〜台湾および米国に新拠点を獲得し、さらなる事業拡大を目指す〜
住友化学は11月20日、台湾の半導体用プロセスケミカル企業であるAsiaUnionElectronicChemicalCorporation社(以下、AUECC社)の全株式を取得することで合意したと発表した。今後、関係当局の承認など必要な手続きを経て、買収が完了する予定。これにより、同社は半導体用プロセスケミカル事業において台湾 初の製造拠点を、また米国ではテキサスに次ぐ第二の製造拠点を取得し、さらなる事業拡大を目指す。
半導体産業は、IoTの進展、生成AIの急速な普及や、データセンター需要の拡大を背景に、世界規模での持続的な成⻑が期待されている。半導体の高性能化・微細化に伴い、半導体製造の洗浄・乾燥工程で異物除去などに使用される各種プロセスケミカルには、ppt partspertrillion=1兆分の1 レベルの超高純度化技術や高度な品質管理が求められている。
住友化学は、⻑年にわたり蓄積した技術に基づく高い品質と安定した供給体制を強みに、半導体用プロセスケミカルのリーディングカンパニーとしてグローバルに 事業を展開している。半導体用プロセスケミカル需要の拡大を見据え、2022年には米国・テキサス州にて拠点新設に着手するなど、供給網の整備、能力拡大を進めている。
AUECC社は、1998年に設立され、半導体用プロセスケミカルの開発・製造・販売を行っている。台湾・高雄市および米国・ネバダ州に製造拠点を有し、半導体用プロセスケミカルの幅広い製品ラインアップ、高度な品質管理体制に加えて、原料調達、製造から顧客ニーズに合わせたパッケージング、グローバル物流までの 一貫した製品供給体制を強みとしている。同社はこの強みを生かし、半導体用プロセスケミカルのワンストップソリューション・プロバイダーとして、台湾や米 国の主要半導体メーカーから⻑年にわたり高い信頼を獲得してきた。
今回の買収により、住友化学は半導体用プロセスケミカルのグローバルな供給体制を拡充するとともに、AUECC社のグローバル販売・調達ネットワーク、幅広い製 品ラインアップや供給形態を活用することで、半導体メーカーに多様なソリューションを提供する。加えて、同社グループが⻑年培ってきた技術を導入する ことで、AUECC社の生産効率向上など、同買収シナジーの最大化を目指す。
住友化学グループは、半導体材料事業を成⻑ドライバーの一つと位置づけ、経営資源を集中的に投入し、積極的に事業拡大を図っている。同買収により、半導体用プロセスケミカル事業のリーディングカンパニーとしての地位を強固にし、2030年度に24年度比約2倍の売上高実現を目指す。
(IR universe rr)