10月21日、中国厦門で開催された第10回APACステンレス、ニッケル、クロム、モリブデン会議にてIRUNIVERSEが登壇。昨年に続いて2回目の登壇は代表の棚町と杉原、赤井の3名でSpeechした。
IRUNIVERSEおよびMIRUの概要について杉原が、本題については赤井が語った。最後に来年3月に行われる「第13回東京バッテリーサミット」の参加を呼びかけた。
そのなかで、日本のステンレス生産はピークの300万トンからいまは200万トンを割り込むところまで減少。
その要因として、アジア市場のなかで韓国、台湾、中国、そしていまはインドネシアとの価格競争において日本のプレゼンスが低下してきたことを指摘。
日本のステンレス鋼材の輸入量もかつての韓国一強から中国材がトップになっており、さらにインドネシア、マレーシア、インドからの輸入も増えている現状を説明した。
日本政府が今年7月から中国と台湾の輸入ステンレス鋼材についてアンチダンピング(AD)の調査を始めたこと、来年3月には関税が発動される見込みであることも語った。しかしこのAD調査の対象国に韓国、インドネシアが入っていないことについても言及。会場ではやや詳しく赤井が説明。POSCOと日本製鉄との関係など。。
グリーンステンレスについては、NPIを原料としたステンレスとスクラップをメインとしたステンレス鋼材とでは、CO2抑制の観点からスクラップを多く用いた鋼材のほうがグリーンであることは間違いない。日本のステンレス特殊鋼メーカーも実際、スクラップの装入率を上げている。しかし一方で、スクラップも年間20万トン近く輸出で韓国、中国、インドなどに出ている現実もある。
また日本のステンレス業界としては、さらに特殊品にシフトしていく可能性は高い。日本のメーカーでないと作れない、あるいは日本のステンレスを必要とする国あるいは産業、用途に特化するしかない。つまり価格競争では勝ち目はない。
結論としては、ADが発動されたとしても(その関税率が30%前後であるならば)中国および非中国からの輸入は増えていく可能性が大。欧州のようにCBAM規制によってグリーンステンレスがよりよい選択だという市場のニーズが盛り上がっていくことになれば、また日本のステンレスに光が当たることもあろう、とした。

この講演のあとに、欧州のステンレスメーカー、アセリノックス社の方とも話したが、欧州メーカーは景気低迷で減産。ステンレススクラップは日本にも売りオファーがくるほどで、欧州でのステンレススクラップの需要は低下している模様。欧州は来年春から先のCBAM規制を強化していく見込みで、これによって中国、インドネシアからの輸入は減少していくのではないかと話していた。欧州はすでに中国、インド、台湾、韓国のステンレス鋼材にAD関税を課しているが、あまり効き目はないようだ。米国のように100%というくらいにインパクトのあるものでない限り。。

(IRUNIVERSE YUJI TANAMACHI)