旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎)は、12月5日、宮崎県延岡市におけるヘキサメチレンジアミン(HMD)※1およびその副生成品であるプロピオニトリル(PN)※2の生産終了を決定したと発表した。
1. 背景と経緯
同社は、延岡地区のHMDプラントにおいて1971年に商業運転を開始し50年超にわたり、主にポリアミド66とヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)向けの主原料の生産および一部販売を行ってきた。しかし、近年、経済環境の低迷が長期化する中、原料および用役コストの上昇による競争力の低下に加え、川下製品の需給環境の悪化により、当該製品の稼働率は低水準で推移しており、厳しい状況が続いている。こうした状況は構造的かつ不可逆的であると判断し、当該製造工程からの撤収を決断した。
2. 生産終了に伴う今後の供給体制について
(1)生産終了する製品について 対象製品
ヘキサメチレンジアミン(HMD)、プロピオニトリル(PN)
生産終了時期 2027年4月(予定)
(2)川下製品の今後の供給について
同社は、HMDを主原料とするポリアミド66(樹脂及び繊維:宮崎県延岡市)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDIおよびHDI誘導品:宮崎県日向市)を手掛けている。同製品については、引き続き生産・販売を行っていく。
(3)当該製品群の事業に携わる従業員
当該従業員は同社内で再配置することを予定。
3. 業績に与える影響
同件は、すでに公表済みの2026年3月期連結業績予想に織り込み済み。なお、その影響額は軽微。
*1、*2
各製品の主な用途
ヘキサメチレンジアミン(HMD):ポリアミド66、ヘキサメチレンジイソシアネート
プロピオニトリル(PN):樹脂硬化剤
同社グループの事業ポートフォリオ変革について
旭化成は『中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~』のもと、資本効率の改善と投資成果創出による利益成長を目指しているが、この方針に基づき、ベストオーナー視点での改革や他社連携も含めた事業構造転換と経営資源の再配分を進めている。さらに、成長分野と位置づけた事業へのさらなる投資を通じて、企業価値の向上を図っていく。
(IR universe rr)