6857アドバンテスト 26/3Q2WEB決算説明会メモ ややポジティブからニュートラル
26/3期AIでSoCテスタ再増額し21.8%増収, 63.9%営利増に大幅増額修正も再々増額期待
株価22120円(10/29) 時価総額16兆9470億円 発行済株766141千株 2PER(26/3期DO予55X)PBR(26.4X)配当(26/3DO予)72円 配当利回り0.3% 3
要約

26/3Q2はSoCテスタ大幅増で38.0%増収70.7%営利増と大幅上振れ着地
26/3Q2決算が10/30に開示され、WEB説明会が同日行われた。 26/3Q2は売上高2630億円(7/29予想比258億円増額、同期比38.0%増、26/3Q1比0.3%減)、営利1085億円(同121億円増額、同70.7%増、同12.5%減)とHPC、AI関連先端プロセス向けにSoCテスタが伸長、同期比収益大幅上振れ着地、26/3Q1比ではMIX悪化も想定ほどの悪化がなく高収益を確保した。

セグメント別ではテストシステム事業が売上高2374億円(同期比41%増、Q1比1%減)となった。 SoCテスタが1737億円(同期比96%増、Q1比9%減)とHPC/AI半導体向けで拡大加速、Q1比ではQ1にHPC/AI半導体向けに前倒し出荷もあり減少も、スマホやアプリケーション向けテストは増加、計画比では増額に。 メモリテスタは439億円(同22%増、同31%増)とHBM中心に高性能DRAM向け需要が大きく寄与、Q1比ではDDR向けなども増加した。 利益面ではSoCテスタ比率が高く、高水準を維持した。

サービスその他は256億円(同10%増、同10%増)となった。サポートサービス部門が154億円(同7%増、11%増)と累積台数増で堅調な伸び、その他も102億円(同16%増、同10%増)と着実な伸びになった。

次に地域別では台湾が1154億円(同期比58%、Q1比29%減)と同期比では主に米国の複数ファブレスがHPC/AI関連半導体の品質保証強化から、ファウンドリ・OSAT向け売上が伸長した。 Q1比ではQ1の前倒し需要の反動もあり減少した。 韓国は561億円(同期比25%増、前期比72%増)とDRAMを中心にHBMメモリテスタ売上増加に加え、Q1比ではHPC/AI関連以外も回復し大幅増に。中国は521億円(同22%増、34%増)と好調を持続した。

全体として利益面では高機能SoCテスタ構成比の上昇、円安効果もありMIX良化、総利益率が同期比4.4ポイントアップ、前期比では2.9ポイントダウンしたものの62.2%と60%超を達成しており高収益を誇っている。 販管費はQ1比18億円増加しているが、Q1では事業譲渡益25億円が含まれていた、Q2では競争力強化のためのコスト20億円が含まれており、営業利益率がQ1の47.0%からQ2に41.3%に低下したものの、同期比では7.9ポイント向上しており40%超を維持、投資負担などを補って高収益率を確保している。
26/3期SoCテスタ増額で21.8%増収, 63.9%営利増予想に再増額修正も再々増額期待
同社は26/3期予想を再増額した。これは上期増額着地、下期も次世代先端デバイス向け設備投資意欲が強く、スマホやPC向けなども回復を見込むため。26/3期再増額予想は売上高9500億円(7/29増額修正予想比1150億円増額、21.8%増)、営業利益3740億円(同740億円増額、63.9%増)、当期利益2750億円(同535億円増額、37.4%増)予想とした。 なお今回、2025年度業績予想と手元資金の状況を勘案し、株主還元と資本効率の向上を目的とした自己株式取得を行う(1800万株上限、取得額上限1500億円、自己株除く発行済株の2.5%)。


部門別売上でテストシステムを8470億円(同1100億円増額、24%増)予想とした。内訳はSoCテスタ6240億円(同910億円増額、42%増)、メモリテスタ1530億円(同140億円増額、3%減)を見込む。 市場規模の前提はSoCについてはAI関連アプリケーションが牽引、7月見通しをさらに引き上げた。 メモリについても多少レンジを上振れさせるも、中央値は7月並としている。
まずSoCでは、先端半導体テスタ事業についてテスト量の増加が顕著で想定以上に高機能SoCテスタの引き合いが旺盛となり、通期でコンピューティング・通信向けが90%を維持する見通しに。

メモリテスタではHBM増産が続いているが、SDメモリについても在庫調整が進み、次世代品投入などでも拡大傾向が出ており、DRAM向け比率が90%(24/3期は95%)となる見通しに。 なお2026年についてはさらに伸びが高まる見通しに。

サービスその他は売上高1030億円(同50億円増額、6%増)とした。 基本的に同社製品の設置台数増でサービスサポートが600億円(同20億円増額、8%増)、その他はテスト用インターフェースボードが好調で430億円(30億円増額、4%増)予想に。

全体として売上面では高機能SoCテスタ市場の大幅増額、メモリテスタもHBM向けに能力増強が進む見通しで、現在のAI半導体、HBM投資増など追い風が増している。下期はQ3が次世代先端デバイスに移行の転換点で伸び悩む見通しとしているものの、Q4から増産が始まるとしているが、次世代品への移行が早まる可能性も高い。 また為替前提が$1=140円としており、1円の変化で年間29億円の利益増寄与があるとしており、円安寄与も加わろう。
AI半導体増産を背景に24年6月公表の中期経営計画(2024年度~2026年度)増額修正
同社は生成AIの急速な普及に伴うAI半導体、AIデータセンター需要の高まりの加速を受け、2024年6月に公表した「第3期中期経営計画(2024年度~2026年度)」の経営指標を大きく増額修正した。

これは半導体の複雑性の新たな波がテスト項目とテストタイムの長時間化を牽引する形となっており、しかも品質保証や信頼性の強化などの側面もあり、高機能SoCテスタ拡大の伸長が続くため。 最近はHPC/AIデータセンター向けGPUに加え、ハイパースケールクラウド業者が相次いでAIインフラ向けに自社開発したASICやカスタムAIプロセッサの投資も加わる。 また成熟プロセス向けでは、車載半導体、産業機械向けの回復も見込まれる。さらにメモリテスタではHBM向けがHBM3E、さらにはHBM4へと進化しスタック数増加などのアーキテクチャーの変化も加わり、テストアイテムが増加する。NANDフラッシュ向けでは次世代型の拡大で需要拡大が見込まれる。 このため会社側の新たな指標について、上限値を超えての達成も十分期待される。
なお同社は売上1兆円到達時のイメージとして、売上総利益率61%、営業利益率38%、売上高研究開発費1000億円を描いているが、27/3期には早くもこの目標を達成する勢いがある。

株価は26/3期再増額修正を受けて10/29には4000円ストップ高となり、22120円の最高値更新となった。 現在、会社再増額修正予想EPS378.06円に対しPER58.5倍となっている。 今後、再々増額修正含みではあるが、東京エレクトロンの33倍、ディスコのコンセンサス47倍に対し割高感がある。またNVIDIAのコンセンサス46倍に対しても割高となった。今回、自己株1500億円(または1800万株)上限に自己株式取得を予定とすること、さらに再増額修正がありうるものの、NVIDIAのコンセンサスPERを上回っているため、日本でのAI半導体関連の代表銘柄ながら、一旦ややポジティブからニュートラルに評価を下げたい。



東京エレクトロン(8035)、ディスコ(6146)、レーザーテック(6920)との比較

テラダイン(TER)、KLA(KLAC)、NVIDIA(NVDA)、TSMC(TSM)との比較

(IRuniverse Okamoto)