2月6日15時、神戸製鋼所は13時に発表した26/3期3Q決算を受けて説明会を開催した。説明に使われた資料はこちら。説明は木本執行役員が行った。
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<総括>

〇25年度実績(資料3ページ)
需要環境は、自動車、建築、土木などの素材系事業の主要分野の活動水準に前回から大きな変化はない。建設機関についても、日本、欧州等の需要は引き続き低調に推移した。
業績は、経常損益は、固定費を中心としたコストの増加に加え、建設機械における保証金収入の剥落などにより前年同期比減益の895億円となった。当期損益も、前年同期比減益の843億円となった。
〇25年度見通し
需要環境については、4Qにかけてもそうして大幅な回復は見込みがたい状況。年度見通しは、おおむね前回並みと想定。為替前提は、1ドルが150円、1ユーロ175円と、それぞれ前回から5円程度円安に変更した。
業績について、鉄鋼メタルスプレッドの悪化、それから神戸発電所3号機の定期点検期間の延長による減益を見込む一方で、機械系事業が総じて増益となることや在庫評価影響の改善などから、経常損益は1,100億円、それから当期損益は1,000億円、ROICは5%程度と、いずれも前回並みの見通し。
今、神戸発電所3号機の定期点検期間の延長といったが、資料真ん中の※にて、定期点検を延長せざるを得なくなった事情を少し記載している。なお、現在、この発電所に関しては、再稼働に向けて対応を進めている。5月中旬を目途に再開する予定。ユーザーとも話をしていて、電力の需給には影響はないことを確認している。
それから、少し戻るが、フリーキャッシュフロー、投資支払い時期のずれなどにより1,100億円に上方修正している。D/Eレシオは、前回並みの0.65倍程度の見通し。
総括の最後だが、株主関係について、前回公表の通り、期末配当を40円、年間配当を80円とする方針から変更はない。
〇決算ハイライト(同4ページ)
資料を参照
<25年度3Q実績>
〇実績(同5ページ)
売上高については、鉄鋼主原料や発電用石炭の価格、石炭価格の低下などから、前年同期比減収の1兆7,780億円となった。経常損益は次のページで説明する。当期損益は、経常損益の悪化などによって、前年同期比325億円減益の843億円となった。
図表1、26/3期3Q実績(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇経常損益 前年同期比(同6ページ)
左から、数量、前年度の好調な受注を背景とした機械での売上増加があった一方で、鉄鋼、素形材での需要低迷、それから建設機械の販売地域構成の悪化などから前年同期比で悪化。それから、価格面、メタルスプレッドが悪化、鉄鋼のメタルスプレッド以外、素形剤、溶接を中心に価格転嫁は進展している。コスト面、労務費、保全費などの固定費を中心に前年同期からみると増加。電力では、燃料費調整の時期ずれによる一過性の増益影響が前年あったが、これが縮小。それ以外には、在庫評価益が原料価格の下落に伴い悪化したこと、建設機械において、エンジン認証問題に関する補助金収入、前年度これがあったが、この部分が剥落した。
こういったことから、3Qの経常損益は前年同期比433億円減益して、895億円となった。
〇セグメント状況
鉄鋼で168億円の減益、スプレット悪化、固定費増。それから、機械で79億円の増益、建設機械で146億円の減益、電力で82億円の減益となった。
各セグメントの業績変動の詳細は、資料16ページ以降のセグメント情報を参照。
<25年度業績見通し>
〇需要環境前提
●素形材事業(同8ページ)
素材系の事業環境。今回変化を織り込んでいるのは、IT・半導体と飲料用缶。まず、IT・半導体は、半導体関連の需要回復ペースの鈍化から前回比で減少を見込む。下期から回復というような見立てをしていたが、さほど大きな回復に至っていない。飲料用缶は、アルミ板が、物価高騰による需要低迷、それから飲料メーカーで起きまたシステム障害の影響などで、前回比で需要減を見込む。
●機械系事業(同9ページ)
上段の機械は、大きな変化はない。下段の建設機械、こちらも地域ごとには少しずつ変化はあるが、全体としては大きな変化はない状況。
〇業績見通し(同10ページ)
今説明した需要環境に基づき、業績見通しを記載している。売上高は、建設機械での販売台数の減少、それから電力での、冒頭説明した発電所3号機の定期点検期間の延長などがあり、前回比減収の2兆4,400億円程度の見通し。経常損益は前回並みみとしているが、詳細は後ほど。当期損益は、前回並みの1,000億円程度の見通し。
図表2,26/3期業績見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇米国関税リスクについて(同11ページ)
今年度毎回説明してきたが、今回少し変化、修正している。縦に区分をつけているが、間接輸出、これは自動車、完成車の輸出が減少するというリスクとして織り込んできたが、ここに至って大きな変化がないので、今回これを外している。なので、前回▲30億円から今回▲15億円とさらに縮小した。
直接輸出その他については、建設機械と機械の米国現地法人になるが、前回のままとしている。
〇経常利益前回比(同12ページ)
数量は、機械・エンジニアリングに案件採算の改善を見込んでいるが、建設機械の販売台数の減少などから全前回並み。素材に関してもおおむね前回並み。変化しているのは鉄鋼のメタルスプレッド。原料価格の上昇、それから、為替も含めて、前回より悪化を見込む。鉄鋼以外のセグメントでは、建設機械での円安に伴う輸出採算の改善が大きく寄与して、前回比改善を見込む。少し飛んで電力、何回か説明している定期点検が長引いており▲50億円を織り込んだ。その他に在庫評価影響で+60億円。
25年度の経常損益は1,100億程度ということで前回並み。
〇各セグメントの状況(同13ページ)
1番上の鉄鋼は説明したように、メタルスプレットの悪化で、下方修正。それから、下段の機械、エンジニアリング、建設機械、ここは増益の見通し。電力も先ほど説明した定期点検期間の延長の影響で▲50億円を織り込んでいる。
こちらの詳細については資料16ページ以降のセグメント情報を参照。
図表3、セグメント業績見通し(億円)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇キャッシュフローの状況(同14ページ)
キャッシュフローは、投資キャッシュフローが、設備投資支払いの時期ずれがあり減少。その影響で、フリーキャッシュフローは前回比100億円改善して1,100億円を見込んでいる。D/Eレシオについては、前回並みの0.6倍程度。
<株主還元>(同15ページ)
冒頭の説明通り、前回から変更なし。配当性向は31.5%。
<参考>
図表4、四半期別業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康)