2026年6月10日現在のレアメタル系スクラップ市場は、前月の大幅な値上げを受け、一部では落ち着きを見せているものの、価格としては全体的に上昇を記録した。引き続き超硬スクラップやタンタル系の動きが激しく、特に超硬スクラップでは需給バランスが崩れ始めている。前月からの相場動向が市場に色濃く反映される結果となった。
【チタン】
純チタン板スクラップ(新断)「→」:350円~400円/kg(*専業ディーラー買値ベース、以下同)前月から横ばい
合金6-4チタンダライ粉「→」:200円/kg前月から横ばい
合金6-4チタンスクラップ「→」:250円/kg前後 前月から横ばい
フェロチタン「→」:実勢 5ドル/kg前後
前月の出荷難による上昇から状況が落ち着き、チタン系は全体的に横ばいを記録した。需要は徐々に戻り始めている。フェロチタンは実勢5ドル前後が続いており、高値圏の5.5ドルあたりを狭いレンジで行き来している。
【工具類】
ダイス鋼(SKD61)「→」:60円/kg
ハイス(ミックス)「⤴」:500円/kg 前月比30円上げ
ハイス(一品もの)「⤴」:600円/kg 前月比30円上げ
超硬スクラップ「↓」:10000~9000円/kg 前月比1000円下げ
ダイス鋼は依然として横ばいである。ハイスは前月に引き続き需要が拡大し、30円の値上がりとなった。前月に大幅な値下げを記録した超硬スクラップは、6月も引き続き下落基調にある。在庫は6月末まで確保される見込みであり、供給過多による値下げ傾向は夏の終わりごろまで続く見通しだ。なお、一部のリサイクラーでは買取価格8,000円という値も出ている。
【モリブデン系】
- 酸化モリブデン:31~34ドル/lb:横ばい
- モリブデン新切れスクラップ:7,500~8,000円/kg
モリブデン系は前月と同様、総じて横ばい。国際相場に連動し、狭いレンジでの値動きを見せている。
【タンタル】
タンタライト「↑」:220ドル/lb 前月か50ドルの価格上昇
タンタルスクラップ(PIN)「→」:50,000円/kg
タンタライトは前月から50ドルの値上げとなった。4月末から5月はじめにかけての高騰と、先月の買い渋りによる価格低下があったが、その後買い戻しが発生した。しかし、最終消費者による買い渋りは依然として続いており、前月比では上昇したものの、価格自体は4月頃の水準に落ち着きつつある。
【ステンレス・耐熱系】
SUS304「↑」:200~210円/kg 前月から10円上げ
・SUS310「↑」:430~450円/kg。前月から10円上げ
・SUS316「↑」:275~395円/kg 前月から10円上げ
・SUS330「↑」:660~690円/kg。前月から10円上げ
・SUS430「ー」:67~72円/kg。前月から2円あげ
全体的に10円の上げとなった。今月も前月同様、ニッケル相場の上昇に連動した動きである。前回は約10%の大幅値上げとなったが、今月は約3%の小幅増にとどまった。ニッケル生産大国であるインドネシアの生産停止や生産量の減少により、今後もニッケル系の価格は上昇基調が続くと予想される。
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【ハイニッケル合金系】
42アロイスクラップ「↑」:800~850円/kg。前月から20円上げ
・インコネル718「↑」:1050~1150円/kg。前月から30円上げ
・インコネル625「↑」:1135~1235円/kg。前月から30円上げ
・インコロイ800「↑」:620~670円/kg。前月から20円上げ
・ハステロイX「↑」: 720~800円/kg。前月から20円上げ
・ハステロイC「↑」: 850~950円/kg。前月から20円上げ
・カーペンター「↑」:630円/kg。前月から20円上げ
・ステライト「-」:750円/kg。前月から横ばい
・コバール「-」:600円/kg。前月から横ばい
・キュプロニッケル(9/1)「↑」:1030~1130円/kg。前月から30円上げ
・キュプロニッケル(7・3)↑」:865~965円/kg。前月から30円上げ
ニッケル合金系では、20~30円の上昇となった。先月に引き続き、ニッケル相場の上昇に連動した値上げとなっている。ステンレス・耐熱系と同様に、ニッケル相場の変動が市場価格を押し上げる要因となっており、需要や供給のバランス変化が価格に反映される状況が続いている。
(IRUUNIVERSE Oshiro)