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26/3期4.6%増収1.2%営利増予想もスカラベサクレ子会社化等で利益上振れ最高益継続へ

2025/11/20 12:47
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26/3期4.6%増収1.2%営利増予想もスカラベサクレ子会社化等で利益上振れ最高益継続へ

大栄環境(9336)26/3H1WEB説明会    ニュートラル~からややポジティブに変更

 

26/3期4.6%増収1.2%営利増予想もスカラベサクレ子会社化等で利益上振れ最高益継続へ

 

株価3470円(11/19) 時価総額3466億円    発行済株99892千株      

PER(26/3期DO予:22.3X)PBR(3.49X) 配当26/3DO予52円   配当利回り:1.5%

要約

 

26/3H1は4.8%増収12.1%営利減とほぼ計画線で着地

 1972年創業の一般・産業廃棄物の収集運搬、処理、リサイクル大手で最終処分場の保有で強味。26/3H1は売上高399.76億円(期初計画比5.76億円上振れ、4.8%増)、営業利益89.32億円(同0.32億円上振れ、12.1%減)とほぼ計画線で着地した。

 

事業別に環境関連事業が売上高388.12億円(同8億円増額、6.5%増)、営利103.40億円(同4.40億円増額、7.4%増)。主力事業の廃棄物資源循環が売上高328.93億円(同0.93億円増額、0.7%増)と、廃棄物受入が107.4万トン(3.6%減)ながら、関東エリア等の受け入れ単価効果で横ばいを確保した。土壌汚染関連は売上高23.20億円(同0.2億円上振れ、37.8%増)となった。汚染土壌受入量は14.3万トン(6.0%増)と、新規受注に加え、難処理土壌の拡大で大幅売上増となった。またその他で施設運営等が売上高35.73億円(同6.73億円上振れ、33.9%増)と海成の解体工事や調査業務などの新規受注により施設運営が55%増となったことなどが寄与した。利益面では人件費増や関東エリアでの運搬費増、M&Aに伴う費用、償却費増などが影響も、コスト削減などの効果で計画比上振れとなった。

 

その他の環境関連は売上高11.64億円(同1.36億円未達、12.0%減)、営業損失1.62億円(同1.62億円未達、0.43億円悪化)となった。

全体の営業利益の増減要因分析では、増収効果18.17億円に対しエネルギーコスト4.7億円、減価償却費・のれん償却費9.68億円、人件費増6.82億円、その他9.25億円コスト増があり、一時費用を除けば営業利益はほぼ横ばいだった。

 

26/3期4.6%増収1.2%営利増予想変更無しもスカラベサクレ子会社化等で利益上振れ期待

 26/3期会社予想は、26/3H1が多少上振れたものの、売上高839億円(4.6%増)、営利218億円(1.2%増)経常利益216億円(0.5%増)予想を据え置いた。セグメント別などの変更もなし。環境関連事業が812億円(4.8%増)、営利218億円(0%増)予想。インフラ案件の継続受注等で廃棄物受入増加が堅調に推移すると見込み(0.6%増の221万t)、廃棄物資源循環で681億円(2.9%増)予想。汚染土壌は土壌浄化売上高66億円(35.8%増)を見込む。浄化施設の新たな稼働で受入増を目指し、受入量59万t(76.1%増)を目指すが、浄化処理案件の発生量が想定より少なく計画を下振れしているとのこと。その他環境事業は64億円(0%増)とM&A効果がなくなり横這い予想としている。

営利の増減要因では増収効果で37億円プラス、コスト削減等で5億円を見込むが、償却費負担増など31億円、人件費10億円など減益要因で緩やかな営業増益を維持するとしている。下期に設備能力増やM&A効果を見込み期初計画上期比売上高394億円に対し445億円(12.9%増)予想としている。4月にグリーンテック名張、九州では肥前環境を買収、上期に25年1月に買収した海成などが解体工事受注で売上寄与するなど、M&A企業群の寄与があった模様。これらを踏まえると26/3H1の上振れ分を含め通期は上方修正となるとみられる。

加えて注目すべきはこれまでのM&Aと比較してより大型の新規M&A、そして持分適用の動きである。同社は8/26に株式会社スカラベサクレを11月目処に連結子会社化することをアナウンスした。さらに10/14には株式会社要興業(6566)の総株主の議決権に対する27.62%を取得し、10/30付けで持分適用会社とすることを公表した。この2件については26/3H1段階では未決定事項があるなどで、26/3期収益予想には織り込んでいないため、これを含めると、26/3H2はさらに上振れる結果となろう。

まずスカラベサクレであるが、「株式会社スカラベサクレ(北九州市)並びに対象会社株を保有する2社」の買収(2025年11月完了予定)は、同社にとって九州エリアへの本格進出と圧倒的な利益率の取り込みを意味する、極めて戦略的な一手となる。

スカラベサクレは、北九州市門司区に拠点を置く産業廃棄物の最終処分(埋立)専業企業であるが、保有施設として管理型最終処分場を2か所保有しており、その許可容量は約880万立方メートルと国内最大級の規模を誇っている。

 

取扱品目としては、燃え殻、汚泥、廃プラスチックなどの一般的な産業廃棄物に加え、「汚染土壌」の受け入れにも強みを持っている。また物流設備として自社専用の岸壁(プライベートバース)を保有しており、陸送だけでなく、大型船による海上輸送での廃棄物搬入が可能である。これにより、九州域内だけでなく、関西や関東など遠隔地からの大量受け入れも実現している。さらに注目すべきは、驚異的な高収益(営業利益率約74%)にある。25/3期は売上高約60億円、営業利益は約45億円となっている。これは主に以下の構造的要因による。具体的に最終処分場の新規建設は、住民同意や環境規制の面で極めて困難なため、特に大都市圏からアクセス可能な大規模処分場は供給不足が続いており、「捨て場所を持っている」こと自体が高い価格交渉力(希少性プレミアム)を生んでいる。また最終処分場は、建設時に巨額の投資が必要なものの、一度稼働すれば日々の運営コスト(重機による埋立作業や水処理など)は売上に比べて低く抑えられる。まさに売上増分の大半が利益になる構造となっている。さらに専用岸壁を持つため、海上輸送による「商圏」の広さが、通常の処分場のトラック輸送圏内(地場)との競合で価格競争において優位となる。特に、首都圏や関西圏の再開発で発生する大量の「汚染土壌」や「建設廃棄物」を船で大量に、高単価で集荷できる。これにより、地域の需給バランスに縛られない高稼働・高単価を実現している。

同社はこの買収に約440億円を投じるが、それに見合う戦略的メリット(シナジー)が見込まれる。まず第1に、九州エリアでの「ワンストップ体制」確立がある。同社はこれまで関西・東海加えて最近は関東へも地盤拡大していたが、今回の買収で九州に強力な拠点を得ることとなった。熊本県などで計画中の「エネルギー回収施設(発電・焼却)」や「リサイクル施設」と、スカラベサクレの「最終処分場」を組み合わせることで、九州域内で廃棄物処理を完結させる(集める→燃やす/再資源化する→埋める)バリューチェーンが完成する。第2には、埋立残容量の劇的な拡大 廃棄物処理会社にとって「埋立残容量」は将来の売上の在庫そのものであり、スカラベサクレの持つ約880万㎥の容量が加わることで、大栄環境グループ全体の事業継続性と安定性が長期的に担保されることになる。さらに第3点として、海上ネットワークの強化が挙げられる。同社は大阪湾岸などで海上輸送を活用しているが、北九州の拠点が加わることで、瀬戸内海・太平洋をまたぐ広域的な海上廃棄物物流網が強化され、災害廃棄物の広域処理や、大都市圏の建設残土処理などの大型案件をグループ全体で受注できる体制が整う。このように、この買収は単なる規模拡大ではなく、「参入障壁の高い優良資産(巨大処分場+港)」を手に入れ、空白地帯だった九州でのビジネスモデルを完成させるものとして、70%超という利益率でグループ全体の収益性を押し上げると同時に、長期的なインフラ基盤を盤石にする効果があると言える。

  ところでスカラベサクレの買収完了(株式譲渡)は2025年11月28日が予定されている。このため会計上の連結期間が第4四半期に発生、損益が取り込まれることになる。今回、暖簾等の償却総額は取得価格440億円に対し純資産額71億円を差引いた369億円となる。暖簾償却期間は埋め立て処分場ということもあり、同社の2~16年という従来の想定期間ではなく、最長に近い15~20年を適用するとみられる。保守的に見て標準的な15年を採用すると、年間24.6億円となる。これに対し、25/3期の営業利益が45億円あり、差引で年間20.4億円の利益上乗せが見込まれる。26/3期は第4四半期だけの寄与とすると5.1億円の営業利益上乗せが見込まれる。

セグメント情報の推移について買収後、この利益は主力の「環境関連事業」(廃棄物処理・資源循環)セグメントに計上されるとみられる。このため26/3Q4で15億円程度の上乗せが見込まれる。なお27/3期はシナジー効果を除いて売上高で年間60億円、営業利益で20.5億円は上乗せされてこよう。

もう一つトピックスは要興業との提携、そして持分適用会社化である。同社は「西の雄」、要興業は「東京23区の雄」とも言える存在であり、この提携は単なる規模拡大以上の意味を持つ。同社の最大の狙いは、「関東(特に東京23区)における強固な事業基盤の獲得」にある。現在、東京23区の事業系一般廃棄物(オフィスビルや商業施設から出るゴミ)の収集運搬は、許認可の壁が高く、新規参入が極めて困難な市場となっている。要興業はこの領域でトップクラスのシェアと回収ルートを持っており、関西を地盤とする同社にとって、自力では開拓困難な「東京のど真ん中」の物流網を一挙に手に入れる足掛かりとなる。また同社が産業廃棄物の中間処理・最終処分、リサイクル施設運営に強み(インフラ型)のに対し、要興業は都心部の収集運搬、古紙リサイクル、事業系一般廃棄物に強み(ロジスティクス型)がある。このため、廃棄物種類の補完を含め、両者の機能を組み合わせることで、バリューチェーン全体の強化を狙える。これまで同社の関東拠点は「処理施設(共同土木)」はあるが、「都心部での圧倒的な集荷力」に欠けていた。要興業が入ることで、「工場はあっても燃やすゴミが足りない」というリスクを一掃できる。さらに、都心から出る大量の資源(プラスチック、紙、金属など)を確保するルートを持つことは、今後の資源循環ビジネスにおいて「資源の蛇口」を押さえることと同義であり、同社のリサイクルプラントの稼働率安定にも寄与し、サーキュラーエコノミーへの対応が一段と進展する。

なおシナジー効果として、営業面でのクロスセル(全国顧客への対応)、大手デベロッパーや全国チェーン展開する企業に対し、「全国一括管理」の提案も可能となる。これまでは関東エリア(特に都心部)の提案力で後れを取る場面があったと見られるが、要興業のネットワークを活用することで、西日本と東日本の主要都市をカバーする提案力が生まれる。また要興業が集めた廃棄物を、同社が関東近郊に保有(あるいは今後新設)する高度なリサイクル施設(バイオマス発電や高度選別施設など)に投入することも期待され、処理・リサイクルの高度化(バリューアップ)が可能となる。さらに単純焼却や埋立に回っていたものを、資源化・エネルギー化へ転換し、付加価値(処理単価)の向上と、顧客(排出事業者)への環境価値還元(CO2削減貢献など)を果たすこともできる。

なお、要興業の持分適用の効果は11月以降ということで、5ヶ月分の持分損益が営業外利益に計上されるとみられ、26/3期は要興業の税引利益の27.62%の5ヶ月分となる約1.8億円程度の持分法による投資利益が加算されると見られる。

このように、スカラベサクレの売上、営業利益寄与と要興業の持分利益寄与が加わり、26/3Q3決算発表時点では大幅な増額修正が開示されると期待する。

 

中計「D-Plan2028」で28/3期に売上高1000億円、営利250億円、EBITDA360億円目標

同社は中期経営計画として「D-Plan2028」を発表、数値目標として28/3期に売上高1000億円(25/3期比24.8%増)、営業利益250億円(25/3期比16.0%増)、EBITDAを360億円(25/3期比29.5%増)としている。

中身はオーガニックで900億円、新規とM&Aで100億円の売上を想定。また31/3期に売上高1400億円、EBITDA500億円を目指す基礎づくり期間とした。 オーガニックで廃棄物受入量233万t(57万t増)、汚染土壌76万t(43万t増)、合計で25/3期253万tから310万tに拡大する計画。また新規とM&Aは460億円+αを計画、維持更新投資の140億円を超える資金投入を行うとしていた。今回、スカラベサクレの投資金額が440億円、要興業は第三者割当による自己株処分(現物出資:処分総額49.20億円)でなされており、早くも実行に移した格好となっている。

 

 

 

株価は堅調な収益拡大を続けるも、変化率に乏しく小動きに終始してきたが、8/26のスカラベサクレの子会社化のアナウンスもあり、上昇を始め、10/10の要興業の持分子会社の発表もあり同日3780円の高値更新となった後、多少調整していたが、11/11の26/3H1発表で堅調な収益推移から再度株価が動きつつある。現在、26/3期会社予想EPS146.19円に対しPER27.3倍は、ダイセキ(9793)16.2倍、ARE(5857)9.8倍、TRE(9247)5.9倍より割高となっている。今回のM&A,要興業との提携で増額修正が見込まれ、これを踏まえるとPERは22.3倍程度となる見通しも、割高感は残る。但し27/3期はフルに収益寄与が見込まれ、27/3期以降も安定した収益の伸びで最高収益更新が続くとみられ、ニュートラルからややポジティブに評価を変更したい。

 

*図表は大栄環境説明会資料、ニュースリリースから添付、チャートはヤフーから添付

 

 

 

 

                *ダイセキ(9793)とTRE(9247)、ARE(5857)との比較

 

 

(IRUNIVERS Okamoto)

 

 

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