10月30日13時、大阪製鐵は26/3期2Qの決算を発表し、通期見通しを据え置いた。
<2Q実績>
〇環境
主要需要先である建設需要は、資機材価格高騰や人手不足の影響による低迷からの回復が想定以上に遅れており、コスト面でも電力価格や物流費がさらに上昇するなど、厳しい環境が継続。
〇実績
国内事業は、適正なマージンの確保を最優先課題として取り組むとともに、現場活動を中心とした地道な歩留・原単位の改善を継続するなど、自助努力によるコスト改善や拡販施策を推進。また、堺工場の省エネ・省CO2型電気炉導入については、工事工程の調整等を踏まえ工期を見直し、当年度中の立ち上げを予定として取り組んでおり、西日本熊本工場のクレーン更新などの老朽更新投資も計画に沿って実行している。
また、サステナビリティ課題への対応は、気候変動対応の指標としているCDPスコアアップに向け、SCOPE3のGHG排出量の算定を進めるとともに、西日本熊本工場に自家用太陽光発電設備を導入。また、働き方の柔軟性を向上させる制度を導入するなど人的資本強化への取組みも推進。
これら取組みを実行したものの、出荷量の減少や為替変動などによる一時的な損益悪化もあり、大幅に収益が悪化した。
インドネシア事業も、政府の公共工事向け予算の大幅な削減等による建設向け鉄鋼需要が落ち込む中、厳しい競争環境が継続し、販売価格の低迷によるマージンの縮小に加え出荷量も減少し、さらに厳しい収益・財政状況が継続。
同社グループにおける鋼材売上数量は45.7万トン(前年同期実績52.6万トン)、売上高は486億円(前年同期実績599億円)、経常損失は▲13.2億円(同19.1億円)、当期損失は▲15.5億円(同11.5万円)となった。
また、当社子会社であるPT.KRAKATAU OSAKA STEEL (KOS)の当中間連結会計期間(25年1月 -6月)における鋼材売上数量は10万2千トン(前年同期14万6千トン)、売上高は83億円(前年同期実績132億円)、経常損失は19.5億円(同▲1.9億円)、当期損失▲19.9億円(同▲2.3億円)となった。なお、KOS社については、事業価値を減耗させないために、構造的な FCF を四半期ごとにフォローし、それが継続的にマイナスとならないことを基準として、事業継続性を総合的に判断していく。
今2Q実績の経常利益増減要因(前上期vs今上期)

出所:会社発表資料よりIRU作成
なお、会社計画との差異については以下の通り。
資機材価格高騰や人手不足の影響により、同社の主要需要先である建設需要の回復が想定以上に遅れていることから想定の出荷量を下回ったが、コスト改善に加え、為替差損益等の評価性損益の変動により前回公表時に対し、増益となった。
〇通期見通し
上期実績に改善した為替差損益等の評価性損益の戻りが下期に発現する見通しであることから、通期連結業績予想は据え置いた。
図表1、26/3期業績見通し(百万円)

注意:今上期は実績値
出所:会社発表資料よりIRU作成
〇配当について
修正なし(無配当)。なお、配当については、業績に応じて適切に株主へ利益を還元していくことを基本とし、中長期的な成長・戦略投資などに必要な資金を留保しつつ、事業環境や業績動向、財政状況を勘案しながら、適切な水準の株主還元を実施していく方針。具体的な指標としては、連結配当性向30%程度を目安としている。
<参考>
図表2、四半期別業績推移(百万円)

出所:会社発表資料よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康)