2026年4月のタングステン市場はこれまでの急伸から勢いが鈍り始めた。ベンチマークであるタングステンAPTの国際価格は4月24日に高値$3200/MTUを付けた。4月22日-23日の$3300から小幅に値下がりしている。仲値では上昇が続いているため本格的なピークアウトとは判断しきれないが、さすがに過熱感が意識され始めた。
■中国の生産者、長期取引の見積価格を引き下げ
上海有色網(SMM)は4月27日までのレポートで、「利益確定、下流の買い手の高価格購入への消極姿勢、商品市場全体の調整」がタングステン価格の下押し要因になったと指摘。あまりの高値に調達企業側が様子見姿勢を強める中、「中国国内の複数のタングステン生産者が、長期取引見積価格を引き下げた」という。「大手生産者の長期見積価格が確定するにつれ、市場全体のムードも弱まり始めた」とも分析した。
過去3か月間のタングステンAPT価格の推移(EU Free market)($/MTU)

タングステンAPTの高値は4月3日に$3150と節目の3000を超えた。その後も値上がりしてきたが、ここにきて微調整が入った。ただ、仲値では4月22日に$3050を付け、こちらはこれまで通り上昇が続く。やはり4月3日に$3000の大台に乗せていた。
■国際鉱石価格と酸化タングステンが月初に上昇
過去3か月間の酸化タングステン価格の推移(Wo3 99.99%min FOB China)($/MTU)

APTに追随しやすい酸化タングステンも上昇が続いた。4月3日に$3010/MTUと、前日から33%値上がりした。ただ、その後は1か月近く値動きがない。
過去3か月間の国際タングステン鉱石価格の推移(WO3 65%) ($/MTU)

国際鉱石価格もなお上昇した。4月9日に$1843.5/MTUに上げた。ただ、その後はやはり横ばいが続く。
■中国鉱石価格がピークアウト、スクラップは横ばい
過去3か月間の中国のタングステン鉱石価格の推移(WO3 65%) (RMB/mt)

一方、中国の鉱石価格はピークアウトした。3月26日-4月2日のRMB102万2500/mtを天井に、段階的に値下がりした。4月24日にはRMB82万2500と、3月上旬以来の水準に下げた。
過去3か月間のタングステンバー価格の推移(w-4 99.9% China)($/kg)

過去3ヵ月間の炭化タングステン価格の推移(99.7%min 2.5-7.0um Fob China)($/kg)

中国価格に連動しやすいタングステンバーとタングステンカーバイドも値下がり。フェロタングステンと純タングステンスクラップは4月初めに値上がりしたが上昇幅は小さく、全体に3月半ばからほぼ横ばいとなった。
過去3か月間のフェロタングステン価格の推移($/kg)

過去3か月間の純タングステンスクラップ価格の推移(99% of Japan)($/kg)

4月23日
上海有色網(SMM)は4月23日、「ベトナム政府は北部タイグエン省のヌイパオ・タングステン鉱山について、2050年を見据えた更新計画を承認した」と報じた。
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4月20日
中国税関総署が4月20日に発表した2026年3月の貿易統計月報によると、同国の3月のタングステンの輸出量は661トンと前年同月比31.6%増加した。
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4月20日
住友電気工業は4月20日、 ハードメタル事業の製品について、2026年6月1日受注分から販売価格を改定すると発表した。材料であるタングステンの価格高騰に対応した。同社は4月8日には、タングステンのリサイクル生産能力を増強すると明かしていた。
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4月14日
富士精工(本社:愛知県豊田市)は4月14日、既に発注済みのタングステンパウダーが、年明け以降中国通関で停止し、「現時点では輸入再開の目途が立っていない状況」だと発表した。
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4月10日
三菱ケミカル(本社:東京・千代田)は4月10日、筑波大学および東京理科大学と、核融合炉内の重要機器のひとつであるダイバータ向け新規炭素複合材料の実証に関する共同研究を開始したと発表した。商品化すればタングステンの代替材料となる。
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4月2日
赤澤亮正経済産業大臣は4月2日、参議院経済産業委員会に出席し、タングステンの供給代替先の確保やリサイクル強化対策について、「特定国への依存から脱却するためには、供給網の多角化を進めていくことが重要であり、経産省としても出資や助成金支援により鉱山開発や精錬事業の案件組成を後押ししていく」と述べた。
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