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タングステンの歴史的高騰でさらに重要性増すリサイクル 小笠原金属 津々木社長に聞く

2025/12/24 11:50
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タングステンの歴史的高騰でさらに重要性増すリサイクル 小笠原金属 津々木社長に聞く

今年、最も高騰したレアメタルといえばタングステン。そのタングステン系のスクラップを多く扱う大阪の(株)小笠原金属、津々木社長に今年と来年の見通しを聞いた。 

ー今年を振り返って・・ 

「まさかここまで相場が上昇してくるとは予想できませんでした。9月には一旦落ち着くと思われたのですが、いや、ここまで上がってくるとまさに異次元相場」 

 

ー超硬スクラップはすでに1万円台(キロ当たり)に乗っているとか? 

「そうですね、輸入品はすでにそうなってますが、それよりも不安なのは輸入先でもちょっと出し渋り感がでてきたんですよね。これから先の仕入れが心配です。そして超硬メーカーなどでもWC(タングステンカーバイド)不足で生産が止まるようなことにならないか危惧しております」 

(ここ1年の国内超硬スクラップ相場の推移)

 

 

ー非常にテリブルな状況ですね 

「はい、ここまでくると民間企業だけの力ではどうにもならないときがくる。国の出番ではないかと。もしJOGMECが在庫を保有しているのならば放出すべきと思います。また、今は日中関係がよろしくない。中国側が足元をみてまだ輸出できているタングステンバーなども止める可能性がありますね」 

 

ーあ、それは確かに中国がやりそうな。。 

「もしかしてですが、この先には超硬工具の完成品を安値で中国が輸出するかもしれません。そうなるといよいよ中国依存から抜けられなくなります」 

 

ーそれはまずい。どうすべきと思いますか? 

「これで十分と言うわけではないですが、先ず出来ることとして国内資源循環を徹底的にやるべきですね。日本は欧米諸国に比べてタングステンのリサイクル率はそう高くない。欧米が70%近いのに対して日本は40%程度。そのひとつの理由に精錬工場が少ないことが挙げられます。いまは大手メーカー2社と亜鉛処理法で精錬を行っている2社に限られますが、ここにもうひとつ湿式に比べてイニシャルコストが安く、アウトプットに即効性のある亜鉛処理法のタングステンリサイクル工場を増設すべきと考えます」 

 

ーなるほど。津々木社長は以前にもタングステンの国内循環には業界連携が必要とお話されてました 

→ 日本にはタングステンのリサイクルコンソーシアムが必要 小笠原金属

「はい。今でも連携して行っておりますが、いまはそれを拡大すべきではないかと。日本国内でスクラップ回収と精錬を両立させるべきですね。というのも先ほど言いましたように、海外でも出し渋りがあります。さらには各国がタングステンスクラップの輸出を止める、いわゆる資源の囲い込みに入った場合、日本としては非常にタングステン資源の海外調達が難しくなります」 

 

ー超硬合金スクラップはするとまだまだ上がりますね? 

「そうですね。中国の政策次第ですが、足元の状況からすれば超硬スクラップ相場が急落する要素は少ないんじゃないでしょうか」 

 

ーしかし相場が上がりすぎると、その副作用として代替品に変わるなど需要じたいが減るおそれは考えられないでしょうか? 

「相場高騰による代替品への動きは少なからずあると思いますが、超硬工具の即時代替は難しく、今後も太陽光発電や半導体関連での需要増が見込まれており、タングステン需要が全体的に減る可能性は低いと思いますね」

 

ー中国以外でのタングステン資源供給源としてベトナム、カナダ、そしてロシアがありますね? 

「確かに中国以外にもタングステン鉱山はありますが、近年、中国はロシアなど各国からタングステン資源の輸入量を増やしている現状があります。その中で経済的、地政学的に見ても日本が優位に調達できる条件は乏しく、特にロシア産はコンプライアンスの観点からも直接的な調達は現時点でハードルが高いと思いますよ」

ーありがとうございました。

 

 

 

(IRuniverse tanamachi)

 

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