創立の2021年~2024年まで理事、チタン学会誌の編集委員を務められた。

 

<講演概要>

めがねフレーム用、ゴルフクラブ用及びエンジンバルブ用のチタン合金を取り上げて、チタンとの関わりを紹介された。

・チタン合金 Ti-22V-4Al(DAT51):めがね用

入社後、すぐに開発検討されたのが、めがね用のチタン合金。当時は純チタンが使用されていた。

眼鏡用に冷間成形性にすぐれたチタン合金 Ti-22V-4Al(DAT51)を開発された。純Ti同等の成形性を示した。

下記文献に、各社の開発状況が示されていたので、参考に示す。表2 日本で開発された代表的なβ型チタン合金

β型チタン合金の高強度・工靭性化の展開 新家光男東北大学名誉教授

193.pdf

 

・ゴルフ用強靭チタン合金 Ti-15V-6Cr-4Al(DAT55G)

遠くへまっすぐ飛ばす ゴルフ用強靭チタンの開発においては、Crで固溶強化を図った。

2007年頃までは需要があったが、その後飛びすぎゴルフクラブの反発力の規制により、販売しずらくなったとのこと。

 

 

・耐熱合金 DAT62M、

     DAT54:Ti-5.8Al-4.0Sn-3.5Zr-2.8Mo-0.7Nb-0.35S-0.06C

エンジンバルブへの適用  針状組織により800℃での強度を確保した。

 

最後に、

40年間チタンに携わってきた。ゴルフクラブ、めがねフレームを通じて、チタンが一般の皆様にも 周知されつつあるが、製品重量の単価が高いので、それを如何に安くするかが、今後の課題とされた。

 

 

 

<コーヒーブレイク>

 

今回の開催では、残念ながら、前日10月8日(水)に予定されていた、日本製鉄株式会社東日本製鉄所直江津地区の見学会は、9月3日に上越市で発生した集中豪雨の影響により工場が冠水し、復旧に1か月以上を要する見通しとなったため、中止となった。

そこで、直江津、上越市について簡単に紹介する。

港町直江津エリア:浄土真宗の開祖 親鸞聖人の上陸の地(居多ヶ浜)。承元元年(1207年)、専修念仏の弾圧を受け、京都から越後国府(上越市)に流罪となった。時に親鸞35歳。親鸞はここで42歳まで過ごした。

 

直江津駅から徒歩で行けるのが上越市立水族博物館「うみがたり」である。

「うみがたり」の最上階では、日本海が広がり、大水槽上部の水面と日本海の水平線が重なり合う空間で、日本海の雄大さを感じることができる。

平日だったので、貸し切り状態で、ゆっくりと日本海を眺めることができた。静かな海だった。

 

 

春日山エリア:戦国の世を駆け抜けた上杉信玄公のふるさと。

城下町 高田エリア:高田城址には約4,000本の桜が咲き誇る。春には高田城址百万人観桜会が開催され、日本最大夜桜の1つに数えられている。

上越市立歴史博物館:最寄り駅 えちごトキめき鉄道高田駅下車、高田駅前案内所からバスで「西城町1丁目」降車 徒歩5分、高田城址公園内にある

・常設展示:越後の都では、高田城のバーチャルリアリティー映像がみられ、地域の歴史の掘り起こし研究を推し進めている。 東洋一と称される高田城公園の内堀では、高田城址観蓮会も開催されている。

前島記念館:駅から車で約15分、バスでは三王下車徒歩5分 日本近代郵便の父、前島密の生まれた上野家の屋敷跡に建てられている。そういえば、1円切手で見た人だった。

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

関連記事

新着記事

ランキング