11月13日16時、東邦亜鉛は同日15時半に発表した26/3期の業績について決算説明会を発表した。説明に使われた資料はこちら。
<25年度上期の実績>
〇概要(資料2ページ)
売上高538億円、EBITDA0.2億円、当期損失▲14億円となった。本決算について、事業再生計画期間の当初に計画していた亜鉛清算の財務費用計上などにより当期損失となっているが、1Qから2Qにかけて四半期ベースでは収益は改善しており、損益のボトムから下期以降の黒字化に向けた体制が整ったと考えている。
一方で、鉛製錬において一過性の損失が発生したことにより、事業再生計画の初年度において業績の通期見通しの下方修正を発表したことは誠に遺憾。同社は、本年度から事業再生期間を設定している。事業再生施策としてすでに実行に移した全社的な収益改善の取り組みは、下期に向けて着実に効果を発揮する見込み。事業再生施策の効果に加えて、銀をはじめとする貴金属や希少金属の価格が歴史的に高騰している現状や、亜鉛製錬の残務費用が下期には軽減されることを踏まえると、下期において大幅な業績改善が見込まれる。
私たちは、この見通しを確信として、全社一丸で再生施策の実行と進捗・管理に邁進していく。
〇実績・見通し
上期の売上高は基盤成長事業が増収だが、前年同期比では減少し538億円、EBITDAは0.2億円と黒字転換え、当期損失は▲14億円となった。2Q単体では、売上270億円、EBITDAは5億円の黒字化、当期損失は▲2億円と、四半期の収支は改善。四半期の収益が改善した背景は、亜鉛製錬の残務費用計上の軽減が進んだことや、再生施策の一部で早期に効果が現れている。これらを踏まえ、一過性費用などを除いた正常収益ベースの上期EBITDAは約32億円と考えている。
他方で、26/3期見通しを修正した。通期の売上高は1,184億円、EBITDAは41億円、当議利益は13億円となる見込みで、前回発表からEBITDA及び当期利益を下方修正した。この修正は、鉛銀製錬の操業トラブル、小浜製錬所の火災などの一過性損失によるもの。
ただし、現状の銀相場の歴史的高騰や円安の進行は同社にとって追い風であり、為替及び相場の変動によっては収益修正見通しに対してプラスに寄与する可能性もあると見込んでいる。また、操業トラブルや火災といった一過性の要因はすでに解消しており、下期からは再生施策の効果が本格的に反映される。
同社は、本年3月にスポンサーからの支援を受け、会社全体を改革しようとする事業再生プロジェクトを推進している。このプロジェクトでは、専門性の高い外部人材を複数採用し、経営管理、工場管理、組織人事、DX・IR体制の抜本的な改革に着手している。
これらを合わせた効果により、来期26年度は当初再生計画並みの水準を見込んでいる。さらに、希少金属の増販増産や収益化の強化、構造的な収益改善策が進展することで、27年度以降は持続的な成長軌道に乗せることが可能と考えている。
同社の事業再生に向けて、経営陣一同は、透明性の高い情報開示、施策の着実な実行を通じて、持続的な企業価値向上を確実に実現していく。
<25年度上期概要>(同4ページ)
売上高は、廃炉の撤退、再編事業の減少により635億円から538億円へ減収となったが、水色の基盤成長事業では66億円増収の483億円。EBITDA及び当期純損し純損益は、先に説明しました要因や右下に記載している在庫評価損やTC/RCの条件悪化などで減益となり、それぞれ0.2億円の利益、▲14億円の損失となった。
こちらの事業別の経常損益ベースの変動要因はAppendix(資料23ページ以降)に掲載しているので、後ほど参照。
〇1Q→2Q(同5ページ)
1Qの売上高は、再編中の亜鉛事業の売上が大きく減少して43億円から11億円となったが、基盤成長事業で円安や資源価格上昇の増収により、2Qの合計はほぼ横ばいの270億円となった。
EBITDAは、1Qに発生した在庫評価損失が2Qの製品売却等により縮小したことや、亜鉛撤退費用の軽減により5億円の黒字となり、当期損失も▲2億円の損失ながら改善。
〇経常利益ベースの増減(同6ページ)
銀事業では合計7億円の増益。その内訳として、市況や為替影響で+1億円、在庫評価は、銀の販売が改善したことにより+6億円、数量要因、こちらも銀の販売増により+4億円、合計の+11億円の増加。
これに対して、その他副産物等の販売減などで▲4億円減少した。
環境リサイクルは、販売減の影響があり、電子部材、機能材料と合わせて▲1億円の減益、金属リサイクルは財務費用が、財務費用が軽減したことで+5億円の増益。
この結果、経常利益合計で、1Q→2Qで9億円の増益となっている。
〇四半期の損益(同7ページ)
24/3期では資源事業の撤退、25/3期では亜鉛製錬事業の再編に伴う減少により当期損益で多大な赤字になったが、再生計画開始の緑色の右側以降はEVITDAが1Qをボトムに、2Qでは亜鉛製連の財務費用がある中で黒字となり、当期損失も縮小し、過去の損失を乗り越えて回復へ向かっていると考えている。
〇市況・為替・一過性損失を調整した正常収益EBITDA(同8ページ)
特に再編の移行に関する一過性の費用等の増加要因があることから、こうした要因や市況、為替要因を除いたEBITDAを正常EBITDAと呼び下期以降の損益の方向性について示している。
左から、調整要因として、市況と為替要因が二次原料の高騰の影響も含めて4億円、一過性要因として、操業トラブルなどによる数量減による影響が12億円、上期に発生した急激な市況変動に伴う在庫評価損などの影響で10億円、また、事業再生計画を着実に実行するための外部コンサルタント費用など5億円。こちらを、一時的に発生する構造を回復費用として戻すと、上期のEBITDAは32億円になる。
下期以降は、実行フェーズに入ってくる再生企画の施策実行による刈り取りや希少金属などを含む増産、増販などにより、下期以降さらに増収効果として見込めると考えている。
〇事業別の利益推移(9ページ)
過去2事業の撤退再編事業の売上とEBITDA示している。上段売上高では亜鉛・資源事業の占める割合は3分の1であったが、今年度に入りほぼ0に近づきつつある一方で、基盤成長事業は増収している。
EBITDAベースで資源・亜鉛資源の事業は赤字の期も多かったが、今後は事業基盤事業である鉛、銀の製錬事業を中心に損益の下振れを抑えてまいる。
〇資源価格の推移(同10ページ)
図の真ん中のドル円為替のところ、前年度の上期比では円高。同じく前年度対比の資源価格、上段の鉛がドル建てで2,100ドル近辺から1,900ドル台半ばへ下落し、同様に円建ても下落している。下段には、赤丸の通り、ドル建て、円建てともに円高にも関わらず上昇している。特に今年度上半期の2Qにおいて大きく上昇しており、現在の金属全般の上昇と相まって、過去水準より高値で推移をしている。
〇26/3期(25年度5)における業績推移の想定(同11ページ)
業績見見直しの想定をまとめたもので参照。
<25年度業績見通し>
〇通期業績の修正(同13ページ)。
EVITDAだけ説明。上期にネガティブ要因となった鉛・銀事業の操業トラブルによる減産減販影響、
あるいは小名浜製電所の火災の費用増加の影響などで▲19億円。市況要因では、TC/RCの条件悪化や二次元料費用の高止まりなので▲12億円。これを希少金属や副産物の増産や値上げ施策などで10億円を打ち返すが、業務改革費用や人件費の増額などのマイナスにより、26/3期見通しは41億円と下方修正した。当期損失も同様の要因により30億円から13億円修正した。
今回の下方修正は誠に申しく遺憾ではあるが、下期単体ではEVITDAが41億円、当期利益は27億円となる。経常利益も43億円から18億円と修正するが、下期単体では30億円をとなっており前ページで説明した総量の安定化や事業再生施策の遂行により収益回復を見込んでいる。
〇生産量の実績及び見通し(同14ページ)
こちらは資料を参照。また、感応度も今回前提を見直しているので資料の15ページを参照。
〇26年度再生計画(同16ページ)
今回の下方修正により、事業再生の初年度が計画未達となるが、次年度の26年度の見通しについては、図の下、3つ項目あるが、今年度の一過性要因として認識している操業トラブルや火災事故影響が解消される。市況は予想困難であるが、希少金属の取り組みなどの事業再生施策の効果が今年度より大きく見込めることより、当初の再生計画並み以上を見込み、27年度以降にもつなげていく。
〇事業再生計画の変動要因と達成確度(同17ページ)
再生期間5年間の中期的な見通し。基盤事業の鉛銀事業は、今後も設備投資を行い、生産性の向上を図り、安定的に収入、収益を積み上げていく。
希少金属等についても、増産体制を整えることにより、価格状況に対応し、採取する金属と収益のベストミックスによる収益構造の最適化を図ることにより、再生計画値を達成していく。
また、銀行とも引き続き密に連携していく。再生計画のスタート以降、銀行とは、損益計画や再生計画の施策の進捗について月1回のモニタリング会議を開催しているほか、適宜のミーティングも開催している。資金繰り等の対応についても、漏れないようしっかり取り組んでいる。
<事業再生期間の進捗>
事業再編の全体像(同19ページ)、鉛・銀製錬の操業トラブルへの対応(同20ページ)、IR施策(同21ページ)については資料を参照。
(IRuniverse 井上 康 )